本の紹介『グローバリゼーション 人類5万年のドラマ【上】』
「グローバリゼーションは良いのか?悪いのか?」そして「グローバリゼーションとは何なのか」それが知りたくて、手に取った一冊です。
■本書について
本書はグローバリゼーションがどのように起こり、広まっていったのか歴史的背景から辿っていきます。歴史の中で多くの人々がグローバリゼーションを担ってきましたが、本書がその主役として採り上げているのは交易商人、布教師、戦士、冒険家の4職業です。
本書(上巻)は交易商人、布教師、冒険家のストーリーです。
「いつからグローバリゼーションが始まったのか?」という問いに対しては、アフリカで誕生した人類が約5万年前(本書では)に「アフリカを出た時から」と答えることができます。人類史においては「出アフリカ」と言われています。
アフリカを出た人々は、まず中東にたどり着き、そこからヨーロッパ、アジアに向かい、アジアに向かった人々は最終的にオーストラリアや太平洋の島々、南アメリカにたどり着きました。
しかし、本書(上巻)で採り上げているのは、歴史においてグローバリゼーションを担ってきた交易商人、布教師、冒険家。その人々は主に中東、ヨーロッパ、アジアの人々です。太平洋の島々や南北アメリカの人々と結びつくのはずっと後の話になります。
交易商人は他地域の珍しいものや富を求めて、徒歩、ラクダ、船などを利用して遠い地で商売をし、布教師は自分たちの信じる神を伝え広め人々を救う信念のもとに異国を目指しました。冒険家は国の助けをバックにまだ見ぬ世界への好奇心を満たし、名誉のためにどこに着くともわからない土地を目指し大海原を船で駆けました。
※戦士については下巻にて扱っています。
これらの人々が遠く離れた異国、異文化の人々を結び、時間をかけて人類の発展に寄与していきました。一方で、様々な問題や複雑な事情を生み出すことにもなります。
そして、住んでいる所を離れて外を目指そうとする思想や行動の背景には、より良い暮らし、より満足のいく生活を求めようとする人間の根源的な欲求から生まれてきたものであることがわかります。
■読了後の感想
本書はグローバリゼーションをテーマにしているとはいえ、その主役は先ほどの4職業の人々で、それぞれの歴史を振り返っているため年代が行ったり来たりします。そのため、ちょっと頭がついていかないこともありました。ある程度世界史が頭に入っていた方がすんなり読めるものと思います。それと地理感覚もあった方が良いでしょう。
しかし、グローバリゼーションについてはもちろん、それを説明するために登場する具体例は雑多なを知識を与えてくれます。たとえば、僕らの生活に欠かせなくなっているコンピューターに組み込まれているマイクロチップの話、世界中の人に愛されるコーヒーの話、三大宗教の話など、僕のような無知な人間には有益になりました。
そのように扱う分野の広さから教養書としてもおすすめの一冊です。
最後に、何でトップ画にiPhoneを設定したかわかりますか?もちろん、グローバリゼーションと関係しています。答えは下巻の紹介の時に…
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