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スマホの料金が安くなると何が起こるのか? 中国の皆さんを見て考える

ふと、日本のスマホ利用料金について気になったので、少し調べてみました。

この調査によると、本体代金を除いたスマホの利用料金は全体平均で月々4,617円。ちなみにMNO4社(ドコモ、au、ソフトバンク、楽天)に限れば5,146円で、この層が最も多いようです。まだMVNO(いわゆる格安SIM)はそれほど普及してはいないんですね。データ通信量は月平均で8.95GB、中央値は3BG程度。思っていたよりずっと少ないです。

さらに、端末の購入金額は60,727円。格安スマホも使っている人はいるのでしょうが、出荷台数のシェアは相変わらずApple、つまりiPhoneが約40%で一強ですし、メジャーとは言い難いようです。

ツイッターにも投げかけてみましたが、たぶん情報感度の高い人があえて本体価格が安いスマホや中古品を2台目として使っているケースが多いのかな、という印象です(このへんの感覚は日本にいないのでわからないんですが、もし間違ってたらご指摘ください)。

通信費もスマホも安い中国

ひるがえって、僕の住む中国ではどうでしょうか。

中国信息通信院という国の研究機関のレポートによると、2021年6月時点でユーザーひとり当たりのモバイル通信への月間支出平均は49.9元。いまの円安著しいレートでも900円ほどです。ちなみに平均データ通信量は12.62GBなので、1GBあたり4元(≒70円)くらいで使えているということになります。

もちろん物価水準や平均給与などが違うので単純な比較はできませんが、生活実感としても「中国のモバイル通信費は安いなあ」と思いながら暮らしています。中国で普段スマホを使っていて、通信量を気にしたことはほぼありません。5年以上前に日本にいた時に、データ通信量の残りをいつも気にしながら使っていた時のことを考えると、雲泥の差があります。

スマートフォンの単価にしてもそうです。中国で出荷台数シェアの高いOPPOやVivoなどの機種は1,500元から2,500元(≒27,000円〜36,000円)が中心です。探せばもっと低価格帯のものもあります。

もちろん高級機種もたくさんあるし、それらのシェアも大きいのですが、少なくとも日本よりスマホの価格帯に選択肢が多いとはいえるでしょう。実際、街を歩いていてもこれらのメーカーのものを持っている人が多いように見えます。

日本も安くなってはきているが

前置きが長くなりましたが、物価水準などを差し引いても中国のほうが生活出費においてスマホにかかる支出の割合は低く、おおむね安く利用できているということが言いたかったのです。

日本でも通信料金には値下げの波が来ており、政策による圧力もあって実際に価格が下がってきてはいるとは思います(実際、すでに先進国の中では安い水準になっているようです)。

SIMロックという囲い込みもやめたことで、日本でもどんどんスマホにかかる負担が減ってきてはいますが、しかしまだ中国のような手軽さには届いていないように思います。

では、日本でも中国のようにもっと料金を値下げして、さらにスマートフォンの選択肢を増やし、さらなるスマホ利用の普及・拡大を図るべきなのでしょうか。

個人的には、限度を考えないとそれはそれで問題が起こるよなあ、と中国の人々を見ていて思ってしまいます。

マジでスマホしか見ていない人々

通信費とスマホ代の安い中国で何が起こっているかというと、当然大勢の人がスマホを持つようになります。そして、みんなどこに行っても何をしていても本当に、マジで、四六時中スマホしか見ていません。

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