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毎月のように"一世一代"はつづく

ここのところの口癖は"一世一代"だった。


2018年、初めての単著となった『beの肩書き』を書いているときもそうだったし、

2017年、春秋社さんで連載「空海とソーシャルデザイン」を再開するときもそうだったし、

2016年、greenz.jp編集長を卒業して、京都精華大学での教員生活がスタートしたときもそうだった。


家族からも「また一世一代?」と呆れられてしまうほど、もはやその響きに深みがなくなってしまいそうだけど、僕としてはそうとしかいいようのない節目が毎年のように訪れている、気がする。

いや、むしろ"毎月のように"といえるかもしれない。何だか拍車がかかっている。星が大きく動いている。


『beの肩書き』から『空海とソーシャルデザイン(仮)』へ

いまの僕にとっての一世一代は、やっぱり出版したての『beの肩書き』だった。大学の春休みにあたる2月、3月(と、4月一週目まで)はキャンペーン強化月間ということで、おかげさまで全国でイベントやワークショップを開催させていただくことになっている。

なかには150名の社会人向け、100名の高校生向けなどもあるので、この約2ヶ月間だけでワークショップ体験者が500名を超えるかもしれない。2017年に書いたひとつのエッセーから、あれよあれよとここまで広がってきたというのは、予想の斜め上を行く展開ばかりなので素直にうれしい。

というのも「greenz.jp編集長」という対外的にわかりやすい肩書きを手放して、それでも「大学教員」としては経験不足でめっきり自信を失って、実のところここ2年はほぼ引きこもっていたから。

そういう意味で「beの肩書き」は、想定外の、何より僕自身のための起死回生だった。


でも、4月以降は、そんな『beの肩書き』からいったん離れることを決めた。そして、新たなる一世一代こそが『空海とソーシャルデザイン(仮)』である。

2013年に『幸福学』を提唱する慶応SDM教授・前野隆司さんの授業で初めて人前でお披露目し、その後はnumabooks内沼晋太郎くんの協力でDOTPLACEで連載をスタートし、2014年には当時、高野山真言宗管長だった松長有慶猊下へのインタビューも実現することになった。NOSIGNERの太刀川くんと一緒に室戸岬に旅をして、素敵なメインビジュアルまでつくってもらえた。



でも、そんな夢みたいな日々もすぐに過ぎ去って、その後の2015年、2016年はまったく筆が進まない。無責任というか、今振り返ってみれば力不足だった自分に嫌気が差しては、できない理由を外に探しつづける日々。

ようやく一筋の光が差したのは、2017年になったばかりの頃、春秋社の楊木さんからの「少し前の連載かと思われますが、今の兼松さんのお考えも盛り込み、一冊の本にしてみたい」というまさかのメールだった。放置されたままの記事がめぐりめぐって発見され、もう一度止まっていた時計の針が動きはじめたのだった。

ソーシャルデザインを追いかけて20年、空海を追いかけて15年、「空海とソーシャルデザイン」という壮大すぎるテーマは、もはや宿命のようなものとなっている。12月には40歳になる僕にとって半生の総仕上げが、"真の一世一代"が、いよいよ幕を開けることになる。


ということで、みなさんに一世一代のご案内です...!

こちらの連載でまとめた上記の「ソーシャルデザイン九会(くえ)曼荼羅」をもとに、書籍用の原稿は春休みにはある程度仕上げていく予定ですが、僕の本はワークショップを体験していただいて完成するものだと思っています。

そこで、4月から8月にかけて、連続講座&ワークショップ『空海とソーシャルデザイン 2019』を開催することにしました。おそらく夏休み頃には出版される見込みなので、今回はその中身を一足早くお届けするものになります。


おかげさまで昨年の連続講座は毎回40名ほどの方にご参加いただきましたが、そこでいただいたフィードバックをもとに、2019年版は

(ソーシャルデザインに興味がなくても)空海の思想を座学で学べる「空海」コース

と、

②(空海に興味がなくても)書籍にもなった「beの肩書き」など、ソーシャルデザインの始め方をワークショップで学べる「ソーシャルデザイン」コース

そして

③両方受講できる「空海とソーシャルデザイン」フルコース

3つのコースを選べるようにしてみました(連続受講の方は、すべて書籍付き! 発売次第お送りします)。



また、キックオフとなる4月5日(金)のトークイベントでは、日本におけるソーシャルデザインの第一人者であり、僕にとってお兄さん的存在であるThink the Earth上田壮一さんと、空海が大好きであり僕にとってまさに盟友であるNOSIGNER太刀川英輔さんをゲストにお招きし、「ソーシャルデザインを成功に導く〈5つの力〉」について語り合ってみたいと思っています。


ささやかな試みとして、一ヶ月前となる3月5日(火)までにお申込みいただくと、最大5,000円OFFとなる早割もご用意してみました。

とにもかくにも"一世一代"なので、みなさんに甘えてしまうことも多々あるとは思いますが、20代や30代前半では言葉にならなかったこと、ちょっと大人になる前の39歳の今だからこそ伝えられることを、しっかりとまとめてゆきたいと思っています。

何か感じるところがあれば、ぜひ遊びに来てください!


はじめまして、勉強家の兼松佳宏です。現在は京都精華大学人文学部で特任講師をしながら、"ワークショップができる哲学者"を目指して、「beの肩書き」や「スタディホール」といった手法を開発しています。今後ともどうぞ、よろしくおねがいいたします◎