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東大地理にも有効な受験地理の基本的な勉強法を紹介!

 前回は自己紹介も兼ねて、noteを始めた動機を書かせてもらいました。今回は、具体的に大学入試の地理という科目で高得点を取るための基本的な勉強法を紹介しようと思います。受験での地理という科目について深掘りしていくので、長くなりますが絶対に損はさせないので、最後までお付き合いください。

地理という科目について

 まず、大学受験の地理という科目に対しての私の認識をお話ししたいと思います。一般論的には地理は社会科目の中で暗記量が少ない科目と言われています。確かに地理に関して暗記の量自体は世界史や日本史に比べて少ないですが、地理は自分で考えて答えを導き出すという側面がそのほかの社会科目よりも強いため、数学などのように定義をしっかり抑えることや、理論を応用すること、誘導にうまく乗ることが大事になってきます。上手いやり方をすれば、コスパの良い科目ということになります。限られた時間の中で努力して結果を残さないとならない受験勉強において、この特性を活かして勉強しない手はないと思います。正しい勉強法でコスパ良く高得点を取ることを目指しましょう!

地理という科目のカリキュラム

 地理のカリキュラムは大きく二つに分けられます。系統地理分野と地誌分野です。系統地理分野は一般的な地理的理論を扱い、地誌分野では各地域、各国の詳細な事情を学んでいくことになります。系統地理分野はさらに自然地理と人文地理に分かれます。系統地理分野が地誌分野を学ぶ上での土台になるので、徹底的に系統地理は固めてください!そうすると暗記のウエイトが大きくなる地誌学習も効率よく進められます。

地理の勉強での目標(大学入試対策において)

 私には地理を勉強する際の目標が大きく2つあります。1つ目は、地理という教科を楽しむことです。私は1年間の浪人生活で、勉強を楽しむということの重要性を強く感じました。受験生としての生活は、長く感じられたり辛いと思うことも多く、モチベーションを保つのが難しいと思います。それでも粘り強く勉強をしていくには、勉強を楽しんだり少しでも好きになるなどポジティブな気持ちで勉強に向き合うことが大事だと思ったのであげさせてもらいました。2つ目は、柔軟な地理的思考力を身につけることです。共通テストを例に、地理的思考力がどのように必要か軽く説明したいと思います。共通テストで社会科を受験する際、世界史や日本史、倫理政治経済、そして地理を選択する人が多いと思います。地理以外の教科と地理を比較したときに大きく異なるのは、全て地理は図表の読み取り問題であるということです。ここが大きなポイントで、地理の問題を解く際には初めて見る問題から必要な情報を抜き取って論理的思考により、正答を導き出さなければならないということです。そこで必要になるのが地理的思考力ということになります。この地理的思考力について、以降で詳しく説明していこうと思います。

地理的思考力とは何か?

 このnoteでは地理的思考力をどのようなものとして扱うか定義していこうと思います。ここでは、大学入試の地理で高得点を取ることができるようになることを重視するので、定義を「地理の問題を自分の頭の中にある正しい地理的理論を用いて、論理的に正答を導き出す力」とします。

 前述のように地理の入試では図表による出題が多くなっています。もちろん国公立の2次試験や私立大学の一般入試では語句補充や文章から情報を抜き取るタイプもありますが、同様に地理的理論の理解が必要で、これもまた地理的思考力が必要ということになります。

地理的思考力を養成するための着眼点、習得すべき考え方

 私は地理的思考力を身につけるための着眼点、習得すべき考え方が以下の4つあると思っています。

①物理的空間位置、地図上での位置を正確に把握すること(正確なメンタルマップを自分の中に持つこと)
②系統地理で扱う地理的理論における定義を正確に抑えること
③系統地理で扱う地理的理論を応用して、その理論を学ぶ際にも具体例として挙げられる地域以外の地域についても正しく考えられること(地誌学習の際に、地域間の比較の視点が必要)
④図表・グラフを見た際に、一つの視点だけでなく多数の視点から正答を導く考え方ができること

以下4点について詳しく説明していこうと思いますが、その前に地理的理論とはなんぞや?となる方が多いと思いますので、まずはそこの説明からして行きます。

地理的理論とは?また、それを学ぶ際の注意点は?

