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「HELP EVER ARENA TOUR」に行ってきたレポ

10月2日、横浜アリーナで行われた藤井風さんの「HELP EVER ARENA TOUR」に行ってきた。控えめにいって最高、なんて言葉じゃ足りないくらい、涙、涙のライブだったので、この気持ちを書き留めておきたい。

9月某日、「HELP EVER ARENA TOUR」の開催が発表され、それはもう高揚した。ただ藤井風さんは、今やyoutubeチャンネル登録者数が100万人を超える人気アーティストで、ライブのチケットが取れるか分からない。それに「ライブ、また中止になるかな」なんてことも頭をよぎったけど……。

迷うことなく全日程で申し込んだ。どうしても藤井風さんの歌声とピアノ、趣深い岡山弁を生で聞きたかったのだ。

そして当落発表日。なんとライブ初日のチケットが取れたとの通知が!!
思わず夫にLINEした。

「やばい、藤井風さんのライブ当たったよー!!!!!!」

返ってきたのは

「ほう」

温度差がすごい......。

*ここから多少ネタバレあります。

ライブでは合計3回、涙を流した。印象的だったシーンを振り返りたい。

まず、登場からすんごいサプライズ。
サックスを吹きながら、歩いてくる風さん。曲は「風よ」。

「一発目、何を歌ってくれるんだろう?」という期待をいい意味で裏切られた。「風よ」の切なくて哀愁漂うメロディーが、見事なまでにサックスの音色とマッチしている。

風さんがサックスを吹く姿はyoutube上でもあまりなく、本当にレアだ。じわじわと感動が押し寄せ、「サックスも一流やないか…」と涙が出た。

続いて、わたしがいちばん好きな曲「特にない」。
リズムに合わせて、指パッチンするのがお決まりの曲だ。

そして、歌い始める前に、必ず風さんが伝える言葉がある。

「クラップするごとに、嫌なこと、執着を手放して」

いつも家で聴きながら指パッチンしてたけど、生歌でパッチンできる日がくるとは…!

心に重くのしかかっていた出来事も忘れ、風さんの歌声に没頭した。

最後は、「帰ろう」。何百回と聞いているけど、生で聞いたら涙が止まらなかった。タオルを目に当てている周囲の人たちの姿が飛び込んでくる。

それほど、生「帰ろう」の破壊力はすごかった。

*

合間合間のゆるーいMCと、ときどき歌詞を間違えては、はにかむ笑顔もライブの醍醐味だ。

MCの最中、風さんが印象的な言葉をくれた。

「いいことにも悪いことにも、執着しないようにしてます」

悪いことに執着しないってのは分かるけど、なるほど、いいことにも執着しないのか。確かに、いいことが起こると、その余韻に縋り付いてしまうことがある。そして、もっと欲しくなる。そのちょっぴり卑しい気持ちを手放してみれば、スッキリするのかも、そんなふうに思えた。

24歳の青年が、なぜここまで達観しているのか……。

本をたくさん読む方なのかな?と思ったけれど、いつかの配信で

「歌詞をみたら分かるじゃろうけど、ワシ、本は全然読みません(笑)。聖なる書物を読むくらいです」

と言っていたことを思い出した。よっぽどご両親の育て方が素敵だったんだな…とライブ中、物思いに耽ってしまった。

ライブの醍醐味といえば、聴いたことのないピアノアレンジを聴けたのも最高だった。youtubeですべての動画を繰り返し見ているガチ勢にも、「どの曲のイントロだろう!?」と新鮮な気持ちを与えてくれた。

とにもかくにも、目が離せない1時間半だった。次のライブが今から楽しみだ。

*

帰り際、余韻に浸りながら駅へ向かっていると、ひとりの女性に声をかけられた。

「お姉さんが超ノリノリで聴いてたから、こっちまで楽しくなっちゃいました!ありがとうございました!」

隣に座っていた同年代の女性だった。まさかそんなこと言ってもらえると思っていなかったので

「あ、あ、ありがとうございます…!」

としか答えられなかったけど。

見知らぬ方のひとことのおかげで、気持ちの良い帰り道になった。

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