【好きな作品】文字通りの波瀾万丈、仮面ライダーXを語る
少し前にYoutubeで配信され真骨彫が発表された仮面ライダーX。
真っ先に予約するぐらいにはXライダーが好きなので改めて好きな部分とざっくり振り返り。
シリーズ一?波瀾万丈のライダー
何と言っても容易に汲み取れる制作側の苦悩と試行錯誤。
ベタな路線変更は何となく察してしまうがXライダーはこれでもかと最初から最後までたっぷりジグザグ走行。
テンプレ展開をうだうだやるよりかは退屈せず返ってこの変遷が一周回って楽しめる。
○序盤…放送前から路線変更
まず何と言っても神ステーション。
秘密基地として1話で仰々しく披露され従来のライダーと違うアプローチだな…と思ったら翌週まさかの爆破。
どう考えても大人の事情だろうしあまりに急すぎて何度見ても笑ってしまう。
謎の立ち回りをしていたヒロインの涼子と霧子。
婚約者の涼子に何故か命を狙われると同時に瓜二つの謎の女が現れる。
後に双子の妹霧子だと告白するわけだが…すごい煩わしい。
「ごめんなさい、今は言えないんです…」
「いつか笑って話せる日がきます」
んな訳ないだろ親死んでるんやぞ…
この涼子と霧子のドラマはただただ引き延ばしされてるように感じてさすがに面白くなかった。
従来の動植物モチーフから離れた神話モチーフ怪人。これは面白い着眼点だと思った。
初代マンの感想でも触れたが同一モチーフが量産されるとかえって印象が薄れる。
唯一無二のデザインは記憶に残りやすい。特に鳥人イカルスの飛び降りは衝撃的だった。瞬間湯沸かし器のアキレスも好き。
この頃の特撮の変わった部分で放送前に路線変更。
既に制作したものをスポンサー等を対象に試写会で観せる
↓
感想・意見を汲み取ってテコ入れ
なので試写会の段階で路線変更が決まり放送後に急転換、が割とあるそうな。
○中盤…ありがとうアポロガイスト
霧子涼子の退場と入れ替わりでシリーズ初のライバルキャラクター:アポロガイストが登場。
これまでの大幹部のようにアジトで高みの見物や怪人に指令を出すではなく、積極的に現地に赴いてはGOD怪人の作戦進捗を管理したり自らXライダーを妨害したりとかなり行動的なポジション。
度々顔を合わせるからこそ退場回の口撃がまた映えるし決戦はより見応えがあった。
割と気持ち良く退場したのだが間を空けずになんと強化改造され再登場。
再びXライダーの前に立ちはだかる…と思ったのだが正直これといった目立つ立ち回りもなく、むしろ復活前より見通しが甘く思慮が欠けているような気がして印象に残らなかった。単純に
場数を踏んだXライダーが成長したのもあるだろうが。
おまけに強烈だったGOD怪人による作戦も怪奇テイストで二番煎じのゆる〜い回。
ずるずるとそのまま二度目の退場回を迎えてあっさり散った印象。
元々アポロガイストはそのまま退場して新たな幹部を用意するつもりだったが予想以上に人気が出た為続投させることにしたんだとか。
個人的には新幹部路線でも良かった気がする…この流れはどことなくアグルV2を連想させる。
とはいえ復活前は物語の点火剤として見事だったアポロガイスト。作中の活躍だけでなく演じる俳優さんの打田さんの裏話も魅力的だから憎い。
Xライダーに変身する神敬介を演じた速水さん。前作V3がとんでもない人気を博したものだからスタッフは次回作のXライダーに異様に熱量を注ぎ込んでいた。今ならパワハラとも捉えられそうな「しごき」というやつだ。
途中ライダーお馴染みおやっさんこと立花藤兵衛役の小林さんが撮影に入ることで演技のアドバイスなど精神的負担が軽減され、更に改善されたきっかけがアポロガイストの打田さんだった。
速水さんと打田さんは同年齢。
スタッフと馴染めなかった速水さんが打田さんから伝授してもらった方法が「飲みに行くこと」。
まさかの飲みニケーションである。
この助言を受けた速水さんがスタッフ全員を誘った翌日から態度が一変、すっかり関係が改善されたという…
その後も速水さんと打田さんの家が近いことから頻繁に交流したりとアポロガイストとしても俳優:打田康比古としても仮面ライダーXという作品の救世主であったわけだ。
この裏話を知った後だとアポロガイストの最初の退場回、強烈な狂い虫作戦の14話でのライバル同士のやりとりがこれまた魅力が深まり互いに生き生きしているのを感じる。
○終盤…チェーンメールとベスト1位の客演
再生アポロガイストが敗れ現れる巨人:キングダーク。ライダーで巨大なキャラクターを出すのは衝撃的。
更に神話怪人も入れ替わりで歴史上に実在した人物をモチーフにしたGOD悪人軍団が登場。相変わらずヒトデヒットラーのはっちゃけ具合にはヒェッとなる。
他にもガマゴエモンやカブトムシルパンなど神話モチーフから離れたとはいえ唯一無二のモチーフであることに変わりないので印象強い。
終盤の大きな展開といえばRS装置の設計図を巡る争奪戦だろう。後の仮面ライダーオーズのメダルを連想させる争奪戦。
更にはV3やライダー2号も駆けつけてくるのだから熱い!視覚的にもわかりやすい設計図争奪戦のストーリーは大好きだったりする。
ただどうしても思ってしまうのがやっぱり呪いの手紙、チェーンメールと化してるよなと…
設計図を受け取った死期が近い科学者がその辺の子どもを連れ込み眠らせた間に特殊光線で背中に焼き付ける、と全く関係ない第三者にまで波及してるのはおいおいと笑ってしまった。
そんなに渡したくないなら燃やせばよかったものを。
もう一つの大きな展開は勿論Xライダーの「大変身」!
