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これまでの家づくりのメリット・デメリットと アフターコロナの注文住宅の考え方(4)

第4の選択肢 新築注文住宅は「リフォーム会社で建てる」

新築住宅は、10年間の保証が法律で義務付けられています。
これは逆に言うと、10年しか保証がないということでもあります。

しかも保証されているのは住宅の「躯体部分」のみ。住宅の躯体部分とは、「住宅の建築物の構造上、重要な役割を果たしている壁や柱、床、梁、屋根、階段」を指します。それ以外の家のパーツは保証の対象外なので、修繕や修理が必要な時には自分でなんとかしなければなりません。

例えば水回りや壁紙、また物件の引き渡し後の台風や地震などの災害によって生じた損害などは保証の対象とならず、メーカーやリフォーム会社に修理を依頼しなければならないのです。

では、躯体部分の修理についてはどうでしょうか。

日本の建築レベルは世界的に見ても非常に優秀ですから、最近の新築住宅の躯体部分が10年程度で大きなダメージを負うというようなことは、実はほとんどないのです。
また最近では、大手住宅メーカーなどが30年保証などを打ち出すようになってきましたが、これにもカラクリがあります。30年の間に点検が実施され、そのメンテナンス費用などは家の持ち主が支払う必要があるのです。

ではそうした家のメンテナンスや修繕、また10年の保証が切れた後の補修はどこに頼むでしょうか?

そう、リフォーム会社ですよね。

もちろん、ハウスメーカーで建てた家であれば、最初はメーカーに修理を依頼する人も多いかもしれません。
しかしメーカーに依頼したとしても、実際に補修を行うのはそのハウスメーカーのリフォーム部門、もしくは下請けのリフォーム会社となります。

つまり長いスパンで考えた時に、自分の家のことでお世話になるのはハウスメーカーではなく、リフォーム会社だということです。

であるならば、最初からリフォーム会社に頼みませんか?ということです。

昔は大工さんがその後のメンテナンスまでも含めた家づくりを一手に引き受けていましたが、残念ながら今はそうした地域密着型の大工さんの数も非常に少なくなりました。
またそうした大工さんであっても、住宅の価格競争に巻き込まれてしまい、遠くの現場まで出かけなければならなくなっています。
しかしそうなると、いざという時に補修や修繕を頼んでも、すぐに駆けつけるというのもなかなか難しい。

やはりそれは、本来の家の建て方ではないのです。

近所の信頼できる大工の棟梁にお願いして、長いスパンで自分の家の面倒を見てもらう。
または何かあったらすぐに駆けつけてくれるような、地元密着型のお抱えの工務店を持つ。

これが本当に安心できる、家づくりのあるべき姿ではないでしょうか?
ただ先に書いたように、最近はそうした大工さんや工務店を見つけることも難しくなりました。

そこで、リフォーム会社です。

家の戸が壊れた、ドアの立て付けが悪い、壁を塗り直す、ウッドデッキをつけたい、お風呂を交換したいなど、長い間にちょこちょこ起きる家の工事や修繕は、みんな近所のリフォーム会社にお願いするはず。
それならば、最初からリフォーム会社に家づくりもお願いすれば安心なのではないでしょうか。

でも、本当にリフォーム会社が新築の注文住宅を建てられるのでしょうか?

リフォーム会社はリフォームの専門家で、新築を建てるような技術は持ち合わせていない。というのが、世間一般の常識でしょう。

しかし、実はそれが大きな間違いなのです。

というのも実は新築住宅の工事よりも、リノベーションのような大がかりなリフォーム工事の方がより高い技術力や経験を必要とするのです。

どういうことでしょうか?

新築住宅を建てる時には住宅メーカーごとに得意な工法があり、ある程度は同じような手順で行っていきます。いわば流れ作業のように、家を建てていくわけです。その方が効率的ですしね。そのため実は、それほど高い技術力が必要とされているわけではないのです。

それに比べてリフォームは、現場ごとに必要とされる技術や工法がそれぞれ全く異なります。そのため、どんな現場にも対応できるだけの高い技術力や経験が求められるのです。

つまり、こういうことです。

<ハウスメーカー>
● A社:A社の方法で家を建てる
● B社:B社の方法で家を建てる
● C社:C社の方法で家を建てる

<リフォーム会社>
● A社、B社、C社のどの家が建てた家にも対応する

ですから肝心なのは、どんなリフォーム会社に家づくりを頼むかということ。

一口にリフォーム会社と言っても、キッチンやトイレ、お風呂などのちょっとした改装や取り付けを専門に行っている会社がある一方で、大規模なリノベーションを手がけるリフォーム会社、デザインに拘る個性的な会社など様々だからです。

では、新築住宅を頼めるリフォーム会社とはどのようなものでしょうか?

次回につづく


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