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ネットと現実の乖離は、中国でも起こっている。けど……という話

ここ最近、中国のネットで話題になっていることを取り上げた記事をいくつか書きました。

これらの事件は話題にもよりますが、瞬間的には中国のネット——SNSであったり、ショートムービーアプリであったりを、大きく席巻します。文字通り、ネットがその話題一色になることも珍しくありません。

いっぽうで、「ネットで話題」というのはあくまで「ネットで話題」というだけのことであり、それがリアルにまで波及にして大きく話題になっているのかというと、そうではない場合もあります。

たとえば上に挙げた3つの話題のうち、僕の周囲の実際の人間関係、つまりリアルで自然と話題に出たのは、1つ目の河北省での暴行事件だけです。2つ目の南京での件についてはこちらから聞くと知っている程度の人がちらほら、3つ目のディオールの件に関しては聞いても知らないという人がほとんどでした。

日本でもそうですが、TwitterなどSNSで話題になっていることに注目していると、本当にリアルを含めた「みんな」がその件に注目しているかのような錯覚に陥ることがあります。

それは中国でも例外ではありません。特にリアルでの人付き合いが少なかったり、そもそも中国の外から中国のことを調べようとしたりしていると、これらの話題が現実世界でも大きな影響力を持っているのだと勘違いしてしまうかもしれません。その辺りのスケール感を、見誤らないようにしておきたいものです。

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……というだけだと、記事としてはちょっと短すぎですね。すいません。

では、これらの「ネットの大事件」について、中国と日本で捉え方が違うかもしれないことについて軽く触れておきます。

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