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勉強はやればできるのか⇒ある条件を満たせば「やればできる」


東大の合格率を平均すると、現役で合格する割合が71.8%。近年どんどん現役で合格する割合が増えているというニュースです。

実は意外に知られていないのですが東大の医学部は、現役の合格率は83.7%と平均より2ケタ以上高いんですね。


「やっぱ東大の、しかも医学部なんて天才ばっかりなんでしょ?」と思うかもしれませんがむしろ東大を例にしているからこそ、「勉強はやればできるものではない」ということが分かる良い例だと思っています(もちろんセンスが大事という話でも無いです)。


なぜ第一志望に不合格になるのか

多くの場合は「実力が足りなかったから」となりますが、じゃあなぜ実力が足りなかったのかと言えば「時間が足りなかったから」と思う場合が殆どだと思います。


ならばあと1年勉強すれば志望校には合格できるのか?

知人が河合塾で働いていたことがあり、聞くところによると浪人で第一志望に合格する割合は大きくても20%、しかも直前に早稲田⇒明治に変えて明治に合格しても第一志望とカウントしていますから実際の第一志望で考えると10%ちょい、というところだそうです。

これは感覚値的にも合っている気がします。河合塾マナビスは現役専門なので近くの河合塾を案内することもりまして、1年後に報告してくれる生徒の話を聞くと第一志望に合格している生徒はほとんどいないです。


この経験からも体感的に浪人しても志望校合格率は10%程度というのは納得しています。

東大の話で言えば、東大を目指すなら高3から始めるとか高2の時点で偏差値が60以下でした、という状況は考えづらく、小・中学生の段階で学習習慣のような独学ノウハウは身に付いていると考えて良いので、少なくとも時間が足りなかったという事態は考えづらいんですね。

じゃあどこに要因があるということなのですが、それは極端に言えば質の問題である、と。


質とは何か

いつも話している内容の通りなのですが

①自分の勉強の強みや弱みを発見して目標を立て

②強みは伸ばし、弱みは潰すように学習をしていき

③本当に伸ばせているのか、潰せているのかを確認し

④確認した結果を基にまた新しい目標を立てる


特に③が出来ている人が非常に少なですが、つまりこの一連の流れを実現できるか、ということですね。勉強=暗記だと考えている場合はこの発想にはならないと思います。

最近だと参考書や塾の質はどこも高いですから、正直に言うと基礎学力(模試で結果を出すこと)は以前より実現しやすくなったと思います。

その反面、模試の結果で安心はできなくなったというか、基礎学力では差を付けることができなくなったから、大学側も問題に個性を出すようになってきています。

その個性を見抜き、対策を立てる力は先ほどの一連の流れの中に詰まっているので、これがないと仮に基礎学力を上げることは出来ても志望校合格までを掴むのは中々難しい。

”やればできる”人たちはどこでその力を身に付けているのか

さきほどちょこっと触れましたが、実は進学校に通っている子たちは大学受験の対策を始める前から既にその能力を持っているんですよ。どこで見に付けていたのかと言えば中学受験や高校受験ということです。

だから進学校は有利なんですね。これまでの積み重ねを活かせていますから。決して才能ではなく。

そういう子たちは”やればでき”ます。あとはライバルよりも高い精度で勉強をしていくだけですが、正直そんな子は受験者全体の5%もいないですから、95%の受験生は”やればできる”体質を作ることから始めていくことが真の受験勉強のスタートです。

どうしても塾の合格体験談とかはこの5%を事例に上げて5%を当然の世界のように見せますが、そこは気にせず「どーぞどーぞ!」と気持ち良く合格のイスを譲った方が精神的にも良いです。彼らに椅子を譲ってもまだまだ合格のイスはたくさんありますから。

ここが出来上がらずに勉強を始めるというか、大きな成果を期待してしまうと肩透かしを食らうことが多いかもしれません。「あんなに勉強したのにちっとも学力があがらない」という具合に。

一連の流れは塾に通ったから身に付くとも限らない

むしろ塾に入ってしまうとスピードを緩めることが出来ないですから、理想を言えば塾に入る前にやればできる状態になっていた方が良い。

そもそも塾はわかりやすい授業を提供することにありますから、「やればできる」を身に付けることは各々次第で個別マネジメントまではいきわたらないです。個別指導も然り。

そうなるとコーチング系の学習塾ということになるのですが、どちらかと言うと殆どのコーチング塾は”進捗管理”が主であり、あまりこういった自立力を高めるところを趣旨とはしていないようです。自立力を高めることは皮肉なことに塾が不要になる、ということですから。

私はそういうフェーズの子たちをなんとかしてあげたいと思っています。逆を言えばそこまで身に付けてしまえば、あとはいよいよ本人の努力次第ですから、サポートの幅も限られてきます。もちろん、より精度の高い学習方法を伝えていくことは出来ますので価値が無いということにはなりません。


もし、今回のお話でギクッと思った方は「やればできる」体質作りから始めていきませんか??

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