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中国は子供のゲームを規制する前に、大人をどうにかしたほうがいいと思った話

先日より、「未成年がオンラインゲームを遊べる時間を週末(金・土・日)に1時間のみ、一週間で合計3時間以上遊ぶべからず」という、香川県や高橋名人もびっくりの規制が中国で実行され始めています。以前より同様の規制は叫ばれていましたが、どうやらいよいよ本格的にやり始めているらしいです。

規制の狙いとしては、子どもがオンラインゲームにハマることを防いで彼らの「健全な成長」を促すことであったり、規模が大きくなりすぎたゲーム産業への牽制であったりと、さまざまなことが言われています。

ともあれ、中国の子どもは振り回されてかわいそうだなあ……と思いつつ、個人的には子どもに対する規制の前にやるべきことがあるんじゃないかと感じています。

それは、大人のスマホ中毒です。

子どもをほったらかしてスマホに没頭する大人たち

ちょうど中秋節休みで嫁の家族と一緒にいるのですが、大人たちはみんなスマホばっかり見てます。

義家族の中で言うと僕から見た義姉の夫が特にひどくて、飯を食う時以外はマジでずっとスマホしか見てません。何をそんなに見るモノがあるのか、と思うくらいです。僕たち夫婦が甥っ子と遊んでやっててもどこ吹く風で、ニュースサイトかなんかを見ています。

「まだ子どもがいない僕たち夫婦に子どもと触れ合うチャンスを与えてくれてるのかな」とか、「普段ずっと一緒にいるから、たまには子育てを離れてゆっくりしたいのかな」とか好意的に解釈するようにしていたのですが、それも違うようです。

僕らがいない時も代わりにおじいちゃんおばあちゃん(僕から見た義父母)に遊んでもらっていて、やっぱり義姉夫はスマホを見ているようですし、そもそも義姉夫婦と甥は基本的に離れて暮らしていて(祖父母に預けられている形)、週末くらいしか触れ合う機会はないはずなのです。何を考えてるんだ。

一番ひどいと思ったのは、ある天気が良い日に甥を外に出て遊ばせていた時も、義姉の夫はずっとスマホを見ていたことです。おい、炎天下に外に出てきてまでスマホかよ。僕が心底から憎しみ続けてきたサッカーボールを相手に慣れないなりに奮闘しているというのに、親であるお前が一緒に走り回ってやらなくてどうするんだ。ていうか僕と同い年なのになんでそんなにハゲてるんだ。たまには生えろ。

などとイライラしていたのですが、どうやらそれ以外の大人たちを見ていても似たような感じでスマホに没頭しています。外で遊んでいる時に近所の子が寄ってきて一緒に遊んだりしていたのですが、その子らの親もみんなスマホ中毒っぽいんです。子どもなんかロクに見てません。

「もし子どもがケガしたらこいつら全力で僕に責任を押し付けてくるんだろうな」と勝手に不愉快になり、サッカーをやるのも過去の憎悪が蘇ってきて相当のストレスだったので、外遊びは早々に切り上げました。

僕自身、1日にTwitterを27時間やるようなツイ廃だった時期もあり、あまり彼らを悪し様に言えるほど立派なものではないのですが、子どもをほったらかしてまでスマホに没頭するかね……? と疑問に思いました。

ちなみに、拼多多というECサイトには「親が子どもに範を示すために読書しているフリを装いつつ、隠れてスマホをいじるための本型スマホ入れ」というふざけたガジェットまで売っています。そこまでするか。

夕涼みBBAが持っているものの変化

他にも、現代中国人のスマホ中毒を感じるようなことがあります。それは、外で涼んでいる老人のもっているものです。

中国の暑い地域のマンションなんかで暮らしていると、夏場によく年配の女性が廊下に小さな椅子を置いて座っていることがあります。家の中にいると暑いが、かといってクーラーをつけると体が冷えてしまうから、外で涼んでいるというわけです。

こういった年配女性がやっていることといえば、少し前まではうちわでひたすら仰いでいるか、葉物の野菜の下処理をしていると相場が決まっていたのですが、近年はそれがスマホに置き換わっています。

観察していると、とても器用にスマホを操作しながらTikTokや快手などのショートムービーアプリを延々と爆音で見ていたりします。老人にもスマホが普及しているのはいいことですが、それってこういうことのためだっけ……? と一抹の疑問が湧いてきます。

ともあれ、中国のスマホ依存、ひいてはインターネット依存は子どもなんかより大人の方がよっぽど深刻ではないのか、と思うのです。

しかし、どうすればいいのか

世界中どこでもそうだとは思いますが、この手の「スマホ依存症」が危険だとする風潮は中国にもあります。「スマホ中毒はこんなに危険」などと煽る官制メディアの記事なんかは、探せばいくらでも見つかります。

ただ現状を見るかぎりこれらに関して市井の人はほとんど問題視していないし、大人相手に「教育に悪い」というお題目で規制をするというわけにもいかないから、対処も難しそうです。

いまさまざまな業界・分野で規制の波が押し寄せていますが、この「スマホに夢中になる大人たち」の問題にもなんらかの形でメスが入れられることになるのでしょうか。今後も注目していきながら、自分もスマホに耽溺しないように人の振りを見て我が振りを見直していこうと思います。

それではまた。

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