なかなか来ないEMS、ドイツでの日本からの荷物受け取り話。

 この前、日本の家族から荷物が届きました。リクエストしていた日本のお菓子やお茶漬け以外にも、これからの季節にぴったりな夏服も入っていました。最近、ゼルダの伝説とユニクロUTのコラボ商品が発売され、わざわざシュトゥットガルトのユニクロに出かけて買おうかと迷っていたのですが、これも家族が贈ってくれました。ありがたい限りです。
 ドイツで暮らしている以上、現地で調達できるもので生活を成り立たせるのは大事だと思います。でも、慣れ親しんだ日本の商品を手にすると、自然と安心感が生まれます。ただ、この荷物の受け取りが少々厄介だったので、それについて書いておきたいと思います。
 今回、家族はEMSを利用してダンボール1箱を送ってくれました。EMSに使えるダンボールの規定などは、日本郵便のホームページに書いてあります。料金は重さで決まります。約 6.4 kg の荷物で ¥17,200 でした。結構高いですね。日本からドイツに送る場合、最速5日で届くようです。荷物の中身など、国際郵便マイページサービスのフォーマットに従って送り状を作成します。内容品のHSコードの入力などが面倒くさいのですが、推奨されているので記入します。
 無事に届くか不安だったので、お問い合わせ番号で事あるごとに追跡していました。6月17日に東京都八王子市(地元)の郵便局で回収された荷物は、翌日には東京国際郵便局に到着し、少し日が空いて、同23日にフランクフルトに無事降り立ったようです。この時点で最短の5日を超えていますが、気長に待つとしましょう。さらにそこから通関手続きに5日かかった後、ようやくドイツ国内での移動が始まったようです。
 区分局から配達局、配達局から別の配達局へ1日ずつ移動し、ようやく7月1日の朝、我が家に配送されたようなのですが、ちょうどこの日の朝にイタリア旅行から帰ってきて、どうやらニアミスだったようです。このイタリア旅行は、ツールドフランスの開幕を見に行くためのものだったので、アピール用の日の丸国旗やTシャツも送ってもらい、イタリアに引っ提げていく予定でした。EMSなら間に合うと踏んでいたのですが、結果的に旅行前に受け取ることはできませんでした。
 郵便受けを見ると、日本の不在票と同じようなドイツポストの不在票が入っていました。ドイツ語で書かれているので、とりあえず翻訳してみます。ドイツポストの公式アプリを使うと、スムーズに再配達の手続きができるようです。この公式アプリは、iPhoneの場合、地域をドイツに変更しないとダウンロードできません。以前の記事に書いた、ドイツのオンラインバンクC24のアプリも地域がドイツでないと利用不可だったので、既に地域の変更が済んでおり、さっとダウンロードできました。アプリでの再配達の手続きは簡単です。お問い合わせ番号を入力し、表示された再配達の候補日、時間の中から都合の良いものを選ぶだけです。翌2日の午後1時から5時の間に再配達してもらうよう依頼しました。
 翌日、13時少し過ぎに電話が来ました。こうやって電話がかかってくる事があるので、やはりドイツの電話番号はあった方がいいと思います。電話越しからひたすら聞こえてくる、ドイツ語に次ぐドイツ語。ごめん、ドイツ語は分からないんだよ、と英語で伝えてみるものの、英語に切り替えてくれる気配はありません。研究所のドイツ人や旅先で出会う人々には、基本的に英語が通じていたので、ここでいきなり言語の壁にぶちあたりました。アパートの前の住人が残した、カビの生えてしまった壁の補修工事をしてくれた職人さんたちも、基本的にドイツ語でしか話してくれませんでした。ドイツ人全員が英語に堪能というわけではなく、人に依存する部分が大きいようです。おそらく、ドイツポストの配達員だとあたりをつけて、「My Package!?」と言うと納得したようだったので、そのまま玄関に向かいました。このように日々、Broken English が磨かれているような気がしてなりません。
 玄関を出ると、配達員の方が荷物を抱えて立っていました。日本郵便の段ボールを抱えているので、自分の荷物に間違いないと思い、安心します。荷物を受け取ろうとすると、1枚の紙を渡され、そこには41.19€と書かれていました。おや、配送料は既に支払っているはずだが、と思ったのですが、どうやらこの金額を支払わないと受け渡ししてくれない様子です。何の金額だか分からないまま支払うのは癪ですが、払わないとこの荷物は日本にZurückすると言っています。仕方がないので、カードで支払おうとするも、現金のみの対応と突っぱねられます。現金の持ち合わせがなかったので、急いでATMで下ろしてくると伝えると、30分後にまた戻ってくるから、キャッシュを用意してきてくれと言い残し去っていきました。
 渡独時に両替した5万円分の現金はほぼ底をついており、それからはカード支払いに頼っていたので、一度もATMを使ったことがありませんでした。急いで近くのATMの場所をGoogle Mapで検索します。歩いて10分ほどのところに、Kreissparkasse Tübingen ATM があることがわかりました。ATMまで走り、WiseのカードをATMのカード入れに差し込みます。Wise口座からの現金引き落としは初めての経験でしたが、無事に100€ほど下ろすことができました。

 足早に家に帰り、約束の時間になるも、配達員の方はなかなか戻ってきません。1時間ほど経っても戻ってこないので電話してみると、現金は用意できたか?と言うので、OK!と元気よく伝えると合点がいったようで電話は切れました。おや?と思ったら、積極的にこちらからアプローチをするのがドイツでは重要だと常々感じています。少しして配達員が戻ってきたので、42.2€を支払って1€と1セントのお釣りをもらい、サインをしてようやく荷物を受け取ることができました。
 箱に41.19€の内訳が書いてあったのですが、どうやら関税35.19€とサービス料6€がかかったようです。家族間での荷物の受け取りにも税金がかかるなんて、世知辛い世の中ですね。関税については、ドイツ外務省のホームページ https://x.gd/FFcXI にルールが書いてあります。今回の場合、贈物で内容物が日本円で47,400円(170円/€で約279€)と記載されていたので、内容物の総額が45〜700€のケースにあたり、内容物の17.5%が一律の税率として適用されるので、約49€の関税がかかりそうなのですが、なぜ少し安いのかはよくわかりません。内容物の種類によって税率が異なる可能性も考えられます。このあたりについては、もう少し勉強してみたいと思います(もし詳しい方がいらっしゃいましたら、ぜひ教えてください!)。

実家の猫様たちの写真も贈ってくれました


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