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百度百科、日本のマイナーキャラクターまでカバーしてる説を検証

百度百科」をご存じでしょうか。ユーザーが自由に編集できる、中国大陸版Wikipediaのような百科事典サービスです。

日本に関わる項目もたくさん書かれているのですが、先日暇つぶしに見てまわっていた時に、アニメや漫画のそこそこマイナーなキャラクターにも個人での項目があることを知りました。

この記事ではどの程度のマイナーキャラまで個人項目があるのか、その境目を作品ごとに検証してみたいと思います。

『SLAM DUNK』

中国では超人気を誇る『SLAM DUNK』。95年ごろからに『灌籃高手』というタイトルでアニメが放映され大ヒットとなり、日本やアニメにそれほど興味のない人でも知っているレベルのクラシック的な作品として認知されています。

中国ではそれだけの有名作品なので、百度百科も充実しています。湘北高校のメンバーはもちろん、ライバル強豪校の陵南、海南大付属や山王の主要選手などもほぼ全てカバー。

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安西先生など選手以外のキャラや、果ては青田龍彦(柔道部の部長)や島村葉子(第一話で花道をフった女子)といった基本的に本筋には絡まないキャラにまで項目が用意されています。

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『鬼滅の刃』

では、直近の人気作ではどうでしょうか。先日惜しくも漫画の連載が終了した『鬼滅の刃』を見てみましょう。中国ではbilibiliでアニメが配信されており、同じくジャンプ作品である『ONE PIECE』や『NARUTO』にひけをとらない人気となっています。

こちらも人気作品だけあり、炭次郎や禰豆子などメイン級は言うに及ばず。鬼殺隊・柱の面々、敵キャラ側の無惨や十二鬼月、鋼鉄塚さんに至るまでかなり網羅されています。

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鋼鉄塚さんの年齢がきっちり載っているあたり、わかってんな!という感じがします。

内容も随時更新されているようで、閲覧時点(2020/5/22)での最新情報までしっかり反映されていました。まだ最新話まで読めていない単行本派(かつ中国語が読める人)は注意が必要です。

『ジョジョの奇妙な冒険』

ジャンプ作品でも、中国では上記の二つほどメジャー感のない『ジョジョの奇妙な冒険』シリーズを見ていきます。

それでもやはり内容は充実しており、メイン級キャラクターはもちろんのこと、川尻早人やエンヤ婆のような非戦闘キャラクターまで幅広くカバー。

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キャラの紹介にとどまらず「スタンド」や「杜王町」などの用語解説もあります。

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余談ですが「イエローテンパランス」の表記が「ィェローテソパランス」になっているのを発見した時は、ああ中国だなあ…と謎の安心感を覚えました。

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『刃牙』シリーズ

ジャンプ作品を離れ、『刃牙』シリーズではどうでしょうか。

このあたりになると取り上げられるキャラクターの数が減ってきました。初期の最大トーナメント編で健闘し後々にも活躍するようなキャラクターには単独項目がありますが、それ以外はまちまちといった感じ。

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僕の好きな加藤清澄や末堂厚にはありませんでした。残念。

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最凶死刑囚にいたっては柳龍光、ドリアン、ドイルには個人項目があり、スペックとシコルスキーにはありません。どういう線引きなのか。

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『カイジ』

日本では根強い人気がある『カイジ』シリーズですが、中国ではあまり関心を寄せられていないのか作品自体の項目はあるものの、わずかに主人公のカイジに単独項目があるのみ。

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ちなみに『アカギ』の項目もあったのですが、こちらにはキャラクターの単独項目はなし。作品のページから「赤木」というリンクを見つけクリックしてみると、なぜか『SLAM DUNK』のゴリ(赤木剛憲)にジャンプするという事態に。お前らどんだけスラムダンクが好きなんだ。

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調べたわけではないので憶測ですが、中国では大人向け漫画やアニメの需要はまだあまりなく、関心を寄せられにくいのではないかと思います。子供のころからアニメなどのカルチャーに触れてきたネイティブ世代がいま30代中盤に差し掛かっているので、ひょっとしたらこれから増えてくるのかな?

Wikipedia以上に無秩序

百度百科のトップページに表記を見つけて驚いたのですが、本家Wikipediaの記事数が英語版で約607万項目、日本語版で約120万項目に対してなんと百度百科には約1727万もの記事があります(2020/5/22閲覧時点)。

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(トップページより)

さすが中国、数の力は凄いな…と思うと同時に、上記の「ィェローテソパランス」やアカギ=ゴリ現象などの例を見るにつけ、あまり適正な編集がなされているようには思えないのも事実です。

やけに細かいキャラ項目があるのも、妙に思い入れの強い個人がのべつまくなしに項目を立てて、それらが編集されずに放置されているというのが実情かもしれません。Wikipediaと同じような編集規約もあるにはありますが、果たしてどこまで守られているのか。

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とはいえ有名どころであれば割としっかり書き込まれているし、項目によっては動画も作られていて読み物としては楽しいものなので、特に中国語学習者の人などはたまに見てみると楽しいかもしれません。あなたのお気に入りキャラクターがいるか、みんなも探してみよう!(強引な締め)



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