 地理的理論とは、各地理的事象(地形や気候、植生、環境問題などの自然環境、農業、鉱工業、人口問題、産業、人種・民族、文化、生活、紛争などの人間の活動)を分析する際に用いられる考え方です。自然環境を中心に学ぶ自然地理はその成因に、人間の活動を中心に学ぶ人文地理はその背景に注目して学習してください。

①物理的空間位置、地図上での位置を正確に把握すること(正確なメンタルマップを自分の中に持つこと)

 ①について把握しておくべき位置を3つ挙げて説明しようと思います。まず1つ目は、赤道、北回帰線、南回帰線、北緯40度線などの代表的な緯線(東西に走る線)がどこを通過しているのかを把握することです。これらは、「気候」そして気候と結びつきの強い「農業」を学ぶ際にとても重要になります。そして2つ目は、新期造山帯、海溝、フィヨルド、更新世の最終氷期の大陸氷河の分布などの特徴的な地形に関わるものの位置を抑えることです。これらも「気候」、「農業」や「鉱工業」の学習の際に重要です。最後の3つ目は、国の位置を覚えることです。地誌を学ぶ際に地域地誌(アフリカ地誌、東アジア地誌など)の説明の後に取り上げられる各国地誌(南アフリカ地誌、韓国地誌など)で扱われる国の位置は全て覚えてください。どの国がどの地域にあるのか、隣国はなんという国かというような情報がインプットされていないと、地理学習を進めていくのは厳しいと思います。

②系統地理で扱う地理的理論における定義を正確に抑えること

ここでは、具体例を2つ挙げて説明しようと思います。1つ目の例は、氷河の定義です。皆さんは、氷河の定義を聞かれたときに自信を持って答えることができますか?簡単な答えとしては、「高く積もった万年雪において上層の重みにより下層が圧縮されてできた氷」です。この定義をしっかりと抑えられていれば、氷期に豪雪地域で尚且つ一年中雪が解けなかった地域で発達したはずだという見当がつきます。すると、シベリアには氷河が分布しないということが容易に理解できるはずです。定義をしっかりと抑えておくことで、応用を効かせられますし、深い理解を重ねていくことが可能になります。2つ目の例は、人口増加率についてです。人口増加率は自然増加率と社会増加率の和で定義されます。自然増加率は出生率と死亡率の差として定義され、社会増加率は転入者率と転出者率の差で定義されます。このように統計で用いられる数値はしばしば入れ子構造になっており、入試問題では分解された形で出題されたりすることがあるので、そこまで理解して自分で情報を整理して考えることが必要になります。以上2つの例を用いて述べたように、地理においては定義を正確に抑えることが大変重要です。

③系統地理で扱う地理的理論を応用して、その理論を学ぶ際に具体例として挙げられる地域以外の地域についても正しく考えられること(地誌学習の際にも、地域間の比較の視点が必要)

 ここでも具体例を挙げて説明します。この例は位置を抑えておくという話とも繋がります。日本(ここでは北海道を除く地域を考えます)の気候は、日本列島が大陸東岸に位置し、年中湿潤でCfa(温暖湿潤気候)に分類されています。簡単に説明すると、日本列島は海に囲まれているため年中水蒸気が供給されやすく年中降水が見られ(もちろん季節風の影響も)緯度的に温暖となりCfaに分類されています。(ケッペンの気候区分の定義とは異なるので注意してください)これと同様の気候がほぼ同緯度のアメリカ東岸もCfaが分布しています。これは緯度帯が近く、大陸東岸に位置し、中央平原という大きな平野が広がっているので水蒸気が供給されやすく年中降水が見られるため、日本と同様のCfaが分布しています。この事実も緯度帯、大陸の東岸・西岸のどちらに位置するか、周辺の地形(平野が広がるのか、山脈があるのか)を意識すれば推測できるのです。これを地理的理論の応用として扱います。応用の力は地誌学習の際に非常に重要になります。地誌学習では各地域の一般的地理的理論との相違点などを意識して学習することで定着度もコスパも高めることができます。地誌学習に関しては、また別の機会にも深掘りしたいと思います。

④図表・グラフを見た際に、一つの視点だけでなく多数の視点から正答を導く考え方ができること

 共通テストの選択式の問題を例にするとわかりやすいのですが、統計の問題が出題されて、アメリカ、中国、オーストラリア、ニュージーランドの4つの国の輸出入に関する統計で、輸出額や輸入額のほか上位輸出品目、輸入品目が与えられていて統計と国との正しい組み合わせを答える問題があったとします。ここで答えを出す時の考え方はいくつかあります。まず、貿易額が大きい二つが中国とアメリカで、赤字の大きいものがアメリカ、もう一方が中国と判断し、残りの二つで貿易額が大きい方がオーストラリア、小さい方がニュージーランドと判断することができます。長くなるので具体的には書きませんが、輸出品目からもそれぞれの国を判定することができます。このように同じ問題に対して複数のアプローチで正答を導き出せる視点、視点を変えて考え直すことができることが重要です。

まとめ

以上のように長文となってしまいましたが、これでも特に大事なことに絞って書きました。今回あげさせてもらった4つのポイントに関しては地理が得意になる上では必須だと思うので、わからないところわかりにくいところなどあれば、コメントしていただければ返信したり、別の記事で扱ったりできるので遠慮なくお願いします。今後は「市販の参考書でどの参考書をどう使えば良いか」「高得点を取るための共通テスト/東大の2次試験の地理の問題の解き方」などを紹介していこうと思っているのでぜひ読んでもらえればと思います。励みになりますので、記事にいいねしてもらえると幸いです。では、また近々アップする記事でお目にかかれればと思います。

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