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積ん読のすすめ【第1章】積ん読とは?

■そもそも積ん読とは?


残念ながら手元の資料では積ん読の意味や起源を知ることができなかったのでWikipediaより引用する。

積読、積ん読(つんどく)とは入手した書籍を読むことなく自宅で積んだままにしている状態を意味する用語である


Wikipediaによると、我らが積ん読は明治にめでたく生まれ、場合によっては江戸時代からあったそうだ。

形は違えど、本という存在自体は紀元前から存在していた。もしかすると、僕らの認識している本の形になってからは、国や時代を超えて積ん読という概念はずっと前から存在していたのかもしれない。

とはいえ、本は長い間貴重なものとして扱われており、本の所有は一部の権力者や知識人に限られていたので庶民が積ん読するのは不可能だった。
(実際、活版印刷術が発明されるまで本は手書きで書き写されていたので本当に貴重だった)

それを考えると、僕らにとっての積ん読が誕生したのは活版印刷術が発明され、ヨーロッパにおいて本の流通網が整い始めた16世紀以降となる。
(ちなみに日本に活版印刷術が伝わったのは16世紀末)

日本の16世紀末は安土桃山時代に相当し、その後伝わった印刷術が江戸や大阪といった都市に広がり庶民の手に多くの本が渡るまでのタイムラグを考えると、Wikipediaの「江戸時代から…」というのは本当のように思える。

■技っぽくない積ん読


さて、この積ん読だが、「積んでおく」と「読書」をかけたなんともシャレの効いたこの言葉は「読書」なのに「積んどく」だけというのはなんとも言えないものがある。

本が好きだからこそ積ん読してしまうのに、「速読」「精読」「多読」などのメリットがありそうな言葉と並べても残念ながら「積ん読」には一見メリットが感じられないし、それら読書の技術には到底肩を並べられそうもない。

積ん読は、冒頭に引用したように「読まれない本が積み上げられた状態」を意味している。

しかし、この連載の目的は積ん読をそのようなただの状態から昇華させ、立派な読書の技術であると示すことにある。

技術というからには、誰にでも実践できて、役に立つものでなければならない。

そこで積ん読について考えていたら、積ん読に至るまでにはプロセスが存在し、積ん読と化した後もそれ自体には「ただ積まれた状態」であること以外に、読書家にとって大きな意味があることがわかった。

ポイントとなるのは「読まれていないこと」だ。

読んだ本を積み上げても積ん読とは言わない。ということは、積ん読を構成する要素として、「読まれていないこと」は積ん読にとって重要な意味を持つ。そして、僕たちにも同様に重要な役割を果たし、恩恵を与えてくれる。



次章以降では、どのようにして積ん読に至るのか、積ん読は何を意味しているのかを詳しく見ることによって積ん読の重要性を確認していきたい。



第2章へ続く



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