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先日、お世話になっている方に、ある勉強会に連れていってもらった。

参加者の人は、これから起業するという方が多く、起業することについてのいろいろな想いやそのための準備の話しを聞くことができた。

中には「自分も起業っていいなぁと思うようになってきました」と発言していた人もいた。その人は、当初、自分で事業をするなんてことをまったく考えたことがなかったけど、イベントに出て、自分の考え方や意識が変わってきているそうだ。

わたし個人としては自分で会社を立ち上げて良かったと思ってるから、ひとりでも多くの人が、そういう可能性を考えるというのは、良いことだと思う。

一方で出ていて気になったのは起業がゴールになっているような発言が目立ったことだ。

冷静に考えれば、今の時代、自分で会社を立ち上げることだけを考えれば、それは全然難しいことでもない。

実際、難しいのは起業することよりも、起業した後に継続していくこと。

だから、昨日の場だけで言えば、起業っていいなぁと思うことの先にまで目を向けていろいろなことを考えると、もっと現実味が出てくる。

「点」から「線」へ伸ばすと視野が広がる

こうやって書かれたものを読むと、誰もが当たり前のように持つことができる疑問も、その場で話しをしていると、ついつい見えなくなってしまう。

こういうことが起きてしまうのは、何かのテーマについて話しをする際、考える時間の幅に原因がある。

今回の場合で言えば「起業」というテーマの内容について話しをする際、時間軸を「起業」という「点」でしかとらえていなかった。

しかし、「点」ではなく、そこに幅を持たせれば違う景色が見えてくる。

会社を立ち上げるという「点」から始まり、1年後、3年後、5年後とさらに「点」を打って考えていったものをつないで「線」にしてみると、考えるべき幅はだいぶ広がる。

このように単純な数字の積み重ねとして「点」を打つだけではなく、自分のライフイベントを想定しながら「点」を打ち、それをつないで「線」にしてみると、より現実味があるかもしれない。

こういうことは、私たちの日常のいろんなところで起きている。

・社内の新規事業を、立ち上げる時点という「点」でしかとらえていない
・なにかの資格試験の勉強を、合格という「点」でしかとらえていない
・憧れの企業への転職を、内定を取るという「点」でしかとらえていない

という具合だ。

ここに挙げた3つの例は、どれも目標に置き換えられる。だから、どうしても達成した状態を「点」としてとらえてしまうのは無理はない。

しかし、その「点」を少し先に伸ばすだけで、次のような問いも浮かんでくるだろう。

・その事業が立ち上がると、他の事業への影響はどうなるか?
・資格試験に合格したあと、それをどのように活用していく機会があるか?
・憧れの企業に入社することの自分のキャリアへの影響はどうなるか?

そう、「点」を少し先に伸ばし、幅を広げると、新規事業や資格試験、転職といった目標そのものの意味を問うような視点を得やすくなる。これが「視野が広がる」ということ。

今後、ひとりで何かを考えるとき、あるいは複数人で会議をするときに、一度立ち止まって、自分たちが、どういう時間の幅で考えているのかを確認してみると、視点を変え、広げる良いきっかけになるかもしれない。

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Photo by Katie McNabb on Unsplash


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