中根すあまの脳みその3
夏休みが、あと2日で終わる。
8月いっぱいは夏でいさせてくれよと腹立たしいきもちだ。夏休みが開けてまた騒がしい日常が戻ってくると思うと、その現実のつらさに大量のお菓子を買い込んで暴食してやりたくなる。
とはいっても、今年の夏は忙しかった。毎日のように部活があり、たまにライブがあり、考えねばならないこともやりたいこともたくさんあって、本当の意味での『お休み』なんて、ほんの少しだったように思う。でもいい夏だったなあ、なんて思っているから不思議なもんだ。去年の夏が、砂糖と香料でつくられたしゃびしゃびのオレンジジュースだったら、今年の夏は100%果汁の濃〜〜〜いオレンジジュースだと言えるだろう。わけがわからない?…わたしにもわからない。
わたしは今まで『夏は元気を押し付けてくるから嫌い』なんて主張をしてきたのだが、それは強がりで、本当は誰よりも夏がすきなんだと思う。
夏の朝はなんだかわくわくするし、夜はどこか懐かしい匂いがする。入道雲はまるで映画のワンシーンのように綺麗だし、どしゃぶりの後は世界がきらきらしてみえる。夏はどうにもこうにもエモすぎる。そんな夏の『終わり』もまた、味わい深い。夜がだんだんと長くなる、夏の終わりがもう始まっている。
四季の中でもっとも語るべきことが多いのは間違いなく夏だと思う。夏祭り、花火、海水浴、せみの声、すいか、かき氷。わずか、3ヶ月の中でたくさんの場面が繰り広げられるから、夏は人々にとってわくわくせざるを得ない季節なのだ。だから世界が浮かれる。わたしが、夏に対して感じていた『元気を押し付けてくる』感じは、あながちおかしな話ではないのかもしれない。
今年の夏は去年と違って毎日たくさんの人に囲まれていたし、今までのわたしが嫌っていた『押し付けがましい夏』に構っている暇なんてなかったのかもしれない。
夏休みが終わったら、今より何倍も忙しくなりそうだ。わたしは生きていくことが下手くそだからきっとその日々が嫌になるんだろうなあと思う。もう少し楽に生きられたら、なんてもうすでに脳みそが飽き飽きしている考えを巡らせながら、またあっという間の今日が終わる。さて、冷蔵庫に水ようかんがあったから、お風呂上がりに食べようかな。夏が終わる前に。
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