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「言い訳」をする中国人の心の中
とある中国の工場に勤めていた時のことです。
一人の中国人の部下が、材料サプライヤーへの発注漏れという結構大きなミスをやらかしました。そのせいで必要な材料が間に合わず、自社の生産品の納期が大幅に遅れました。僕は関係各所に謝り倒すなど、カバーのために奔走することになりました。
その過程で、やらかした部下にも聞き取りを行うわけですが、どうやら単純な人的ミスという以上の結論はなさそうでした。あまり言ってもしょうがないので、次からは気をつけてねと言うぐらいに留めましたが、トゲのある言い方にはなってしまっていたと思います。
すると部下は、「でも、わざとじゃないんです」ということを言いました。こちらはフォローのつもりで、それはわかっているから次からどうするか考えてねという話をするのですが、彼は「わざとじゃないんです」としか言いません。どうやら反省というより、「わざとじゃない」ということを僕にわかってほしい、という態度でした。
気持ちはわかりますが、ちょっとしつこかったので、僕は少しいらだって「わざとじゃなくてもミスはミスでしょ」と言いました。すると彼はより納得のいかない様子で、普段自分がどれだけちゃんと仕事をしているとか、適当なことをする人間ではないとかということを主張し始めました。険悪になりそうだったので、とりあえずその場は適当に受け流しました。
その後、彼はほどなくして職場を替わっていきました。僕との会話がきっかけだったかどうかはわかりません。
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これまでの経験で思うのは、中国の人々はどうやら「自分はよい人間である」という認知を守りたいという思いが強いらしい、ということです。
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