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「支払い遅延」をくらった中国嫁との話でわかる2つのこと

今日は嫁との会話から見えた、中国の習慣にまつわる話です。

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嫁はいまフリーで働いていて、複数の取引先があります。しかしある時、その取引先のひとつから、期日になっても仕事の報酬が振り込まれていないことに気がつきました。

もちろん嫁は、振り込まれていないということを相手方に伝えます。WeChatでメッセージを送ると、ほどなくして担当者から返事がありました。なんでも財務のほうでトラブルがあり、まだ給料が振り込める状態になっていない、といいます。そういうなら仕方がないので、その場はいったんそれで終わりました。

しかし、その後15分も経たないうちに、その担当者のほうから連絡がありました。いわく、「ちょうど問題が解決して、振り込める状態になったから、すぐ振り込みますね」だそうです。そして実際に、すぐに報酬が振り込まれてきました。

嫁はこのエピソードを僕に話しながら、きっと本当は財務のトラブルなんかじゃなく、「黙っていればわからないだろう」とあわよくば報酬を踏み倒そうと思っているか、単に担当者の凡ミスで振り込みを忘れていただけでしょう、と口をとがらせました。そうじゃなきゃそんなにタイミングよく、トラブルとやらが解決するわけがないじゃない、白々しいよね、と。

僕はそれを聞いて、「そのことについて、相手に文句は言ったの?」と嫁に問いかけました。すると、言っていないといいます。本当に向こうの悪意、あるいはうっかりだという確証もないし、聞いたってどうせ本当のことを言うわけがないから、わざわざ突っついたって無駄だ、ということです。

まあそれもそうかと思いながら、でも振り込みが遅れたことの文句ぐらいは言ったほうがいいんじゃない? ナメられるとまた同じことされるんじゃ? と伝えてみましたが、それも別にいい、と嫁はいいます。

そのお客は仕事の単価自体はいいらしく、下手に相手を責めてヘソを曲げられて仕事が減っても困るし、同じことが続くようならその時また関係を考え直せばいい、とのことでした。

僕はなるほど、そんなもんかねえと思いながら、嫁の話を聞いていました。

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このエピソードからは、中国の習慣についての示唆が2つ得られます。

まず第一に、中国では給料の振り込みや支払いがカジュアルに遅れがちということです。

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