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中国の抱える問題は、日本と相似形なのかも

野本響子さんのnoteを読んで、いろいろ考えさせられました。

ずいぶんと自由に、個人が尊重されるようになったように見えつつも、根っこの部分ではどこか全体主義的で、最後には個人という存在が会社組織や、「世間」という無謬の存在に覆い隠されてしまう、日本という国。

何が悪いのか、このままだとダメになっていくのはみんなわかっているけど、なんとなくそれを変えられずに来てしまった。日本を苦しめているあらゆる問題が、そのような国のあり方に起因しているのでは、と思える内容でした。一読をおすすめします。

見えていたのに何もできなかった中国

さて、そういう意味においては、中国もけっこう日本と同じというか、相似形の問題を持っているように思います。

たとえば、少子高齢化です。

中国でも近年、出生率の低下と生産労働人口の減少が顕著になってきました。

一人っ子政策が緩和され、現在では3人の子どもを作ってもよい(正確には3人目を作っても罰金が課されない)ということになりましたが、それによって出生率が上がったという話は聞きません。連日流れるのは、相変わらず「今日は上海で〇〇人(二桁、あるいは一桁のごく小さい数字)しか子どもが生まれなかった」というニュースです。

こうなることがわかっていながら、中国が一人っ子政策をごく最近(2人目の子どもが全面的に認められるようになったのは2015年です)までやめられなかった理由のひとつは、特に農村において2人以上の子どもにかかる罰金が、自治体の重要な財源となっていたことがあります。まさに目先の問題によって、方針を転換できなかった例といえるでしょう。

また、そうでなくても教育費の高騰や、そもそも子どもに教育を受けさせるための条件として不動産購入が必要なことから、都市部の人々の子どもをつくる意欲は大きく削がれています。さらに一人っ子政策とも違って、これらの問題に関してはほとんど手付かずで放置されています。教育費に関しては去年大きなメスが入りましたが、不動産に関しては既得権益があるのか、大きな改革の兆しはまるで見えません。

日本でも少子高齢化はずっと前から予測のついていた問題ですが、結局は取り返しのつかないところにまで来てしまいました。中国もすでにかなり厳しい水準に来ています。これからどうなっていくのでしょうか。

新しいものを生み出せない

高齢化は日本・中国に限らず、先進国に共通の悩みではありますが、そのほか中国と日本でよく似ているなと思うのが、「新しいものを生み出せない」というカルマです。

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