筋肉のリリースだけでは姿勢不良は治らない
姿勢改善のアプローチはどんなものか
一般的に姿勢改善と聞くと拘縮した筋肉をリリースして骨格調整をするみたいなアプローチをされることが多いです。
もちろん、それによって一時的に改善することは往々にしてあります。
しかし、根本の原因にアプローチをできているかと聞かれる「う~ん、ちょっと足りないかな」というのが正直なところです。
結論
根本的に姿勢改善をするなら「前庭覚」もトレーニングしろ!
『筋肉に対するアプローチだけでは根本原因の解決にならない理由』
拘縮した筋肉のリリースによって円背姿勢が一時的に改善することはもちろん起こりますし、非常に有用なアプローチの一つであることに間違いはありません。
しかし、筋肉はあくまでもインプットされた情報のアウトプットツールです。
例えば、歩いている時に目の前に柱があるとします。この時、視覚から「目の前に電柱がある」というインプットが脳に入力され、その電柱を避ける動きをアウトプットします。
これは身体におけるインプット・アウトプットの一例ですが、アウトプットツールである筋肉だけにアプローチをしてもなかなか原因の解決にはなりえないと言えます。
もちろん筋肉にも固有受容器が存在するため、完全にアウトプットだけのツールというわけではないので、筋肉からのインプットも十分に行えるのですが、姿勢はもっと複雑な要因によって制御されています。
『前庭覚と姿勢の関係』
前庭覚とは
身体に対する傾きや揺れ、加速度、回転方向、重力方向を感知する感覚器のことです。
前庭覚には 三半規管 耳石器 の2つがあります。
三半規管・・・前半規管・後半規管・外側半規管3つの半規管があり、主に回転方向の加速を感知しています。
耳石器・・・耳石器には卵形嚢と球形嚢があり、主に直線方向の加速を感知しています。卵形嚢は水平直線の加速度(前後・左右の動き)を、球形嚢は垂直直線の加速度(上下の動き)を検出しています。
『前庭による2つの姿勢調整』
前庭には2つの姿勢制御があります。
「反射依存型適応」
脳幹によって処理される不随意的な姿勢制御のこと
つまり、日常生活の無意識下の姿勢をコントロールしているのが「反射依存型適応」になります。
「状況依存型適応」
大脳皮質によって処理される随意的な姿勢制御のこと
例えば、野球のピッチングフォームなど、運動を行う時に意識的に姿勢をコントロールするのが「状況依存型適応」になります。
このように前庭覚は姿勢制御において欠かせない感覚受容器になります。
しかし、前庭覚の活性化だけではまだ姿勢制御には不十分なんです。
ヒントは「バク転とバク宙は何によってその違いを認識しているか」
前庭覚だけでは、後ろに回っていることしか感知できません。
ではこの時に何が働いているか…
また次回お伝えしていきます!
『まとめ』
●筋肉のリリースだけでは姿勢の問題は解決できない
●姿勢不良を根本から解決するには「前庭覚」のトレーニングは欠かせない
前庭覚だけでも姿勢制御は難しいことや具体的な方法はまた次回お伝えしていきます。
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