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社交ダンス業界 今後のゆくえ考

こんにちは。
もう9月になるところですが、まだまだ毎日暑いですね。なんだか今年は多方面から「暑さが異常」と聞きます。
沖縄の方からも「今年は沖縄も暑い」という声が。

沖縄こそ暑いんじゃないの??
と思う人が多いかもしれませんが・・・
天気予報の気温を見るとよくわかりますが沖縄の気温って本土より最高気温低いんですよね。

こんなときは沖縄が懐かしくなってしまう・・

ということで前置きは以上にして

今日のタイトル「社交ダンス業界 今後のゆくえ」
について日頃考えていることを一度記事にまとめてみようと思いました。
予測と期待を込めた内容です。


かつての社交ダンス

社交ダンス界がもっとも隆盛だったのはおそらく1980年代ごろではないかと思います。

私が沖縄で活動していた頃も、

「大学時代にダンパで資金造成していた」
「青年会のダンスパーティがあった」
「若いころにダンスホールによく出入りしていた」

と言って、懐かしの社交ダンスをもう一度やりたいという気持ちで門をたたいてくれた方が多くおられました。
その多くが大体50代後半~60代の方でした。
ちょうどその方々が20代を過ごしたのが80年代ごろというわけですね。

当時の若者にそういったダンスビジネスを提供していたのは、当時の30~40代ごろの皆さんなので、ちょうど70代、80代の方々もダンスにはどっぷりの世代。

つまり今の50代以上の方々は割とダンスに慣れ親しんだ方が多くいます。
お話を聞く中で、社交ダンス隆盛時代というのは、みなさんエンタメとして自分たちが踊ることを楽しんできたんだなというのを感じます。

競技ではなく、ダンスホールやお手軽なダンスパーティでのお話が主でした。

なぜ社交ダンスは衰退したのか?

現在40代の私がダンスを始めた20代のころ、テレビの影響もあって、私の目に映る社交ダンス界は「競技会」がメインでした。
競技会へのあこがれでダンスを始めたというのが私の場合なのですが、当時は競技会界隈が元気でした。

もちろんダンスホールもまだ多少残ってはいましたが、だいぶ減っていて、見かけることは少なくなっていたと思います。

「昔はあのあたりに何軒もあったんだよ」
なんてことをよく聞いていました。

競技に関しては、ダンスをはじめてすぐの頃、はじめて見に行った競技会も地方の普通の競技会でしたが、選手も結構いました。
2000年代半ば。約20年前のことです。

今、競技会はコロナの影響も大きかったとは思いますが、選手の数も激減。

数年前に、ある競技プロの先生が、
「僕がプロになったころノービスも何ヒートもあったけど今じゃ2~3組しかいない」
と言っていました。

註:ノービスとは競技会に初参戦する無級の人のクラスです。ヒートとは人数が多い場合に出場者を何組ずつかにわけて、競技を行うこと。

この現象は多くの社交ダンスに関わる人たちがみんな実感していることだと思います。

なぜこうなったんでしょうか?

一つの見方としては、やはりダンスホールなど、気軽な遊び場が減れば、ピラミッドの底辺が狭まる。
底辺が減れば、その上も減る。
単純にそんなことでしょう。

他にもいろんな要因があります。


  • レジャー・レクの種類が増えて選択肢が多い

  • シャイな人が増えてペアダンスは敬遠

  • 失われた30年。賃金上がらずダンスどころじゃない

  • ダンスは「出会いの機会」だったが他の方法も増えた

  • そもそも人口(若者)が減った

  • 魅力が正しく伝わってない

  • エンタメではなく芸術になったので一般人から遠ざかった

  • 競技団体の分裂構造


などなどなど・・・
私が考え付いたことを列挙しましたが、流入する人が減っているところにこんなふうに理由が重なればますます離脱するということですね。

こういうことで少しずつダンス人口が減っていったのが、最近だとコロナで大打撃を受けて大きくその数を減らした、という印象があります。

ただ、この原因を突き止めて塞ごうとすることはあまり意味がないと思っています。

世の中の物事には流行り廃りのサイクルが必ずあって、いつまでもひとつのことがブームであり続けることなんてありえません。

時代は変わって人の価値観もどんどん変わっていますから、「かつて人気だった頃の社交ダンスが持っていたものを取り戻せばまた人が戻ってくる」なんてことはないと思います。

人口が減って、遊びの選択肢が増えている今、パイを争うのではなく、減っていく数を受け入れて、それでやっていける体制に変化していくことのほうが重要です。


なくなっていくんじゃないかと予想されるスタイル

パーティの場合

今、社交ダンスのダンスパーティは、ホテルのダンスパーティから公民館パーティまでいろんなスタイルがあります。
どれも「ダンスパーティ」として一緒に語られていますが実質は少し違います。

