20円のアイスと、変わってしまった僕
今日はわりとしょうもない寄りの自分語りなんですが、面白いと思うのでぜひ読んでください。
セルフ・アイス・ギャンブル
以前のnoteで、中国におけるアイスの値段について書きました。
これまではアイスをあまり食べなかった中国の人々ですが、消費者の嗜好が少しずつ変化するのにともない消費量が増え、商品のラインナップも豊かになっています。
その中で値段がけっこう高いものも出てきており、また中国のコンビニのアイス用のケースには値段が書かれていないことも多いので、何の気なしにレジに持って行ったら意外と高くてびっくりする、ということがよく起きるようになりました。アイスに突然刺されるという意味で、「雪糕刺客」(アイスの刺客)というネットの流行語まで生まれています。
前のnoteでは僕自身もこの「雪糕刺客」にやられたという話を書いたのですが、あれからも僕はコンビニで初めてのアイスを見かけては「刺客」に刺されたり、刺されなかったりしています。
むしろ値段が書いていないのを逆手にとって、日常のささやかなギャンブルとして楽しんでいる感があります。レジでバーコードがスキャンされ、店員の口から値段が告げられる瞬間の緊張感がたまりません。
たとえばこのナッツ入りのチョコアイスバーは、19.9元しました。ほぼ20元だとすると、今のレートなら日本円で約400円です。これは完全に「刺客」にやられた例と言っていいでしょう。味はおいしかったんですが、賭けには負けた気分でした。
ちなみにこれ、調べるとアメリカのDreyer'sというメーカーのもののようですが、海外メーカーのものは値段が高い傾向にあります。日本の明治のアイスもだいたい10元以上するので、ギャンブラーとしては手を出しにくいです。
次は柿味のアイスで、これは4元でした。ちゃんと柿の味がするし、悪くありません。値段以上の満足感が得られたので、これは勝ちといっていいでしょう。ちなみに形状もちょっと柿っぽくしてあってかわいかったです。
え、1元?
で、今朝もこの「アイスの値段を見ない」というセルフギャンブルをやってみたんですが(お前どんだけアイス食うんだよというツッコミは置いといて。ちなみに嫁にバレたら「甘いもんばっかり食うな」と怒られるので、その意味でもギャンブルになっています)。
今日通りがかったコンビニで見つけたアイスは、紅茶味をうたうものでした。
パッケージが明らかに有名な食品メーカーである康师傅の紅茶に似せてあり、漂うパクリ臭に多少の嫌な予感はします。しかし紅茶味というのも珍しいし、見たことのないアイスはとりあえず買ってみると決めているので、迷うことなくアイス用のケースから取り出し、レジに持っていきます。
そして、レジで店員が商品のバーコードをスキャンし、画面に表示された値段は——なんと、1元でした。日本円だと、いまのレートでもたったの20円です。
驚いて「え、1元?」という僕ですが、店員は何も言わず、さっさと払えよという雰囲気を醸し出してきました。これまで値段が高くて支払いを躊躇したことはありますが、安くて戸惑ったのは初めてです。
とりあえずスマホの決済アプリを開き、QRコードを店員に提示する僕。スマホには「1.00」と、1元が消費されたメッセージが表示されます。本当に、疑い用もなく1元だったようです。
アイスがどんどん高くなってきているという昨今、いまだに1元で売っているアイスがあるなんて……と驚きながら、僕はコンビニを離れて歩き始め、アイスの包装を剥がし、アイスを食べ始めようとしました。
しかし……
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