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中国でモバイル通信が使えなくなったらどうなるか考えてみた

日本では、一部のキャリアで大規模な通信障害が起きていたらしいですね。

「復旧した」との発表があってからもつながりにくい状況があるようですが、いまは大丈夫なんでしょうか。読者のみなさまが不便に見舞われていないことを祈ります。

さて、こういうことが起こると「もし中国でこれが起こったらどうなるかなあ」と考えてしまいます。中国は日本以上に生活におけるスマホ依存が進んでおり、もし電波が繋がらないなんてことになったら、かなりの影響が出そうです。

というわけで、仮に今回日本で起きたような通信障害が中国で起きたらどうなるか、考えてみました。

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実は直近で「スマホが使えなくなる」という事象が中国で起きたことがあります。それは去年の夏、河南省での集中豪雨にともなう各種インフラの崩壊によって起こりました。

この時は、人々はたとえネットがなくても知恵を絞ってたくましく生き延びたといいます。スマホ依存の社会でも、みんなが力を合わせれば意外となんとかなるのかもしれません。

とはいえこれは自然災害時の話であり、スマホどころかあらゆるインフラが崩壊した中での出来事です。今回、日本で起きた事象とはちょっと毛色が違うといえるでしょう。

今日のnoteでは今回の日本のように、「普段の都市生活が維持された状態で、突然特定のキャリアの通信が遮断された。自分がそのキャリアを利用していて、スマホによる通信ができなくなってしまった」という状況を想像して、いったいどれだけ生活が不便になるのか考えてみたいと思います。

現金、ぜんぜん持ってねえ

まず真っ先に困ることが予想されるのは、あらゆる買い物の支払いです。中国では多くの都市生活者が各種の支払いをスマホによるキャッシュレスに依存しており、現金なんぞ持ち歩いていません。僕自身、ひょっとしたらもう2年くらい現金に触れていません。この状況でスマホが使えなくなったら、外での支払いがまったくできなくなります。

家に現金ってあったっけ……と思って嫁といっしょに確認してみましたが、たぶん各々の財布(滅多に持ち歩かない)に死蔵されているのをかき集めて数百元程度、といったところです。これではどうしようもありません。

とはいえ、手段はまだ残されています。今のようにスマホ決済が大きく普及する前から、中国の人々はデビットカード機能付きの銀行カードで各種の支払いをすることが多くなっていました。今でもこれが使えるところは多いはずなので、日常の支払いはスマホがなくてもなんとかなるかもしれません。

現金を下ろすためのATMも街中にはそれなりにまだ稼働していますし(こういうことが起きたら長蛇の列になりそうだけど)、お金の問題はなんとなるかな、といった感じです。

しかし、日本でもキャッシュレス化は進んでいるかと思うのですが、今回の通信障害でそのへんに困った人はいなかったんでしょうかね。日本はクレジットカードが普及しているし、ATMもどこにでもあるからそんなには困らなかったのかな。実際に体験した人がいたら教えてください。

健康コードが出せないと、行く場所がない

しかし、お金はなんとかなったとしても、それ以前に問題になることがあります。

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