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ちょっとした中国語に戸惑ったあのころ

先日のマガジンで中国に来たばかりの時のことを少し書いたのですが、そこで飲食店で注文する時の「这里吃还是打包?」(ここで食べるの、それとも持ち帰り?)とか、「要不要辣?」(辣椒(トウガラシ)はいる?)などという、ごく簡単なやりとりがわからなかったという話をしました。

そういえば他にもそうした、ちょっとしたことがわからなくて困ったり、ビビったりしたことがあったなあと思い出しました。今日はその話です。

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たとえばスーパーで買い物をする時です。当時はキャッシュレスもセルフレジもあまり普及しておらず、普通に店員のいるレジを通すわけですが、商品を読み取ってお金を払うまでは別にどうってことありません。

ただ、支払いの時に聞かれる「要不要袋子?」(袋はいりますか?)とか、「有没有会员?」(会員ですか?/会員カードはありますか?)とかいうちょっとした質問が、とっさに言われるとわからないんです。えっ? と戸惑っていると怪訝な顔をされたり、首を傾げられたまま進められたりして、地味に心が折れそうになります。

それくらいわかるだろ、と言われそうですが、こういうのって意外とテキストなんかには載っていないものだし、想定していないところで質問をされるとフリーズしてしまったりするんですよ、これが。

日本でもコンビニの「温めますか?」や「お箸はおつけしますか?」などが日本語のわからない外国人にとって恐怖となっているという話を聞いたことがありますが、たぶんこういうのってどこにでもあるんでしょうね。

ちなみにちょっと経験を積んで言っていることがわかるようになってからは、「有没有会员卡?」に対して、一発で電話番号を言い切る(中国のスーパーの会員カードは、だいたい登録している電話番号を伝えることでポイントをつけてくれます)ことにチャレンジするようになりました。

11ケタの電話番号を正しい発音で一発で伝えられるようになったときは、けっこううれしかったものです。

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他にも怖い(?)思いをしたのは、买一送一mai yi song yiです。

买一送一mai yi song yi」とは、「1つ買ったら1つプレゼント」のことで、同じ商品がもう一つついてきたり、おまけに別の商品をつけてくれたりすることです。店がキャンペーンなんかをやっている時によく見られます。

それ自体はもちろんうれしいことなのですが、問題はこれを突然言われた時です。

どういうことかというと、ドラッグストアなんかでこれに気づかずうっかり対象商品を持って行ったりすると、レジのお姉さんに「这个买一送一的,可以再拿一个免费的,你需要吗?」(これは买一送一なので無料でもうひとつ差し上げますよ、どうしますか?)と早口で言われたりします。

最後に「吗?」とあるので疑問文だということはわかるのですが、こちらはその内容がわからず(だって买一送一なんて文化をよくわかっていないから)、「え、えーっと……」などとまごつきます。すると店員さんはもう一度同じ説明をしてくれるのですが、やはり「吗?」しかわかりません。

最終的には、よくわからないけど何かの押し売りとかだったら嫌なので「不要!」(いらない!)などといってとりあえずその場を切り抜けるのですが、いま思い返すと「あれってもう一個あげるよって親切に言ってくれてたんじゃないか」と思う経験はいくつもあります。もったいないことをしました。

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あと、これはもう少し中国生活に慣れてきてから遭遇するものですが、ライドシェアの運転手のオッサンがかけてくる電話というのも結構な恐怖の対象でした。

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