中国人とデジタルと、個人情報の管理と
こんな記事を読みました。
中国のある地域で、親元を離れて暮らす「留守児童」問題への対策の一環として「スマート子ども見守りモデル地区」としての試みが始まっているそうです。
具体的には、対象の児童にスマートウォッチを与え、その位置情報や健康データなどを随時オンラインで確認できるようになるといいます。緊急時などには児童と音声によるやりとりが可能で、さらに異常を検出すれば状況に応じた指示が自動で飛ぶようにもなっているとのことです。
これだけ聞けばたしかに便利そうにも聞こえますが、やはり気になるのはそのシステムの正当性や安全性、そして集められたデータが何か他のことに流用・悪用されてしまう可能性です。
極端に言えばこれって政府による児童の監視に他ならないわけで、情報の管理の仕方によっては児童およびその家族のプライバシーが深刻なレベルで侵害されてしまう可能性があります。そうでなくとも児童の行動のデータが蓄積されれば、それが商業的に活用できるデータとして横流し的に売買される可能性なども大いにありえます。
中国で「ITやビッグデータを活用したスマートな試みが始まった!」などというニュースが流れても、それをなかなか素直に受け取るのは難しいところがあります。
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いっぽうで、中国の人々は政府筋に個人情報をとられたり、それが何らかのサービスや政治的な目的で活用されることについて寛容というか、あまり気にしていないようなフシがあります。
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