ホテルで開催されるパーティは、実際は「発表会とディナーショー」
公民館や教室で開催されるホームパーティでは、ダンスタイムメインのパーティ。

ホテルパーティはデモ中心なので、ダンスタイムが少なく、踊りたい人には不評であることも多々あります。
でも出演する人にとってはかけがえのない時間になる。

公民館のパーティは安価で、たくさん踊れるけれども、「たくさん踊ることより一曲でも気持ちよく踊るほうが優先」という人もいる。

だからどちらのパターンもあっていい。人口が減ればやむを得ず減ってはいくし、どのパターンも開催される数は減らしつつも細々とは存続するでしょう。

ただ、どちらも形は変えていく必要が出てくるんじゃないかとは思います。
ホテルパーティのデモメイン層は高齢の方が多い。若い人の流入がなければできなくなります。

若い人はデモに興味がないわけではなく、はっきり言えばお金がかかるから出られない。もしもっと気軽に出演できる金額なら若い人だってデモは絶対にやるはずです。そうなるようにやり方を変えていく必要はあるかと思います。

一方公民館パーティも、主催者や参加者の年齢層が高齢者に偏っているところが多いので、どちらかというと早く縮小しやすいのはこちらのように思います。

公民館で社交ダンスを楽しんでいる人たちは、本来はダンス人口ピラミッドの最も底辺を支えている層と言ってもいいと思いますが、そこが減ってしまうと一緒に上も減ってしまうのでここはかなり深刻です。

競技会の場合

競技会の縮小っぷりはもっと深刻ではないかと思います。
特に地方では、本当に出場者が減っています。
アマチュアの競技会も成立させるのが大変。これもどちらかというとコロナ以後は顕著な現象かと思います。

そもそも競技志向な人は、どちらかというと若年層。日本の人口ピラミッドが少子高齢化なので、それをそのまま反映しているとなると、どんなに社交ダンスのすそ野が広がっても競技会を開催するのに十分な人数が集まるような環境は難しいかもしれません。

これからのダンス界

以上を踏まえますと、今までのやり方に固執していてはどれも縮小していくだけです。
人口は減っている。その前提で、やっていくにはどうするか。
今ダンス界に求められているのが「痛みを伴う構造改革」ではないでしょうか。

まず競技団体は、分裂を止め、一体化することを強く求めたい。
縮小していると言っても分裂している競技団体を寄せ集めればもっとまともな形にはなれそうだと感じます。
そのためにはどこの団体がイニシアティブをとるかなど捨てて、名前も一新、役員のポジションも総入れ替えするくらいの勢いじゃないといつまでたっても一体にはなれない。

私が約20年前にダンスを始めたころ、すでに競技団体を一つにしていく話はうっすらあったと記憶します。しかし実際には、当時よりも団体は増えています。私が言わなくても多くの方から声高に言われてきたことですが、現実は厳しいようです。しかしダンス界の存続、発展のためにはどこかでプライドは脱ぎ捨ててほしいですね。

また、人数が少なくなっているなら、これまでのように一斉に踊るコンペではなく、フィギュアスケートのように一組ずつを主流にするという手もあるかなあと思います。
ただ一斉に踊るコンペはやっぱり見ている側はたくさんの人が踊りまわること自体がエキサイティングだと感じるところもあるので、どんなスタイルがより観衆にウケるのか、そこを追求していくことが競技会の発展の道かもしれません。

ダンスパーティの在り方については、ホテル開催のようなものを多くの教室がそれぞれ個別にやるのも終わりにしたほうがいいかもしれません。
教室ごとにやっているように見えても、実際は教師が生徒を引き連れていろんな教室のパーティに顔を出すことをある意味「お付き合い」としてやっている。それが複数回続けば、生徒にとってはかなり負担になることは否定できないですよね。

もちろんそれが生徒さんにとってモチベーションとなっていることもあるけれども・・・
人数を膨らませるために、いろんな教室で寄せ集まって、ぱっと見大きなパーティを何度も何度も繰り返す。これは長続きしないんじゃないかと思います。

ダンスをエンタメとして、ショービジネスとして成立させることも期待したいです。
長い長いダンスパーティの後に、やっとプロショーが始まる。
その前につかれて帰ってしまう人もいます。

だからプロのショーダンスと、アマチュアのショーダンス、ダンスタイムを楽しむパーティ、これらは完全に別にするほうがいいんじゃないか?と思ったりもします。

プロがショーダンスをパーティ以外で披露する場所は少ない。ここがもっと充実することで、プロダンサーがダンスをビジネスとしてやっていける環境もできるかもしれません。

私が純粋に楽しかったなあと感じたダンスパーティは、食事をしながら、ダンスタイムがしっかりあって、参加者同士のコミュニケーションが楽しく思えたもの。

こういうパーティはまさに昔のダンスホールのような環境を一夜再現したものなのかもと思います。

私はダンスパーティの問題点は、「すでに社交ダンスをやっている人しか参加しづらい」点ではないかと思います。
実際そういう人しか集まっていません。内輪だけで楽しむのではなく、もっと初心者もいきなり来て楽しめる場になることも重要だなと思います。

さて、かなり長くなってしまったのでもうこの辺りで終わりにしたいと思います。
まだまだ語ろうと思えばいくらでも語れてしまうくらい、ダンス界にはいろんな期待を感じています。

ちょっと言葉足らずなところもあるかもしれません。この記事を読んだ方はぜひぜひ忌憚のないご意見をコメントでお待ちしていますね。





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