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シナリオプランニングについて話しをするときに、もう何年も言い続けてきたのは、

・シナリオを作って終わりではダメなんです
・シナリオはアウトプットではなくインプットです

ということ。

シナリオプランニングでつくったシナリオ(未来について表した複数の世界)は、完成したら終わり(アウトプット)ではなく、完成したものを元(インプット)にして、戦略や事業を検討するところまでを考える必要性を伝えている。

自社のメールマガジンや公開セミナーでそう言い続けてきたのもあり、「シナリオを描いたら戦略や事業につなげればいいんですよね?」と言われることも増えてきた。

それは、ある意味正しいものの、ただ単に戦略につなげる、事業開発につなげるということをすれば良いのかというと、そうではない。

シナリオプランニングをビジネスの現場で本格的に使ったのはロイヤル・ダッチ・シェル。

彼らは、シナリオプランニングに取り組むことで、未来を探索し、組織の意思決定過程に役立たせることが重要だということを言っている。

シェルがシナリオプランニングを活用する立役者となったピエール・ワックは、そのことについて次のようにコメントしている。

私たちの真のターゲットは意思決定者の小宇宙(microcosmos)です。重要な意思決定者が抱いているイメージ、つまりメンタルイメージに影響を与えられない限り、わたしたちが作ったシナリオは石の上を流れる水(like water on a stone)のようなものです。

シナリオプランニングに取り組む意義は、未来の世界を描くことだけではなく、その過程で自分や組織の思い込みに気づくことでもある。

その思い込みのことをピエール・ワックは「小宇宙」と表現している。

シナリオプランニングのプロジェクトでは、実際にシナリオをつくる人だけが、「小宇宙」に気づけば良いわけではない。

ピエール・ワックが言うように、意思決定者を含む、さまざまなステークホルダーを特定し、彼らを巻き込んでいくことも考えていかなければいけない。

そのような重要なステークホルダーを意識し、彼らの「小宇宙」に働きかけ、彼らが抱いている思い込みを変えていく。

そういうプロセスを踏んでいくことで、本当の意味でシナリオプランニングを活用していくことができる組織へと変わっていくことができる。

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Photo by Steve Halama on Unsplash


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