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「質問に答えない中国人」とどう向き合い、向き合われるべきか
中国人と働く日本人の不満や違和感の代表格、それは「質問に答えない」ことだと思います。
日本では、何か問題が起きた場合にとりもなおさず「自分の非を素直に認める」というところから話が始まるフシがあります。ある問題に対して自分がどのように関わっており、そこにある自分の責任は何かを認める。ある問題について聞かれればそれに素直に答え、そこには嘘をつかない。言い訳がましいことを言わない。これらがおおむね「良き振る舞い」とされているように思います。
こういった振る舞いを中国人に期待すると、往々にして……というか99%は裏切られることになります。自分の非を認めず、「あれこれこうで自分は悪くない」「アレがナニガシで没办法だ」という話しか出てないため、消耗するのです。
さらには、ある現象に対して「やったか、やってないか」「Yesか、Noか」をただ問うているような場面でも、その質問をすっ飛ばして言い訳が出てくるのでイライラする、という場面に心当たりのある人は多いのではないでしょうか。
あまつさえ、相手にナメられている場合は「お前だって〇〇じゃないか」という反撃が来る時だってあります。いやいまはその話じゃなくてアンタの話なんだけど、とりあえずいったんこっちの言ったことを飲み込めよ、という願いも虚しく、口論が始まったりします。
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自分の経験した中ではこんなことが。
ある時期までに提出すべき資料を仕上げてこなかった部下(女性)がおり、何かわからないことやできない事情があったのかなと思って「どうして期限内にできなかったの?」と聞きました。
彼女の答えは、「次は大丈夫です」でした。
いや、次がどうこうとかじゃなくて、今回なぜできなかったのかを聞いてるんだけど……と聞いても、何か気まずそうにゴニョゴニョと言い訳が返ってきます。
Yes/Noで答えられるように「時間がなかったの?」「資料を作るうえでわからないことがあったの?」と問うてみるも、それらの質問とは無関係の「資料ができなかった、私は悪くない理由」が並べ立てられるばかり。そして最後には「次は大丈夫です」と繰り返すだけ。
なんか僕に言えないようなことがあって誤魔化そうとしてるんじゃないか……? とか、なんだか話を聞いてもらえていないような虚しさが募ってきます。
最後にはなんかもういいやと思ってしまい、結局何が言いたかったのかはわからないまま話は終了。モヤモヤだけが残りました。
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もちろん中国人の全員が全員そんな感じというわけではありませんし、日本人にだってこういう人はいます。ただ自分の経験した範囲、あるいは在中邦人の経験を見聞きしてきた中では、中国人にはこういった人が多い傾向が見て取れます。
さらに同様の趣旨のことを書いている書籍、Web記事などは探せばいくらでも見つかります。みんなだいたい同じようなことを思っているようです。
これらの記事ではその原因を土地柄や国民性、習慣の違いなどさまざまなものに求めています。どれももっともらしく、ある程度的を得たものではあります。
ただ、これって理由がわかったからといって変えられるようなものではないんですよね。あまりにもそれぞれに根付いた文化がからの影響が強過ぎて、どうしても拭えない違和感がそこに残ります。おそらくこういった摩擦は今後も日本人と中国人の間で延々と起きていくのでしょう。
そもそも日本的な「まず非を認める」「質問に誠実に答える」というような規範は、世界的にもスタンダードではないという意見もあります。異常なのは日本人の方かもしれないのです。
できることはお互い「そういうものだ」と割り切り、せいぜいストレスを溜めないようにすることぐらいです。がんばっていきましょう。
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……と、「お互い頑張ろうね」といういつもの結論で締めてもいいのですが、今日はちょっとだけ踏み込んでおきます。
最近、このような中国人との「対話不可能性」のようなものに苛立つ場面が私生活でも仕事上でも増えてきており、ほとほと疲れています。
まるで相手の意見などハナから聞く気がないと言うような態度で「自分は絶対悪くない」「あなたが私の言うことを聞くべき」「あなたが間違っている」という話しかしてもらえず、あまりにも気持ちが蔑ろにされているように感じることが多くなってしまいした。自分の思うことをどうにか伝えようとしても、上のような前提をもとにしかコミュニケーションしてもらえないので、まったく話が伝わらないことも。
このnoteは日本語が読める中国人の人も読んでくれているようです。このnoteは中国人をひとくくりに考えていて不愉快だったかもしれません。ただ、少しでも何がひっかかるものがあれば、お伝えしておきたいことがあります。
あなた方から見れば、日本人の行動は非効率かつ不合理で、さぞ理解しがたいことでしょう。気持ちはわかります。
でもそんな時、それを「無意味な、聞く必要のないもの」としてしまうのではなく、そういう「無意味かもしれないこと」を大切に思う人もいるのだということを、少しだけ考えてみてください。
そして、それがたとえ儀礼的なものに過ぎないとしても、いったんちゃんと相手の話を聞き、答えを返す姿勢を示してほしいと思います。それをするだけで、コミュニケーションは劇的に変わるはずです。「話を聞いてもらえない」「言っていることが伝わらない」ことは、誰にとっても辛いものです。
それが、日本人と中国人が、少なくとも個人単位で笑いあって暮らせるように願っている人間の考えていることです。
日本人と中国人の間に流れる悲しみや苦しみが少しでも減りますように。
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