前作主人公のV3:風見志郎が駆けつけるだけでなく、強化アイテムのマーキュリー回路を使って現行主人公をパワーアップさせるのだから熱くならない訳がない!
昭和ライダーは等身大ヒーローである以上顔出し客演の機会と良い扱いが多いのだが、「劇場版ではないテレビシリーズで前作主人公がパワーアップに協力する」というのが客演回で個人的に大好き。
客演の理想とすら思っているので丸パクリでもよいから似たような展開をまた何かしらで拝みたい…
マーキュリー回路を装着し強化されたXライダーは大変身と新必殺技:真空地獄車を習得する。
突然背後で爆発が起きたかと思いきや怪人の顔面ドアップの「?」、時折イラストで代用しながら新技を炸裂させる。
初めて見た時はあまりにもシュールすぎてかっこ悪いとすら思ったのだが、今から10年?ほど前のアーケード筐体でまさかの真空地獄車が復活。
ゲーム上とはいえ現代風にリメイクされた地獄車の描写は滅茶苦茶かっこよく、技術力が限られた当時はこれをやりたかったのかなと思った。
ディケイド以降も何度か客演してはいるが真空地獄車は実写では未だ復活せず。
技の性質上再現が難しいとはいえ平成のXキックの再解釈が素晴らしかったので是非現代の技術力で地獄車を見たいところ。
その他細かい好きなところ
・「ヒュポン!ヒュポン!」がお好き
何のこっちゃ?と思われるだろうがXライダーで一番好きなのがこの効果音。
Xライダーが通常の蹴り技を繰り出す時だけ吸盤が着脱する「キュポン!」「ヒュポン!」というような独特な効果音がする。あれが妙に好き。
後のスカイライダーの必殺技:スカイキックでは拳銃の銃撃音だったり昭和ライダーの効果音って妙に癖になる時がある。
それと専用武器のライドル。
本編を観るまで形状が変わるのを知らなかったのと、武器持ちの怪人も多かったのでこれまでのライダーでは珍しかった長物アクションが映えるしかっこいい。
ライドルを使う都合上必然的にパンチが減り蹴り技が増えるのでより効果音を聞けるしXライダーの回し蹴りが綺麗。
ライドルに回し蹴りと一度に二度美味しいアクションは大満足だった。
ちなみにコメントや感想を見るまでパワーアップ以降はめっきりライドルを使わなくなることに気づかなかった。
・「Xライダー」の呼称
序盤こそ「ライダーX」と呼ばれることもあるが最終的には「Xライダー」に着地する。
ただ入れ替えただけなのに妙にしっくりくるし愛着がある。
ライダーマンは除いて
ライダー1号、ライダー2号、ライダーV3
からの
Xライダー、アマゾンライダー
そしてライダーストロンガー。
Xとアマゾンのこのしっくりくる特別感が好き。
総括:リブートを望むポテンシャルを秘めた作品
スロースタートではあったものの明確に変化をつけようと制作側の試行錯誤が面白いXライダー。
どうしても人気絶頂のV3と異色でありながらも真髄を受け継ぐアマゾンに挟まれてしまい印象が薄れがちだが昭和ライダーでも好きな作品である。
先に挙げたように波瀾万丈のXライダー、あまり強調されなかった数々の要素だけでなく他にも神敬介とGOD(=神)機関と妙な匂わせがあったり、最終回で唐突に現れた父親の親友を名乗る呪博士。
これでもかというぐらい掘り下げられそうな要素がそこかしこに眠っている。
かつてアマゾンのリブート作品としてアマゾンズが発表された時からずーっとXライダーのリブートを!と渇望していたりする。
その後個人的には嫌いだがラスト数分以外は面白かったBLACK SUNも世間的には好評らしい。
リブート作品の流れが微かに続いている今だからこそXライダーのリブートをどうしても渇望してしまう今日この頃…
勿論所持しているフィギュアーツのXライダー。もう11年前だそうでやはり自立が難しかった。
ライドルが映えるのもあり恐らく昭和ライダーのアーツで一番遊んだ気がする。
ちゃんと付属されているロングポールにライドロープ。
受注中の真骨彫と比較。
可動範囲がかなりせまいので完全に同じポーズはできず。こうして見ると思ってたより違いがある。到着が楽しみだ。
旧素体はどうしようか…
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