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住んでる街がロックダウン(っぽく)なりました

昨日のnoteにも書きましたが、いま中国の各地で新型コロナウイルスの感染が増加してきています。各国に遅れる形でオミクロン株の拡大が始まり、数で言えばまだそれほど多くないものの、中国がこれまでに経験してこなかった感染の広がり方です。

そんな中、昨日は広東省の深圳市で全市民に3回のPCR検査を実施するというニュースが。それに伴い飲食店の営業制限(デリバリーのみ)、インフラ等社会に必要不可欠な企業以外では在宅ワークをするように勧告、公共交通機関の停止など、大幅な社会活動の制限が発表されました。

深圳といえば近年はITイノベーションの中心地としても有名な大都市で、日本人も多く住うところです。影響が大きそうだな……と他人事のように考えていたら、深圳市の隣、僕の住んでいる東莞市にも似たような内容の通知が出されてしまいました。東莞市でも同じく感染者が増えており、局所的な封鎖措置はあったものの、全市でこのような措置が出るのはおそらく初めてではないかと思います。

これによると、やはり全市民に複数回のPCR検査を課すうえ、3月20日まで以下のような制限が加わるとのこと。

・地下鉄、バスは運行を停止
・市を跨いだ移動には24時間以内のPCR検査陰性照明が必要
・デリバリーや宅配便などは小区(団地)や建物内に進入禁止
・学校(幼稚園を含む)はオンラインでの授業に移行すること
・外食のイートインは一律に禁止、デリバリーのみの営業
・大人数が集まるイベントの禁止

などなど、なかなか厳しいものがあります。制限の内容としては、中国でパンデミックが始まった頃に課されたものと似ているな、という感じです。

いっぽうで、タイトルをわざわざ「ロックダウン(っぽく)」と曖昧な表現にしたのは、まだ市内外への移動は条件付きながら許されていることと、小区の外に出るなど外出自体は可能だからです。

去年末から今年の初めにかけて行われていた西安市でのロックダウンよりも、少し制限が緩いように思うので、あえてこれがロックダウンであるという断定は行わないようにしました(そもそも、ロックダウンの定義が書いててよくわからなくなってきました)。

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周囲の反応としても、いまのところ特に何も変わっていないようです。見る限り、混乱などは起きていません。制限はあるものの、外出自体は可能ということが大きいと思います。午前中に少しだけ外に出て見たんですが、公園で普通に運動している人とかいました(封鎖の通知自体に気がついてないのかも)。

買い占めなどもとりあえず起こっていなさそうです。さっきネットスーパーで買い物をしましたが、ちゃんと届きました(配送員が小区の中に入れないので、階下に置いてもらって取りに行きました)。明日、時間があればスーパーの実店舗に行って見てみる予定です。

僕はもとから在宅勤務をしているので仕事への影響は少ないのですが、東莞は深圳以上に工場や製造企業が多いので、これからどういう影響が出るのかなというところです。知り合いの製造工場に勤めている友人などに聞いてみると、普通に稼働しているところ、大事をとって暫定的に稼働をやめているところなどさまざまです。多くの企業は市や鎮など、行政単位の政府の指導を受けながら営業しているようです。

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取り急ぎ、新しく封鎖措置が始まった東莞市の現状について書いてみました。

これから行われるPCR検査の結果などを受けて、封鎖が厳しくなったり、または緩和されていくのかな、と思います。

今後、動きがあったらこの記事の中に追加していこうと思っているので、興味のある方はブックマークやフォローお願いします。

とりあえず以上です。

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(追記:2022/03/15午前)

封鎖開始後、初めてのPCR検査に朝イチで行ってきました。今までの検査と特に変わったところはなし。

帰りにスーパーに寄ってみましたが、ちょっとモノが少ない程度で通常通り営業していました。特に人が殺到しているということもなく、普段通りです。必要なものはすべて買えました。

いっぽうで、スーパーのそばにある店舗は飲食店に限らずすべて営業をとりやめていました。このスーパーはとあるショッピングモールの地下にあるのですが、聞けばそのモールの店舗はすべて休止なのだとか。営業停止は飲食店だけだと思っていたので、意外でした。

また聞き及んだ話ですが、ある地域のスーパーでは入店時間の制限(整理券でグループ分けされ、グループごとに30分までとか言われるらしい)や、購入金額の制限(100元まで)を設けているところもあるそうです。物資が不足しているからというより、ヒステリックな買い占めを防止するための措置でしょう。

今回改めて思うのですが、中国のコロナ対策は自治体によってやり方や成果にかなり差があるようです。これまで省や市などの大きな行政単位で違いを見ていましたが、おそらくさらに細分化した形で管理がなされているようで、そこの担当者の手腕や方針によって対応に大きな差が生まれている気配を感じます。

今僕の住んでいるところは制限としてはかなり緩いほうですが、これからあと2日おきぐらいでPCR検査が行われて、その結果如何で今後は変わっていくと思います。

引き続きレポートしていきます。

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(追記:2022/03/16午前)
本日より、どうやら管理が厳しくなったようです。マンションのエレベーターにこんな掲示が出てました。

いわく、外出のためには管理会社(物業)の発行する通行証が必要になるということです。外出できるのは一日に一回のみ。期間は未定とのこと。

通行証をもらいに行った方がいいんじゃないの、と嫁に言うと「とりあえず備蓄食料があるからいいんじゃない。行ったら行ったで面倒そうだし」とのこと。たしかに、こっちの管理会社は家主か賃貸かで露骨に態度を変えたりするからな。

しかし、明日はたぶん2回目のPCR検査があるはずだけど、外に出て大丈夫なんだろうか……? 帰ってきたら難癖つけられて入れないとかなったら嫌だな。そうなったらそうなったでnoteでネタにするけど。

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(2022/03/18追記)
結局、前回の更新から大規模PCR検査が行われることもなく、少しだけ封鎖が緩みそうな雰囲気が漂ってきました。僕の住んでいる街を含め、東莞市ではあまり感染が広がっておらず、これまでの検査結果からそこまで厳しい措置は必要ないという判断がなされているようです。

地下鉄とバスの運行も本日から再開しているようです(地下鉄は運行本数を減らしつつ、48時間以内のPCR検査陰性証明が必要なようですが)。

個人的にはホッとしているのですが、お隣の深圳市などでは毎日のPCR検査がほとんど義務のようになっている場所もあるようで、SNSからは在中邦人のピリついた様子が伝わってきます。みなさんメンタルにはくれぐれもお気をつけください。

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