[コラム] 言葉の定義は大事です
SNSは苦手です。というより発信を食わず嫌いしてきました。
note には、自らの学びの記録として、感情なく、事実の記録のみに留めてきました。
ふと、ある時点の自分の頭の整理として、少しは感情ありの記録を書いても良いのかな、と思うに至りまして書いてみます。
今日のテーマは「言葉の定義は大事」です
事象は同じ、でも思い浮かべることは異なる
例えば、
「ここに可愛い犬がいます」
・思い浮かべたのは大型犬ですか、小型犬ですか。
・1匹ですか、複数匹ですか。
・犬種はなんですか。
完全に一致する方がいてもおかしくはないですが、異なることを思い浮かべる方も大勢います。同じ "可愛い犬" なのに。
ちょっとした雑談であれば、それも含めて雑談ネタ。笑って楽しい時間が過ごせることができれば嬉しいですね。
でも、これが業務上の会話であったり、身近な人たちとの会話とはいえ「そんなつもりでは言ってない」と揉めることになってしまっては困りものです。ましてや、認識のズレが設計ミスやトラブルに発展してはいけません。
ICTシステムの設計のひと場面の例
*LAN = Local Area Network のこと
私の馴染み深い分野では、情報ネットワーク設計の議論にて。
「LANの冗長化は当然検討してあるんだな」
と言われることがあります。
仮に LAN ケーブルを 2本接続してあるから「検討済みです」と答えたとします。大抵、あとから大揉めします。
何故なら、一言、冗長化と言っても実現手法は1種類だけではないからです。複数を組み合わせることも可能です。たくさん実装すれば良いと単純なものではありません。高額になるし、複雑な設計が運用を困難にする場面も考え得るからです。この話、続きをすると趣旨から外れていくのでこの辺で。
言いたかったのは、前述のようなことがあるので「冗長化とは何を示しているか」を関係する方々同士で一意に決まるよう言葉の定義をできていることが大事、ということです。
言葉の定義=辞書、ってことではない
私が誰かに何かを教える時、タイトルに書いた「言葉の定義は大事」という話をすることがあります。
子供と学校のテスト勉強をしているときの話。問題文に書いてある言葉を見て「これは何を示しているか」と聞いてみたりします。
高校物理を学んだ方はご存知の通り「速さ」と「速度」は違うことを示します。それを気にせず言葉を使うと、採点者に❌(減点)を喰らってしまいますからね。
私は何でもかんでも「この言葉はこれを示す」と決めるべきだ、と言いたいわけではありません。
コミュニケーションをとっている者同士、同じ言葉を使っていても違う意味で捉えることもある。そもそも、そういうものだから、勘違いがあったら双方歩み寄って勘違いを修正していけばいい。自分の言葉が届く人に、違った意味で伝わったら切ないから、「言葉の定義は大事」と思うのです。逆に言えば、その意図、気持ちが伝わってさえいれば良いとも思います。
これ、よく発生するのに修正をサボっちゃうのが家族間の会話。うっかりの言葉の勘違いで拗らせたくないものです。
ムズカシイのは、インターネットの世界。
自分の言葉の届く範囲が、(原理的には)あまりにも広く、遠い。
言葉の定義のすり合わせが追いつきません。
だから、冒頭に書いたように、私は SNS 苦手、発信を食わず嫌いしてきた、のかもですね。
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