予後不良な脳腫瘍の治療に向けて
こんばんは。
今日扱う論文は、全く無知の分野だったので、今回内容についてあまり深く突っ込めません(オイッΣ(゚д゚lll))。
「予後不良な脳腫瘍の治療に向けて」というお話です。
プレスリリースはこちらから↓
超初歩的なキーワードだけ拾っていきます。
神経膠腫という脳腫瘍
今回メインに出てくる病名は、「H3 K27M 変異型びまん性正中部神経膠腫」というものです(長っ!)。
英語表記にして頭文字を取って、「DMG」と読んだりします。
これは神経膠腫と呼ばれる脳腫瘍の1つです。
脳は神経細胞によって、複雑なはたらきをしております。
神経細胞とは、そんな脳内での情報の伝達と処理を行う細胞です。
そして、そのはたらきを手助けしてくれるものを神経膠細胞、別名グリア細胞と呼びます。
この神経膠細胞にできる腫瘍のことを神経膠腫と呼びます。
今回のメインとなる「DMG」は、小児期や若年成人期に脳幹部や脊髄などの中枢神経に発生することが多く、手術が困難かつ予後が極めて不良です。
予後が不良とは?
「予後」というのは、病気にかかった人について、病気の経過と将来的な状態に関する医学的な見通しのことです。
例えばインフルエンザの場合、薬を処方して数日後に熱が引いて、その後2日間は経過を見てから会社に行ってねー、っていうやつです。
で、この予後が不良とは治療を行っても、将来的な見通しがかなり悪い、ということです。
理由はこの病気について分からないことが多く、根本的な治療法が未だに確立していないからです。
脳幹部の腫瘍ですので、手術をすると機能障害を残してしまいます。
標準的な治療法は放射線治療ですが、再発する可能性が高いようです。
さらに厄介なのが『予後不良因子』と呼ばれるものが未だに見つかっていません。
「どういうこと?」というと、今の状態が良好なのかあるいは不良なのか判断する材料がないということです。
そのため、一年後は死ぬかもしれないし、生きてるかもしれないという五分五分の予想しか言えません。
せめてそこの判断材料だけでも分かれば、病気が悪くなるメカニズムの解明につながり、新しい治療法の発見につながると思われていました。
今回の研究でようやくその一つが明らかになりました。
とある遺伝子の周辺で異変
もともと、この病気の要因となる遺伝子はすでに見つかっていて、その遺伝子を「H3F3A」というようです。
こいつが変異することで、「DMG」が発生するようです。
「え、じゃあ原因分かってんじゃん」というと、そんな単純な話ではなくて、どうも15パターンもの方法で「H3F3A」さんが悪さをすることで、発症しているようです。
そのため、厳密にこれだ!というのがなかったのですが、15パターンのうち4パターンを解析したところ、その「H3F3A」さんの周りで共通の異変が起きていることが分かりました。
その異変が起きると予後が不良、つまり将来的に悪い結果になるという判断ができます。
同時に、その異変を細かく分析していけばメカニズムの解明につながると考えられます。
神経膠腫の確定した治療法に向けて、さらに一歩進んだ研究だと思います。
それでは本日は以上となります。
最後までお読みくださり、ありがとうございましたー。
【おまけ】
この論文、概要を把握するだけで四時間ほどかかった…
ただ、今回すごい!と思ったのがこの論文なので、挑戦してみたらじぇんじぇんまとまりましぇんでした(;ω;)
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