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論点整理:「中国の国情」とは何か?

中国の報道や政府発表を見ていると、「中国の国情」というキーワードが頻出します。

「中国の民主は中国の特徴と中国の実情に照らして設計し、発展させることを堅持し、国情に合った民主発展の道を揺るぎなく歩む」

上掲記事より、太字強調は筆者

多くの場合この「中国の国情」は、「民主」や「人権」などの概念に対して、「中国には中国という国に適した〇〇の形がある」という文脈で用いられています。「それぞれの国にはそれぞれの特徴があり、その特徴に合わせた〇〇を採用すべきである。中国には中国の国情があるのだから、欧米をはじめとするヨソの国は口を挟むな」というわけです。

しかし、この「中国の国情」が語られる時、その「国情」が具体的にどんなものであるのかを同時に説明しているケースはあまり多くありません。では、いったいどんな「国情」が中国を特徴づけ、そのような主張をさせているのでしょうか。

中国語で検索すればこの「中国の国情」に関する説明は多数見つかりますが、どれも冗長で的を射ていません。たとえば百度百科の「国情」のページには「中国国情」として地理、経済、政治などさまざまな側面からの説明が載っていますが、どれも本質を捉えたものではないように思います。

百度百科「国情」のページよりスクリーンショット

僕はこの「中国の国情」を、一行で本質的に表現できるのではないか、と思っています。

この記事を読めば、今後中国に関わるニュースなどでこの「中国の国情」が出てきた時に、ああ「国情」とはあのことを言っているのだな、と理解できるようになると思います。みなさん、ぜひ覚えて帰ってください。

「中国の国情」、それは一言で言うと、

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