異文化と適応、僕と中国の関係

こんな記事をTwitterで教えていただき、ものすごく心に刺さりました。今日はこれを読んで感じたことを書きます。

この記事によると、異文化への適応には5つの段階があるそうです。以下にまとめます。

第1段階:異文化との接触の段階
異文化に接触したばかりの状態。異文化への新しい発見に胸を躍らせ、同時に自分の信念も崩れておらず、自身を持って行動できる。

第2段階:自己破壊の段階
自文化と、異文化の違いが気になり始め、混乱する段階。自分とは違うという意識が増して、自尊心を失なったり、どの様に行動していいかわからなくなる。

第3段階:自己再統合の段階
さらに混乱が酷くなり、異文化に拒絶を感じる段階。相手の文化の人たちをステレオタイプ化、悪口を言うなどする。
この段階で、自分の文化へ戻るか、以前の表面的な付き合いに戻るか、あるいは文化の差をうけとめて、新しい現実に対処していくかを選択することとなる。

第4段階:自律の段階
第3段階を乗り越え、文化の違いや共通点をありのままに認めることができるようになる。リラックスや共感を取り戻し、柔軟に対応できるようになる。

第5段階:独立の段階
自分がどの様な文化に影響されているかを把握できるようになったため、状況に応じて、どちらの文化の行動パターンをとるかを選択したり、新たな行動をとることができるようになる。

上掲記事をもとに筆者が要約

これを見て、まるで自分の辿ってきた道程をそのまま見ているかのような気持ちになりました。

最初に中国に出てきたころは、万能感のようなものがありました。「海外にいる自分ってスゴいかも」という自尊心が湧いてきて、毎日が楽しかった覚えがあります。身の回りにあるものはすべて新鮮で、しかもそれを肯定的に捉えることができました。これは上でいう①の段階です。

しかし、ある程度中国との「つきあい」が長くなってくると、そんなにいいところばかりでもないということに気づくようになります。そうすると、それまで自分を支え得ていた自尊心が失われてきます。同時に、それまでの反動として中国の悪いところが目につくようになり、これはおかしいんじゃないかと思うことが増えてきました。これは②と③の段階です。

そういった葛藤の時期を脱出すると、違いを消化し、是々非々で物事を見れるようになってきます。そうすると気持ちが楽になり、「日本的な自分」と「中国的な自分」を使い分けられるようにもなります。中国というものを自分の体内に取り込み、再構築することができた状態とでもいうのでしょうか。これが④と⑤の段階です。

まさにこうした心の変化を経て、いま僕は中国に居続けています。

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同時に、記事にはこんなことも書いてあります。

滞在期間が長期間の場合、生まれ育った文化で築いた、「自分」という土台部分のアイデンティティーに、深いレベルで揺らぎが起こることがあるそうです。そうすると、精神的危機を引き起こすこともあります。

新しい文化にうまく馴染んで、その国に溶け込んで暮らし、家族もできて、数年間はなんの問題もなく生活していた人でも、あるとき、配偶者や家族との思わぬいきちがいで、心が混乱することもあります。

そんな時、相手の国や人へ反感を持って批判をしたい気持ちになったり、何もかもがいやになったりして、不安や疲労感、あせりや憂鬱、心身共に大きな負担がかかることもあります。

上掲記事より

これを踏まえて、いま中国にいる自分はどんな状態なのか、改めて考えることにしました。

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