青山倫子

ピアノ弾き。音楽講師。シナリオライター。

青山倫子

ピアノ弾き。音楽講師。シナリオライター。

最近の記事

マイ ディア ミスター

Netflix。 韓国ドラマ「マイ ディア ミスター」(私のおじさん)を観た。 昨年末12/27に亡くなった俳優、イ・ソンギュンの代表作の一つの本作で、彼の演じるパク・ドンフンの苦悩、まっすぐな人柄、柔らかな美声に引き込まれた。 彼は管理職だが根っからエンジニアで、人事のあれこれより自分が関わった建物の安全性の方が気にかかる。家族を大切に思い、親孝行で真面目。その彼は、誰にも言えない苦悩を抱えて生きている。 かたや幼い頃から障害を持つ祖母のため働き、祖母を殴った借金取り立

    • 黒留袖を着る時

      12月10日、息子が結婚式を挙げた。 昨年11月末に入籍を済ませているので、結婚1年後の式である。 世間ではこの4年間、感染症の影響で葬式や結婚式など式典が大幅に減って、私も4年前に亡くなった父の一周忌と三回忌をやっていない。だから昨年、息子が「式はしない」と言うのに対し、「いいんじゃない?」と答えたのだ。 元々そういったものに対して「やりたい人がやればいい」と思っていた。 ところが息子夫婦が結婚して1年経って、この12月に結婚式をやることになった。 彼女の姉が今春 教会

      • 韓国ドラマ「ブラームスは好きですか?」

        アマプラで「ペントハウス シリーズ 2」の3まで見たところで、少しホンワカしたドラマがないかなと思って見始めた音楽ものドラマ。 言うまでもなく、この作品にはブラームスとシューマンの音楽が大きな役割を果たしている。 登場人物たちの生き方も、シューマンと彼の妻クララ、シューマンの友でありながらクララを愛したブラームスの関係性を絡めている。 ドラマのキャッチコピーとして「親友の恋人を愛してしまった二人の行く末はいかに」となっているが、ドラマを見ていると、恋愛以外の要素がてんこ盛

        • オンリーワン

          「世界にひとつだけの花」が流行ったのはSMAPが歌ったからだけでなく名曲だったからだ。 ナンバーワンよりオンリーワン。 今の世の中、この歌が流行った頃よりずっとその考えが主体になっている。 ひとりひとり、みんな違って、みんな良い。 競争で1番になるのはカッコイイけど、まあそれはそれで、自分らしいことが一番。大切なのはひとりひとりのアイデンティティ。 とはいえ、やっぱりナンバーワンになりたくて、人は競争する。スポーツで競い、勉強で競い、才能で競う。競技会、コンクールで順位

        マイ ディア ミスター

        マガジン

        • 高杉一穂さん
          10本

        記事

          仮面(マスク)

          人は誰しも仮面を被っている。 好かれたい、嫌われたくない、こう思われたい……自然体が好きな人は知らず自然体という仮面を被っている。 見えない仮面は、そのままその人の性格として受け入れられ、年月と共にそれが本当の姿として張り付いてくる。 こうありたいと思う気持ちと、自分はそうじゃないと思う気持ちが強すぎると病気になったりする。出来たら今の自分を肯定してあるがままに生きたいものだ。 あるがままに生きことが出来るのは、才能かもしれない。人のことが気にならず、弱い自分も受け入れる

          仮面(マスク)

          韓国ドラマ「ペントハウス」

          Netflix。最近韓国ドラマをあまり見てないなあと思いつつタイトル画面をズラズラ見ていたら「ペントハウス」が出てきた。 今テレビでもやっているみたいだけど、先にネトフリで鑑賞した。 高級マンションに住むセレブ家族たちのドロドロものといえば「スカイキャッスル」。子供の受験戦争が主体でしたが、こちらもチョンア芸術高校の受験、その後の成績争いも柱の一つになっており、なんか雰囲気似てないか?と思ったのと、芸術高校、しかも声楽というのが新しい気がして、少し見てみようかと見始めたら止ま

          韓国ドラマ「ペントハウス」

          「蜜蜂と遠雷」を観た

          恩田睦美氏の原作は出た時にすぐ購入して読んでいたので、これの実写化を観るのをためらったまま月日が流れてしまった。 興味あるのは、4人のピアニストたちの演奏を担当するピアニスト。調べたら素晴らしい人たちなので「時間を見つけてどこかで観よう」とは思っていた。 あ、でもこれから述べるのは、この映画のあれこれとは違うので、すみません。   今年4月末に私の主催するピアノ発表会があった。 子供は小学生5、6年生、中学生が一人ずつ。 あとの10人ちょっとが大学生以上の成人の編成である。

          「蜜蜂と遠雷」を観た

          パフェとかき氷

           この数年、いやひょっとすると随分前からかもしれないけど、パフェとかき氷の店に人が並ぶ。  夏に氷菓子が流行るのはわかる。でも冬でも氷菓子を食べたい人が大勢いるんだ!  そういう私も、パフェの店に行こうと誘われるとホイホイいってしまう。 有名店のパフェ、かき氷は1500円〜2000円くらいして、フルーツがぎっしり入っていたりチョコを削ってかき氷にしていたり、とにかくスゴイのだ。見た目もきれいで写真を撮りたくなる。そしてインスタに載せて更に流行らせる。  夏、海水浴で海の

