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命題と集合#1

さて、まず記事にするのは「命題と集合」。私が高校生だった時には自分では人よりも数学ができる気でいた。しかし、この「命題と集合」の単元だけはどうしても難しかった。それもそのはず、それまでは方程式を解いたりグラフの共有点を求めたりと、計算ばかりしていたところにいきなり論理的思考を試されるのだ。なんとなくの考えで進めて、模試やテストでは半分くらい当たったらいい方。決して得意とは言えないまま大学受験を迎えた。本番もなんとなく解いてみて半分くらい合ってたから非常に運が良かったのだろう。大学の教科書がまるで日本語ではない言語で書かれているように感じて、全く理解できず途方に暮れ始めた入学後1ヶ月。とうとう「集合と命題」の重要性に気がついた。大学数学では教科書を読むために必要な数語という言語があるのだが、その数語が高校数学の「集合と命題」を完璧にマスターしていることが前提で生み出されているものだからだ。そう気付いてからはもう一度大学受験の参考書や教科書を引っ張り出して勉強し直して、なんとか大学の勉強についていけるようになった。明らかに数学っぽくない単元だが、実際のところ大学に入ってからの「勉強しておけばよかったランキング第1位」である。今後、計算などはAIに任せられるので、来年以降の大学入試共通テストでは論理的思考が問われるこの単元での配点率が高まることが予想される。受験を控えるみんなは言うまでもないが、学び直しとしても頭の体操と思って取り組める。

【対偶法】を利用した問題

問題.$${n}$$を整数とする。$${n^3}$$が偶数ならば$${n}$$も偶数であることを示せ。


この問題は一見すると中学数学レベルの証明問題に見える。中学生が解くように取り組んでみる。
$${n}$$は偶数なので$${n^3=2k}$$とおく。・・・
この式から$${n=?}$$の形に変形することができず証明も完了できない。なので対偶法というものを使って進めていく。対偶法とは、命題の対偶の真偽がもとの命題の真偽と一致することを利用した手法だ。対偶法の使い方を簡単にまとめる。

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