隣り合わせの廃と青春50 マグロ漁船
少し時間は遡り、私がTOIを本気で攻略し始めた頃の話。
ちょうど70Fでアイリス狩りをしていた頃だと思う。
Stormに居着いてくれたルシフ氏(キャラクターとしての砂鬼のメインパイロット)が私のことを気にかけてくれるようになった。
思い返すとルシフ氏は本当に良い奴で、掛け値なしのサーバートッププレイヤーだったのに、ちょっとボケているところも実に面白かったものだ。
ちなみにウィザードのプレイが致命的に下手らしく、松本をプレイさせてもらえなくて悲しい思いをしたらしい。
そういうところも愛嬌があって良かったと思う。今も元気にしてくれてると嬉しい限り。
そんな彼がある日、私に魅力的な誘いをくれたのだ。
「TOI97Fで狩りしてみないか?」と。
当時の私はといえば、アイリスが無限に71アミュをくれず、クソゲー!と思っていた頃である。
即答で「行く!」と言ったと思う。
私が目標とするTOIの最上層にはどんな光景が広がっているのか。
ルシフ氏は、「適切な狩りができれば儲かる」と言っていた。それはどんな狩りなのか。
かなり時間が空いてしまって恐縮だが、以下の回で記載した、この仕様を思い出して欲しい。
①スイッチなどの特殊な例を除き、プレイヤーがいる画面内でモンスターはポップされず、そのプレイヤーの画面外ちょっと先あたりでポップされる。
②フロア内のモンスターの数は決まっており、規定数以上はポップされない。
この仕様を利用して、1番ドロップとリスクが釣り合っているナイトバルドを1匹ずつ狩るのである。
イメージはこんな感じ。
ちなみに、あんなに強かったボスであるナイトバルドが1番ドロップとリスクが釣り合っていると述べた理由は以下の通り。
火の大精霊:論外。ワンキル。
水の大精霊:論外。ハメたの出したやつはPKする。
風の大精霊:まああり。ウィンドリングが当たり。
土の大精霊:ハズレ。なぜならアースリングが安いから。
マミーロード:弱体化しても痛いしドロップがクソ。
アイリス:トルネードは打ってくるしドロップがクソ。
ナイトバルド:なぜか召喚もしてこないしドロップもそこまで劣化してない。
当時はナイトバルドがドロップするツルギやパワーグローブ等にそれなりの値段がついたので、数人で行う狩りとしては(経験値を度外視すれば)かなり良いものだった。
なにしろ当時は傲慢の塔バブルの反動でアデン全域のドロップが極端に悪化した頃であり、前衛職ではポーション代で赤字になることすらあったのだ。
この狩りは、準備が面倒なこともあり(ナイトバルドだけを所定の位置まで引っ張ってくる必要がある)、1回行ったら長時間籠ることから、誰が言ったか「マグロ漁船」という名で親しまれていた。
親しまれて…いただろうか?
ともかく、新鮮な風景を見せてくれたルシフ氏に感謝すると共に、新たなリネージュの狩りを見せてもらったような気がして、当時の私はとても面白く感じたのを覚えている。