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アイヌ文化で読み解くゴールデンカムイを読んで学びになったもの箇条書き

アイヌは人間ができないことをする生物、物、現象全てをカムイだと思っている
アイヌ(アイヌ語で人間という意味)はカムイに支えられて生きているという信仰
カムイはカムイの世界ではすべて人間の姿をしている→火や水や彫刻刀などみんな本来は人間の姿をしていて人間界用の型に魂が憑依しているという信仰
クマは毛皮と肉を、火は光と暖かさを、樹木は木材や樹皮を、人間界の型を着て自分たちのもとに届けてくれるカムイである→自分たちではこれらはつくれないから持ってきてもらわないと生きられない→カムイは感謝の対象
カムイが持ってきてくれたお返しとして、人の手でしか作れないお酒や団子などをカムイに捧げる
森林伐採で土砂災害が起きたり、食糧廃棄する人もいれば飢餓になっている人もいる世界があるということは、アイヌ人からするとカムイとの関係がうまくいってないということになる
アイヌにとってクマはカムイの中のカムイ
狩りで矢が獲物に当たって死ぬことは、アイヌの世界では矢という招待状を受け取って、肉と毛皮をウチまで持ってきてくれたという考え方になる。
クマの巣穴で狩りをしてクマが肉を持ってきてくれた時に、そのクマの子どももいた場合は家に持って帰って1,2年育てた後、親熊の元へ送る(殺して食べる)という風習がある
神とカムイの違いは、人間と神は対等の関係ではないが、人間とカムイは対等の関係なので、カムイが人間にバチを当てることができれば人間もカムイにバチを当てることができる
アイヌは北国の人間なので、地獄ときくと寒くてジメジメしているところをイメージする
カエルはアイヌにとっての地獄のようなところにずっといるからあまりいいイメージがない
アイヌは言葉が話せることで言葉の話せないカムイと対等の立場になったと自負しているので、雄弁な人間であることが良いとされる 寡黙な人間はダメ
アイヌは人間には誰にも憑神が首の後ろにいると思っている。その憑神が無意識にしてしまう行動を発生させてると考えている
アイヌにとって夢の中に出てくる人間はカムイであると考えられているので夢も現実の一部

平安時代あたりに北海道では擦文文化、オホーツク文化という独自の文化ができていた。
鎌倉時代に東北地方まで本州の勢力が届いた
擦文文化がオホーツク文化を吸収する形でアイヌ文化ができた
和人との交易が発達したのでアイヌは土鍋を一切使わなくなり鉄製鍋を使うようになった
北海道は7世紀頃まで縄文文化
アイヌは樺太南半分にも住んでいた。北側はニヴフ、ウイルタという言語系統が全く違う民族が今も住んでる
宮城から北にアイヌは住んでおり、1600年台半ばまで東北地方でもアイヌ語が使われている地域があった
1600年、アイヌと和人の交易が自由貿易から松前藩とのみの交易にされてから和人に対する不満が溜まっていった。
キリスト教禁令で逃れたキリシタンが北海道の砂金で儲けようとアイヌ民族の地に移住してきた
1669年のシャクシャイン戦争を機に北海道は本州(松前藩)の支配を受けるようになる→明治時代に北海道が日本の領土になる布石はここから始まった
明治にアイヌ文化は壊されていった
明治時代にアイヌ男性のピアス禁止になった。女性は西洋女性がしてたから大丈夫だった

自分の子供に知り合いや知ってる人の名前をつけたらいけない風習があった
アイヌは自分の子供がどんな性格かどんな能力を持っているか知るまで名前をつけなかった
自分の名前を汚い名前にすることでカムイから気に入られることを避けるという価値観があった
アイヌの子供には今まで見たことない名前をつけるが、地名は地形や状態を表す同じ読みで違う漢字を当てるから同じ読みの地名が北海道にはたくさんある
内の字が入ってる東北地方の地名はアイヌ語地名であることが多い。アイヌ語でナイは川の意味→庄内とか
北海道内でもアイヌ語方言がいろいろある
日露戦争後の北海道において小樽は北日本一の港街で慢性的な人手不足だったので本州から失業者がたくさんきた。一攫千金狙いが多く、治安が悪かった
北海道中の砂金が一回小樽に集まり本州に行くから、小樽は金の集まる地だった
アイヌにも定番の昔話があるが、嘘の話ではなく実際にあったことのように話し手も聞き手も聞いていた
小熊を育てて食べる儀式の時、わざとアイヌ物語をクライマックスで熊に読み聞かせるのをやめて、そのクライマックスを聞きにまた人間界に毛皮と肉を持ってくるように仕向けるというやり方で儀式をしている
カムイは人間界からカムイの世界に戻るには肉体を人間によって解体されたり採取されないと戻れないことになっているので、人が狩猟したり伐採したりするのはウィンウィンなことであるとされている
埋葬時、愛用品などを一緒に入れる際には愛用品を傷つけて殺すことによって、愛用品の魂もあの世に行けるようにしている

シシャモはアイヌが語源??
虹はアイヌでは魔物として認識されていた時代がある
美しいものには人間だけではなく魔物も寄ってくるので美しい花や虹はあまり近づくものではないとされた
アイヌの調味料は塩。しかもごくわずかしか使っていなかったので薄味が基本だった
冷蔵技術のないアイヌはとれたての食べ物以外は燻製をつくって食べてた
燻製は囲炉裏の上で乾燥させたりしてつくった
チタタプは普通はサケを使ってつくる料理
ゴールデンカムイの話のようにチタタプ、チタタプと言いながらチタタプは作ってない
クマ肉には寄生虫がいる
サケにはアニサキスがいる

ヒンナは感謝の言葉を表す言葉であって美味しいという意味ではない
北海道の日高は金の一大産地だった
アイヌの弓は和弓より遠くに飛ばないかわりに毒を仕込んだものを使ってる
獲物の心臓を射抜くのがベストなのでアイヌの狩りは弓を使っても度胸のいる接近戦だった
アイヌ語と日本語は全然違う
アイヌ人は本州人のちょんまげをカラス乗っけたようなあたまと言ってた
アイヌと日本は1000年以上交易がある
トナカイという言葉はアイヌ語起源、トナカイは昔から日本周辺にいた
アイヌ語表記には小さいプ、ク、ム、シ、ラ、リ、ル、レ、ロの表記がある
現在の日本でアイヌを自負してる人の数は1万3000人
江戸時代をテーマにしたドラマに出てくる既婚女性がお歯黒をしていないように、ゴールデンカムイも視聴者にフィクションをいれて今の視聴者に違和感が生じないように、見栄えあるように調整している
ゴールデンカムイはあくまでアイヌを題材にした物語であってゴールデンカムイで昔のアイヌのリアルは完全には知ることはできない


感想
3ヶ月くらい前にゴールデンカムイにハマったのでこの本を見つけた時はありがたかったね〜
ゴールデンカムイの世界で描かれたアイヌ文化のリアルな部分とフィクションの部分が知れてとても勉強になった
人間とカムイの関係性は今話題のヴィーガンとか屠殺とかSDGsを考える上で非常に参考になる一種の考え方だよなと思った

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