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報道では見えない、身近に感じる中国のデフレの話

中国での不景気やデフレが盛んに報じられるようになりましたが、日本の報道に出てくるデフレの話には「ん?」と思うものがたまにあります。

たとえばショッピングモールがガラガラという話ですが、中国でテナントも客も入らず薄暗いまま放置されているモールは珍しくありません。

後先考えずに建てたはいいが、実需が全然見合ってなくて廃墟化し、しかも公金が絡んでいて潰すに潰せないハコモノがそこかしこにあります(日本も通った道ですね)。つまり、モールがガラガラなのはいまに始まったことではありません。

あと、「激安店が人気」という文脈で北京の「3元朝食店」が取り上げられているのを複数見かけましたが、これも値段だけ見れば中国ではそこまで飛び抜けて安いということでもなさそうな気がします。前からそんなもんじゃない?という気がしなくもありません。

上掲動画2:53より

たとえばこの画像は上の動画から抜粋したものですが、約210円ということはだいたい今のレートで10元くらいです。10元で食べられる朝食というのは、中国においては全然普通です。大都会たる北京の物価水準からすれば安いとは言えそうですが、驚くほどのものではないと思います。僕はこの前、10元以内で2人分の朝食を買いました

少し調べてみると、この激安店として取り上げられている「南城香」というチェーンは確かに出店数を伸ばしているようですが、単なる低価格だけではなく安い朝食をエサにしてそのほかのメニューで高単価を取る戦略で伸びているようで、決して激安だからみんなが飛びついているだけというわけでもなさそうです。

このように、日本の報道に見られる中国のデフレの実像は、個人的には生活者の実感からすると、ちょっと芯を外しているかも? と思えるものが多いように思っています。

いっぽうで、やはり個人としても不景気やデフレの波は感じる部分はあります。以下では、生活者として身近にある、デフレを感じさせる出来事について買いていきたいと思います。

①物価上昇が止まった

暮らしていて思うのは、モノの値段が「下がった」というよりは、「上がるのが止まった」ということです。これまで僕が住んでいるうちに、中国では毎年のようにいろんなものの値段が上がってきましたが、それが完全に止まった実感があります。

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