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死体と間違われパトカーで運ばれた

誰でも一生に一度ぐらいは死体に間違われることがあるだろう。床で熟睡していた、入浴中に寝てしまった、プールでうつ伏せ状態で浮かんでいたなどシチュエーションはさまざまだが、通報されてパトカーに乗せられたとなると重みが違う。

今回は中国生活でよくある、お酒にまつわる失敗のお話です。危うく本当の死体になるところでしたが、私は今日も元気です。


体育会系飲みの恐怖

2009年4月初旬、趣味で参加していたバドミントンサークルのホームパーティーを、サークルメンバー宅で楽しんでした。大人のスポーツサークルといえば「レッツ健康エンジョイお気楽スポーツ」が一般的だが、ここは少しだけ毛色が違う。インターハイや国体経験者など本気の経験者が集まる、体育会系のエキスが色濃く残るサークルである。お気楽ポンポンバドミントンなんてしようものなら、時速250kmのスマッシュと説教を打ち込まれ、いろいろとゲームオーバーなのだ。

そんなホームパーティーなので、お酒が進むにつれて体育会系エキスがブクブクと湧き上がり、先輩後輩縦社会という封建的な一気飲みが始まる。

私はどちらかといえば体育会系は苦手だが、相手にできないというほどでもない。だから相手にしていたら、ライフの残りが2になっていた。まずい。自宅まではタクシーで3分、残り2のライフで3分間タクシーに乗れば私の勝ち、エンディングは目の前だ。

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でもライフゼロに

目が覚めたら蘇州河沿いの歩道。どうやらタクシーの中でライフ切れになり、途中で降ろされたか歩いて来たのかは分からないが、土の上で寝転んでいた。ケガは無かったが、鍵の入った小銭入れと初代iPhoneも無い。ばっちり盗まれていた。


「喂?没事吗?」
(おい、大丈夫か?)

朝5時、次に目が覚めたら、警察官二人が私の顔を覗き込んでいた。場所は自宅の玄関マット。鍵を盗まれたため自宅に入れず、外の玄関マットでうずくまっていたところを、誰かに死体と間違われ通報されたようだ。

「鍵が無いんですね、大家に電話もできないし…
 一旦派出所まで来てください、
 登録情報から連絡先を探しましょう」

死体と間違われてパトカーに乗せられた瞬間である。



ストップ!体育会系飲み

次に目が覚めたら、派出所の硬いベンチで横になっていた。服は泥だらけ、頭が痛いし私はくさい。鍵と携帯を紛失していたことを思い出し、なぜ派出所に保護されていたのか徐々に状況を把握できるようになった。

大家への連絡先は登録情報からすぐに割り出され、9時ごろパトカーで帰宅。大家が合鍵を持って待機してくれていた。警察と大家にお礼を伝え無事に家に入ることができた。泥だらけで泥のように眠り込んだ。


今回は下記の点で運が良かった。

・物を盗られただけで暴行を受けてない
・川に突き落とされていない
・凍死していない
・小銭入れが盾となって本財布は盗まれていない

比較的治安の良い上海といえど、あまりにも無防備すぎて今思えば呆れて仕方がない。どれか一つでもヒットしていれば本物の死体となっていた可能性もあり、パトカーではなく違う車輌になっていたことだろう。

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この一件以来、体育会系封建的一気飲みはやめた。もちろん相手にもやらせない。「レッツ健康エンジョイお気楽芋焼酎」として生まれ変わったのだ。乾杯が文化の中国飲みに参加したくないのもこういう理由がある。

学校を卒業した時点で体育会系は終了している。
パワフル系職場やプロスポーツ選手など
体育会系組織に属していれば話は別だが、
一般生活の中に体育会系など存在しない。


ここ最近ストレッチに通っており、美人トレーナーが「まだ伸ばせる」とか「自宅でもちゃんと伸ばしなさい」とか「大众点评に評価書いてよ」とか、体育の力を振りかざして私にあれこれ指図してくるのだが、それはすっかりエンジョイしている。

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