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中国で見つけた「怪しい日本の住所」をたずねてみれば

最近フォローしていただいた方にはご存じない方も多いかと思うのですが、僕は中国で見かける味わい深い日本語を収集することをライフワークとしております。

そのせいで、街中でも日本語がパッケージに書いてある商品を見ると思わず見入ったり、手に取ったりしてしまう癖がついています。

先日もコンビニでこんなものを見かけて、思わず購入してしまいました。

「隕石のそばのコーヒー」。中国語商品名(隕石旁边的咖啡)の直訳ですし、日本語にも大きな間違いはありませんが、なかなかに味のある日本語だと思います。ちなみに、中身は普通のコーヒーキャンディでした。

食べ終わってから、何の気なしにパッケージを見ていると、ふと商品説明の部分に目がとまりました。

会社の名前が「優の品科学サプリメント株式会社」とあります。優の品……? 絶妙の怪しさ溢れる名前です。

そして、特筆すべきはその住所です。周辺地域への配慮により画像では一部を黒塗りにしていますが、番地から部屋番号まで詳細な住所が書かれています。どうやら中国人が、日本に会社を登記して商売をしているようです。

これはおもしろそうな匂いがするぞと、とりあえずここに書かれている住所をGoogleで検索してみました。すると……





なんか怪しい会社がめちゃくちゃ出てくる。

社名を検索しても、ホームページはおろか一切の活動実績がヒットせず、登記情報だけが出てくるような会社がここに挙げた以外にも合計12件、同じ住所を共有しているのが見つかりました。しかも、その登記時期はここ数年に集中しています。なかには登記時期の間隔が1ヶ月程度しか空いていないケースまで。

ひょっとして架空の住所か? と思い住所自体を調べ直してみましたが、建物自体は普通に存在するオフィスビルのようです。東京の片隅のオフィスビルの一室で、いったい何が行われているというのでしょうか。何か底なしの沼を感じた僕は調査を取りやめ、ブラウザをそっと閉じました。

味わい深い日本語を掲げ、かつ微妙にオシャレなパッケージを持つ中国のお菓子の販売元を辿ってみたら、日本の下町のブラックホールにつながっていた、という話でした。

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さて、この例に限らずとも、中国にある日本っぽい製品のパッケージに書かれている住所を調べてみたら、そもそも住所が存在していなかったり、存在していても「なんじゃこりゃ?」というところに行き着くケースが他にもあります。

そんな中でも、今日は僕にとって印象深い「ゆうやと」という、怪しい日本語商品を扱う会社のケースについてお話ししたいと思います。

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