中根すあまの脳みその241
暑い。
暑くて呼吸がしづらい。
まともに呼吸をしようとして、さらに体温が上がる。
今年いちばんのあたたかな日を、完全に舐めていた。
長い冬を経て人間は、あたたかさがもたらす苦悩を忘れてしまう。
そして、吹き出す汗と共にそれを思い出すのだ。
その上、今の私は動けない。
ぽかぽか陽気に似つかわしくない重ね着と大きなズボン。その上に黒いマントのような布をかけられ、両手の動きを封じられる。首元にはタオル。苦しくないですか、と尋ねられる。苦しくないわけはない。耐え難い苦しさではないとい