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【日々のこと】お重箱の中の思い出

小さい頃、年の瀬になると母はいつもピリピリしていました。クリスマスが終わると年末に向けて毎日少しずつおせち料理を作らなくてはいけなかったからです。

私の実家はお寺。先代がとても厳しい人だったので、年の瀬になると母は大掃除におせち料理、来客の接待、目がまわるほど忙しくしていていました。

とても忙しい中でしたが、手を抜くことなく出汁を取り、丁寧に作ってくれるおせち料理が私 は大好きでした。お重箱に綺麗に並んでいる姿はキラキラ。お重箱を開ける瞬間は宝の箱を開ける気持ちでした。


あれから20数年。
独身時代の頃実家に帰って、子どもの時おせち料理が大好きな話をしました。
「毎年大変だったけど、あなたがそう言っていつもたくさん食べてくれるから頑張って作ってたのよ。今は夫婦2人、寂しいもんだね」

そう言われたのことを、年の瀬にいつも思い出します。
それから、私は結婚して6年、年末には必ずおせち料理を作り続けてきました。
もちろん、自分が大好きだから。子どもの食育のため。そして何より、あの時の母の大変さを身を持って感じたいから。そんな思いでお重箱にたくさんのお料理を詰めていきます。

作っていると、「おせちはいつ食べるの〜?早く食べたーい!!」と長男が急かしてきます。
「まだだよ!いとこのお兄ちゃんたちが来てからね!」と言いつつ、嬉しい催促に母のほうが、正月はまだかまだかとわくわくしてしまいます。

いつも昆布巻きに
今年は鯖を入れて巻きます!

12月30日、親戚が集まりついにおせち料理お披露目の日。
しょせんは素人のおせちですが、息子は目を輝かせてすごーい!!と拍手をしてくれました。それだけで、疲れが吹っ飛びます。
大変だったけど作ってよかったと。

そして同時に、あの頃の母の思いを感じることが出来ました。母業は楽しいことばかりではないですが、子どもに救われることもたくさんあります。私の母もそのひとりであったら嬉しいなぁと感じる年末です。


今年のおせち料理メニュー


・干し柿入りなます
・田作り
・栗きんとん(栗の代わりに林檎で)
・鯖の昆布巻き
・黒豆
・金平ごぼう
・かまぼこ
・淡雪
・筑前煮

本当は八幡巻きを作る予定でしたが、体力が尽きたので、淡雪を買うことに(笑)
八幡巻きは来年に持ち越しです。

それでは、良いお年を。

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