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輸出される「中国しぐさ」とどう向き合うべきか

ルポライター・安田峰俊さんがすごい記事を出しています。

かねてから国際的に問題視されていた、中国の海外派出所の活動実態を追ったものです。

この件については、アメリカをはじめとした西側の国が中国人の在外活動のことについて針小棒大に騒いでいるのかな? という程度の印象しか持っていなかったのですが、どうやらそれはかなり甘い見立てで、現実にはかなり深刻なことが起きているようです。

まず、多くの海外派出所は世界各国の華僑団体やコミュニティなどをもとに、中国本国の公安や共産党組織の公認を受けて設置されている形のものが多いようです。大使館職員の出入りがあるケースもあったといいますが、問題はそのほとんど(すべて?)が所在国に何の届出もせず、認可も得ずに活動しているということです。警察に限らず、ある国の公的機関がよその国で勝手に活動することは明確な国際法違反であり、主権の侵害にあたります。

それらの派出所は、多くの場合現地の中国人の免許証取得のサポートくらいしか行っていなかったようです(それだけでも警察権の侵害ですが)。しかし、場合によってはその派出所が反体制的な在外華人の監視や、場合によっては恫喝などもしていたそうなのです。上の記事では、日本で生活する反体制中国人のもとに突然、黒いシャツを着た男性2人が恫喝に来た例が紹介されています。

文藝春秋の本誌に掲載されているバージョンでは、オランダやドイツの海外派出所によって、反体制中国人へのえげつない嫌がらせや恫喝・脅迫、果ては実際に人を向かわせて殺害予告をさせているなど、驚愕の実態が描かれています。

一国の公的機関がやることとはとても信じられないような、粗雑で暴力的なことが平然とおこなわれていることに驚きと恐怖を覚えます。

そこに感じる中国らしさ

……「一国の公的機関がやることとは、とても信じられない」と書いたばかりですが、その「一国」の部分に「中国」を当てはめると、それなりに腑に落ちてしまうというのが正直な感想でもあります。むしろ、これは「中国しぐさ」といっていいのではないかという「らしさ」さえ感じるかもしれません。

その「中国らしさ」を僕なりに言葉にすると、それは「ルールよりも実態が優先される」ということと、「「ウチ」の規範への絶対視」ということがあるのではないかと思います。

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