          パフェとかき氷

          車海老

          グルメのレッスン生に教えてもらった名店「ぽん多」。 昨年食べた牡蠣フライはすごかった。「ちょうど去年の今頃でしたね」と、その店を教えてくれたレッスン生が誘ってくれてランチに行くことになった。 店に着くと既に待ち人数人。メニューを渡されて探したら既に時期が終わって牡蠣は無し。 ちょっとがっかりしてメニューをさらに眺める。「車海老フライ」に目が止まった。 ただのエビフライじゃない。  車海老フライである! 世の中に海老狂いは多く、知り合いにも何人か海老大好き!と、公言し、一

          クリスマスイブ

          今年のイブは教会のミサに行った。 知人がその教会でオルガン奏者をしていると聴き、彼女は元々芸大出の素晴らしいピアニストだが、現在はオルガンを学んでいるというので聴きたくなったのだ。更に言えば本来のクリスマスイブの正しい過ごし方をしてみようと思ったのだ。 私はクリスチャンではないから、幼い頃からクリスマスといえばキラキラツリーとジングルベル、ケーキとプレゼントに終始していた。 ところが結婚したら、義母はクリスチャンであり、祖父(義母の父)は若い頃に新渡戸稲造と共にローマ法王に

          クリスマスイブ

          逆行してみる

          今の写真アプリってすごいよね。 年齢逆行できてしまうんだから。 20代に設定した自分の写真が思ったより良くて、いい気になっています。笑 20代の自分の写真は、逆行した自分と比較すると少し生意気そうで、昔の私には、やはりその時代の女の子の勢いみたいなのがある。 逆行の方は、今風。 よく言えば韓国の女優っぽい。笑 写真をいじり倒している人はよくいます。目を大きくしたり、顔を白くしたり……まあ、普通に証明写真撮ってもらっても、なおされるよね。 グラビアのモデルとか女優もかなりい

          逆行してみる

          赤ん坊の出現で人生は変化する

          ベビーカーや抱っこ紐の中に収まり、バスや電車で見かける赤ちゃん。その小さい体の中に親のDNAを引き継いで、親に連れ回されている赤ちゃんたち。TVコマーシャルで見かけるような可愛い子は稀有であるが、頭が大きいそのバランスの悪さゆえの可愛さは確かにある。 とはいえ、今の世の中の風潮として子連れは動きにくく、教育費は膨大であり、子供を欲しがらない人々は着実に増えている。 結婚して子供を持つことが当たり前の時代は終わった。 私の音楽仲間にシングルは多いが、再婚を繰り返す人、結婚し

          赤ん坊の出現で人生は変化する

          花鋏

          よく行く花屋さんがある。 1週間に3回くらい通い、玄関先を飾る大きな花束は2週間に1回から2回、窓際のかわいい花は行けばその都度買ってしまう。 私は多分、重症の花中毒だ。 切り花は大体一週間で萎れる運命だが、中には根が伸びてくる強者もいる。 特に枝物、葉物はその類が多く、花束のフレームに当たる枝物葉物が元気だと、主役の花交代するだけで全然違う雰囲気に変身する。 世間ではコロナ禍、心の癒しにペットを飼う人が増えたらしいが、私は花と決めた。友人知人がペットにかけるお金を花にか

          階段

          階段が怖い。特に降りる階段。 近眼のせいもあるが、例えば地下鉄の駅の階段で、事故防止の黄色蛍光色テープなどが貼り付けてあると、目に飛び込んできてうるさく、危なくてしょうがない。 小さい頃、デパートのエスカレーターの最上部で着物の裾を吸い込まれて落ちた婦人を見た。彼女は一番下まで落ちて血に染まり、あたりは騒然。救急車が来て運ばれて行った。階段を見るたびその光景が蘇る。 「階段落ち」は、映画「蒲田行進曲」の中で大きく取り扱われていたが、落ちるシーンは心臓が止まりそうに怖かった

          ルッキズム

          * ルッキズム(外見至上主義) ハンサム。美男。イケメン。クール。 時代やその場所の空気感によって呼び方は違うけど、ルックスのいい人はそれだけで評価されることが多く、私も美しい人を見るのは好きだ。 その美しさが好みか否かに関わらず、きれいな人を見れば「きれい」と思いマイナス感情は湧かない。誰もが若くて美しい人には憧憬を感じる。 幼い時、母が洋画好きだった為、テレビで名画を良く見た。人生最初に美しい男と認識したのはアラン・ドロンで、テレビ欄でドロンの名を見つけるとその映

          ルッキズム

          なりたいもの

          小さい頃、よく質問された。 「大人になったら何になりたい?」 幼稚園の頃、「お花屋さん」とか「ケーキ屋さん」とか答える女の子たちの中で、一人「お姫様」と答え身をくねらせたKちゃんをすごいと思った。 色んな意味で。 私はなんと答えたか、全く覚えがない。質問の意味が理解できなかったかもしれない。 月日が経ち、中学に入学してすぐ朝の学活で担任が自己紹介の時間を設け、そこで何になりたいか、何を目指すか、志望高校はどこかと質問した。多分最後の質問が聞きたかったのだろう。 私は地域で

          なりたいもの