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隣り合わせの廃と青春53 劇的な変化

前回の記事で紹介したウィザードの新魔法群は、控えめに言ってリネージュというゲームを根本から変えてしまった。

特にイミューントゥハームの性能たるや、本当に開発陣が何を考えて実装したのかをタイムスリップして聞いてみたい気持ちでいっぱいである。
「全てのダメージが半分になる」とか普通あり得なくない?

何しろ、あれだけ危険だったマミーロード戦も、流石にダメージが半減するなら単なる作業に成り下がってしまった。
アイリスやリッチなんて、もはや別のゲームしながらぼーっと倒せるまでのレベル。ボスとは一体…うごごご!!

もっと言えば、前衛キャラのレベルがそこそこ高ければ、レベル45(※1)程度のウィザードと前衛のペアでリッチが食えるようになってしまったのだ。とんでもない。
(※1)当時はレベル上げもしやすくなっており、レベル70の達成者が出てくるくらいだった。日本初の達成者は、皆さんご存知世界終焉憂鬱氏である。素直にすごい。そんな時代のレベル45なんて、本気でやれば1日で作れるレベルである。

これに伴い、捨てキャラにも大きな変化が訪れた。
ポーションを山ほど持ったナイトや、一応エルヴンワッフルを食べて1.5倍速になれてヒールも出来るエルフが勤めていた時代もあったが、ウィザード一択となったのだ。
何しろ、二段加速できて、ダメージ半減が出来て、最高レベルのヒールができて、いざとなれば無敵になれるのだから。
捨てキャラというが、捨てキャラの範疇を超えて、ボスの誘導から前衛のヒールまで全部こなすことが出来る最強のクラス、それがウィザードなのだ。
これを劇的な変化と言わずして、何を劇的な変化と言うのか。

実装された当時は、アブソルートバリアだってイミューントゥハームだってホーリーウォークだって、非常に高額な魔法書だった。こんなに高ければ差もありなんである。
一般プレイヤーが入手するにはあまりにも高額で高い壁だったように記憶していたこの魔法を、我々は、前述の通り共同で捨てキャラにまで覚えさせたのだ。
少なくともカノープスワールドで、ここまで組織立てて動いていた血盟は無かったように思う。

私は前に、「このゲームは先行者利益が莫大なので、それをいかに得るかということが攻略なのだ」ということを述べたと思う。
確かにモンスターのドロップは落ちた。昔のままで狩りをすれば全然儲からなくなっただろう。
しかし我々は、ほぼ無一文から復帰して、新エピソードが実装される頃には、誰よりも組織立てて新エピソードの先行者利益を享受出来る形を整えていたのである。
今でもこれは誇りに思っている。

そして、この「先行者」だけが得たこれらの知見は、一般の人(※2)には全く浸透していない。
そう、著しく難易度が高かったTOIの上層ですら、我々は新しい要素をフル活用することによって、劇的に攻略することに成功したのである。

(※2)この言い方はあまり正しくないと我ながら思う。別にStormの人間だってただのいちゲームプレイヤーであり、特別な部分などは何もない。が、ここでは便宜的に、攻略をあまり進めていない人をこの呼称とさせていただく。

それは、あまりにも大きな動きだった。
前述した通り、ウィザードならレベル50にすらなってなくても、エンシェントローブを着て、イミューントゥハームを覚え、しっかりと操作できるようならば即戦力になれるのである。
これはパラダイムシフトで、Stormでキャラを育てていたウィザードたちが、皆TOIに進出し、ボスの見回りが出来るようになることを意味した。

しかしてStormはTOIの制覇に乗り出したのだが、そこに最大の障壁が立ちはだかるのであった。

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