結婚式

感慨深くなってるステューです🐝
今日は俺の妹の話をしようと思う。

妹とは、小さい頃から喧嘩が多く仲が悪かった。
年に1回連絡を取ればいい方で、実家で鉢合わせた際もほとんど会話しない感じ。俺はあんまり妹のことを良く思ってなかったし、妹もたぶんそうだろう。

仲が悪い理由

仲が悪い理由は何かというと、俺がじいちゃんに比較的優遇されていたかららしい。妹は俺と喧嘩した時に平等ではない扱いを受け続けたと思っている。それが原因で俺は妹から嫌われ、俺も別に好きじゃないので仲が悪くなっていった。
全ては小さなことの積み重ねなんだが、小競り合いはしょうっちゅう起きてた。例えば、俺は10代後半から20代前半の頃は夜中まで外で活動をしていて、帰りが夜中になることが多かった。実家には犬がいたんだが、

妹「夜中、犬を起こすから帰ってくんな！」

みたいな感じだった。犬のために大切な活動の制限を受けるわけにいはいかないので無視していた。お互いいい気はしてないが、しょうがない。
こういうことが、顔を合わせればいつもそうだった。
それが年齢分積み重なっていることもあり、食卓での雰囲気は超絶悪かった。俺は話しかけられてもウザ過ぎて無視し続けていた。

会話をするようになったきっかけ

確か、まともに会話をするようになったのは、父親の退職祝の件で話をしていて母親にも同じように感謝したいという旨伝えた時からだったような。
俺は妹と連絡をとることもなければ、兄らしいことを今までほとんどしたことがない気がする。思い出もあんまりない。人間だということはおそらく理解してもらっているが、危険な兄ということもあり、俺の妹というだけで中高では特に苦労をさせたような覚えがある。大変やな。

割烹料亭でのひと時

こんな仲ということもあり、妹の結婚を親から知らされることになるんだが、俺は旦那さんに挨拶をしようと思い、割と格式高そうな割烹料亭へ。
ここで話した内容は覚えていないが、仲良さそうだった。
俺の外向きな顔をほぼ見ることがないはずなので、俺に対する印象は違ったかもしれない。推測に過ぎないが、旦那さんも聞いてた話とかけ離れていて拍子抜けだったのではないかな。

その後、数ヶ月経って親から結婚式の開催を聞かされる。いつまでも間接的にコミュニケーションとってくる。とりあえず予定を空けて、参加を伝える。俺は出荷されないと思っていたものが出荷されることが確定したので安心していた。

式の当日

式前日から開催地に赴き、連日親族と飲みまくっていた。そして、当日は俺の親族、婿側の親族の顔合わせ、写真撮影、チャペルでの誓いますかイベント、披露宴という流れだった。
チャペルでは、カタコトの外国人の方が「誓いますか？」と聞いてたりしてたんだが、キリスト教を信じているわけではない文化圏で、この儀式が産業化されている光景の”不自然さ”に、苦笑を隠すのがせいいっぱいだった。

披露宴の時、ばあちゃんが、亡くなったじいちゃんの写真を持ってきていて、フラッシュバックした。
じいちゃん「ステューや妹の結婚式まで生きとられるちゃろうかのう？」
とか言ってたような。遂にこいつも出荷されるよ、じいちゃん。
じいちゃんの写真は俺のテーブルの前に置いて、新郎新婦の席が見えるようにした。偶然、欠席者分の食事が余ってたのでじいちゃんに。
ばあちゃんが写真を持ってきてくれたおかげで家族写真はじいちゃんも一緒に写った。
絶対幸せよな。誰も忘れてないよ。じいちゃんが居て、俺たち家族はおる。
申し訳ないが友人や職場の人のスピーチなんか誰も聞いてない。家族と談笑しながら酒を飲みまくっていた。

幸せは身近な場所に

俺は、妹の結婚式がこんなに心が暖かくなるものだとは思ってなかった。
本人が幸せそう、そして家族が幸せそう、意味わからないことも起きまくったが、それも含めこんなに良い式は始めてだった。
何がどうあれ、妹が幸せなら何でもいいんじゃねーかな。
結婚がいいものかどうかは置いといて、結婚「式」はいいなと思える日だった。
そして、「家族の幸せ＝俺の幸せ」に気付けたのも大きかった。
ここで、変わった価値観がある。
それは会社の利益追求型から家族の幸福追求型へ価値観が変化したこと。
俺は今まで、徹底した個人主義だった。というより、それが最短だと思ってたし、「そうすればいずれは」という考えで気付けば個人主義化していたし、思ったより時間が経ってしまっていた。
事業の発展のために自分をコマとして使っていた。金を追いかけてくだらない人間とも付き合い、その後コロナもあり事業も複数畳むことになって非常に疲れ果てていた。喜ばれるサービスをやっているかどうかも自信を持てず、精神もすり減り続けていたが、会社の利益のために一人で背負い続けていた。会社の利益は最終的には自分の利益になるから。

でも、家族が居たことを久しぶりに思い出した。
お互いが元気なだけで、安心し、喜び合えるってのは本当にすごいことだと思うし、この感覚が珍しく感じるような環境に身を置き過ぎた気がする。世間一般では当たり前なのかもしれないが。。。俺はどれだけ疲弊しているのかっていう話。マジで疲れてるんだ。

ということで今後の決断は、会社の利益追求から、家族の幸福を一緒に追求するスタイル。家族の一員としてどうしたいかを主軸に今後の決断をしていくことになるだろう。

The wealth I have won in my life I cannot bring with me.
What I can bring is only the memories precipitated by love. That’s the true riches which will follow you, accompany you, giving you strength and light to go on.
- 私が勝ち得た富は、（私が死ぬ時に）一緒に持っていけるものではない。私が持っていける物は、愛情にあふれた思い出だけだ。これこそが本当の豊かさであり、あなたとずっと一緒にいてくれるもの、あなたに力をあたえてくれるものあなたの道を照らしてくれるものだ。-

STEVE JOBS Last Words

スティーブ・ジョブズというiPhoneを発明した面白いおじさんがいるんだが、この人が言ってるように、人生で思い返してふと感じることのほとんどは客観的事実ではなく、主観的な感情や思い出だ。
資本主義の仕組みに飲み込まれることなく、身の回りの人を幸せにするために戦うことをここに誓う。家族とよくコミュニケーションとろう、家族と一緒に居られる時間を大切にしよう。
幼い頃、お互いにずっと続くと感じられた時間も、本当は限られている。

でもこれは、挑戦を辞めるというわけではない。
戦いは今まで以上に苛烈に、続けていく。ただ、これまでの俺とは違う。
結婚式に呼んでもらえて本当によかった。
何かあればいつでも連絡しろよ。