マレーシア母子留学・母国語について考える
普段、当たり前に使っている言語。一般的に日本では日本語しか話されないので、国語の点数くらいしか意識しませんでした。
でも、マレーシアで育つ子どもを見ると、日本にいる時のようには言語習得ができないことに気づきます。
長男
8歳で渡馬。
2歳頃まで中国にいたが、日本で6年ほど過ごしているので、下地がある。
年齢相応の語学力は持っている。
ちなみに、綺麗な中国語の発音だったが、幼稚園に通い始めると中国語単語を嫌い日本語のみになった。
今は全くできない。
幼児の言語はその程度なのである。
長女
6歳で渡馬。
日本で過ごしたのは長男と同じ6年。大差ないと思ってはいたけど、個人差に加えて幼稚園までだと、語彙数が圧倒的に少ない。
日本人学校に通うも、限られた人数の中での生活のためか、言葉を知らないと思うことが多々ある。
英語で先に習得した言葉もあり、英単語が出てきても日本語が出てこないこともある。
次男
2歳で渡馬。
2歳の誕生日直前にマレーシアに来た。当時、日本語での話は理解していたものの、難語しか出てきていない。
日本での記憶はほぼなく、多言語生活が当たり前となっている。
言語能力
言葉は早ければ早いほど習得する。これは本当で、マレー語のボキャが1番多いのは次男だった。
彼の園は英語メインなのだが、友達や先生のやりとりをなにげに習得している。
しかし、日本語に触れる機会が少ないため、ボコャブラリーは一向に増えない。
言いたいこともすんなり出てこない。同年代の友達とのやりとりが皆無なのである。
少ないボキャであるが、1つの単語や動詞を日本語、英語、マレー語の3言語で並行して覚えてはいる。
3歳を過ぎた頃から、先生が英語かマレー語で言ったことを、日本語できちんと説明してくれるようになった。
第一言語
柱となる第一言語がしっかりしていないと、第二言語、第三言語は伸びない。
第一言語が幼稚園児レベルだと、第二言語も第三言語も幼稚園児並みになってしまうのである。
かなり意識しないと、家の中で普段使う言葉は限られてしまう。
そして、第一言語として確立するには、17歳までは同じ言葉の中にいる方が良いそうである。
本の読み聞かせ
我が家は7年ほど読み続けている本がある。
「頭のいい子を育てるおはなし366」
これは長男が幼稚園の頃から読み出した本で、修復もこれ以上できないほどボロボロの本だが、大事に使っている。
◯月◯日と指定されているので、3年読めば同じ話が3回聞ける。
1年目では聞き流していた話も、2年目、3年目になると年齢と共に少し理解し始めるようだ。
長男にはもう読んでいないが、現在は次男に読んでいる。
長男と一緒に読んでいた長女は、2歳差の理解力は劣るので、分からないまま聞き流していたようだ。
今も次男と一緒に聞いている。
色々な話が入っているので、日常では使わない言葉や、正しい文法の文書を繰り返し耳に送り込むにはよいと思っている。
文化と感覚の違い
「悪いねぇ。ありがとうねぇ」
こんな台詞を読んだ時に、次男が聞いてきたことがあった。
「ありがとうなのに、なんで悪いの?」
確かに。
そのまま英語にすると、sorry thank you となる。
でも、こんなのは学校では習わない。
振り返ると、祖母がよく使っていた気がする。
母もありがとうの代わりに「悪いね」という。それをありがとうと受け取っていた。
なんというのか、この感覚が次男にはないことが分かった。
日本語の表現方法には、彼が理解できないことが多い。
その度に、なんでこういう言い方をするのか、習慣や心情を説明してはいるが、理解には繋がらない。
時には英語やマレー語を取り入れて説明する方がしっくりいっているように感じる。
逆に、長男は人に声をかける時、
「sorry」と切り出す。
本人には違和感がないのだろうが、「すみません」と言いたいのだと思う。
切り分けるのも融合するのも難しい。
グラマーを鍛える
長男と長女が日本で通っていた英語クラブ。
オーストラリア人の先生だったが、彼のクラスはひたすらフォニックス漬けだった。
年長になる頃には、box fox six 程度の単語の読み書きができた。
言語が好きな長男は、off on など、日常目にするものに興味を示し自分で読むようになった。
小学生に上がると、ひたすらグラマー。
「英会話を習っても、やめちゃったら忘れるよ。日本にいたら英語つかわないでしょう。だから、まず、フォニックスとグラマーをやりなさい。」
というのが先生の意見。
マレーシアに来て、長男と長女は英検を受け始めた。
5級から順に受けて、現在は下記を取得。
長男 小6は準二級
長女 小4は三級
三級のグラマーは日本語の文法を築くのにも役立ったような気はする。
アニメも役に立つ
日本語の本が手に入らないので、Kindleでコミックを定期的に買っている。
上の2人は楽しみにしているのだが、比喩や四字熟語などを習得する機会が増えた。
アニメだと聞き流してしまうが、マンガは活字で漢字にルビがつく。視覚的にも覚える。
気になると調べる。
ボキャの少ない長女には、いい教材ではある。
幼児期の変化
3年前、2歳当時、日本語しかない世界にいた次男は、家から出ると怖い、と一歩も地面に足をつかなかった。
2歳半でローカルの保育園に入る。華人オーナーとマレー語、英語を喋る2人の先生、3人の先生がいた。
園は英語をメインにしながらも、マレー語、中国語の授業があった。
中国語のクラスがあった日は、帰ってきてから「加油、加油」と言いながら1人遊びをし、マレー語のクラスの日は「bole bole」と遊んでいた。
3歳になる時に閉園してしまい、仕方なく転園。
英語のみの園だったが、ローカル園だったため、半年くらいすると
「彼はマレー語がしゃべれるのね!」と先生から言われて驚いた。
4歳を過ぎると、友達の会話からマレー語をかなり習得してきた。
私の知らない単語もバンバン出てきて、日本語で説明してくれるようになる。
5歳少し前。
絵を描くことにはまり、適当にアルファベットを並べて名前をつけるようになった。
目にしたものを模写するので、簡単な漢字やカタカナ、ひらがなもmixされている。
ただ、柱になる言語は日本語となったようだ。
日本語の語彙数が少ないので、全ての言語がそれなりでしかない。
ひらがなは特に、とめ、はね、はらい、が出来ないと図形になってしまうので、特に教えてはいなかったのだが、ここからどう教えていくのかが課題。
長男が経験してきた6年間の日本の小学生教育を、家だけで行うのは限界なので、次男の日本語教育が課題である。
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