< ポールシフトとアトランティスの崩壊 > 8/16質問への返答を兼ねて加筆
意識や感情は地球上で最も強いエネルギーです。もしかしたらあの時代、強力な意識エネルギーを扱う文明によって、世界中の文明が海に沈む大変動が引き起こされたのかもしれません。今回はそんなアトランティス文明のお話です。
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1万3000年前のカタストロフ(大破局)
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クリスタルの先生によるとアトランティス文明が海に沈んだのは1万2500年前だそうですが、実は地質学的にもこの時期、地球は大変動に見舞われたことが分かっています。
まず「ヤンガー・ドゥリアス期」と呼ばれる「寒の戻り」が1万4000年〜1万1500年前に起こったとされています。これは短期的な氷河期の到来で、数十年で平均気温が7.7℃も下がりました。地球の平均気温が0.8℃変わっただけで、鹿児島と仙台の気候が入れ替わります。仮に1℃下がれば鹿児島が樺太の気候になるのです。7.7℃の寒冷化がどれほどのものか、想像を絶するものがあります。
そしてその後すぐに「プレボレアル期」と呼ばれる亜間氷期が訪れ、約50年で再び平均気温が7℃も上昇するのです。そして海面が130mも上昇しました。これが1万1000年前(B.C.9000年)、現代につながる「完新世」の時代の到来です。
これは約7万5000年前にインドネシアのトバ火山の大噴火によって北半球が急激に寒冷化し、最終氷期といわれる「ヴェルム氷期」に突入して以来の大変動でした。
このトバ火山の大噴火、いわゆる「トバ・カタストロフ」のスケールは凄まじく、セントへレンズ山の噴火規模の3000倍、1991年にフィリピンのスービック基地を再起不能にしたピナトゥボ火山の約200倍、1818年に同じくインドネシアで噴火し、ヨーロッパに冷害と大飢饉をもたらしたタンボラ火山の約20倍、7300年前に西日本の縄文文明を壊滅させた鬼界カルデラの破局噴火の3倍以上の規模とされています。
この大災害により、東アジアで栄えていたジャワ原人(ホモ・エレクトゥス)が絶命し、人類はネアンデルタール人、デニソワ人、ヒトの三種のみに絞られました。遺伝子の痕跡から、人類はこのとき1万組の夫婦からやり直したという「人類のボトルネック」説も存在します。ヒトジラミとコロモジラミが分化したのも7万年前なので、この最後の氷河期によって人類は衣服を纏うようになったとされています。
「氷河期」と一口に言っても、258万年前に「第四期氷河時代」が始まって以来、「氷期」4万年に対して「間氷期」が10万年程続くという緩やかなサイクルがあります。「トバ・カタストロフ」が起きなければ、間氷期はまだ続いていたはずなのです。実際「ヴェルム氷期」も最寒冷期は2000年ほどで、その後の6万年前〜4万年前の2万年間は継続的に温暖で湿潤な気候が続きました。
私たちの直接の先祖である「新人類の出アフリカ」は5万8000年前ですし、アボリジニの南オーストラリアへの移住もこの頃とされています。4万年前のネアンデルタール人の絶滅は、この時期に一度寒冷化したことが原因という説もありますが、木の上から地上に降り立った440万年前以降、人類はずっと氷河期と共に進化して来ました。寒冷期であっても赤道近くは十分に暖かかったのです。
5万年前〜1万3000年前は赤道付近の海岸線を中心に、海洋文明が繁栄していた可能性は十分あるでしょう。今回の文明期も7000年前のシュメール文明から現代文明に至るまで、たった7000年しかかかっていません。おそらく1万年もあれば人類は高度な文明を発達させることができると思われます。もしかしたらこの間に文明の「滅亡」と「再興」を何度か繰り返したかもしれません。今回の文明期が3回目とか5回目といわれる所以がここにあります。
こうして見ると「ヤンガー・ドゥリアス期」とそれに続く「プレボレアル期」がどれだけ異常な変動だったかということです。
海面上昇も尋常ではありません。現在海底にある大陸棚と呼ばれている場所は、元は全てが実際の大陸だったのです。地球上で「トバ・カタストロフ」に匹敵する何らかの「大破局」が起こり、数多くの海洋文明が失われたと見るべきでしょう。海に沈んだのはアトランティス文明だけではなかったのです。
海底地図を見てみると、侵食の様子から大陸棚の形成には相当な年月がかかっていることが分かります。少なくとも数十万年〜数百万年間は大陸棚の縁が海岸線だったのでしょう。ではこの星を「地球」から「海球」に変えるほどの水はどこから来たのか。北極のように海に浮く氷は海面上昇に影響しませんから、少なくともそれは氷床の形で陸の上のどこかにあったはずです。しかし「ヤンガー・ドゥリアス期」という「寒の戻り」の直後に、氷床が一気に溶けることなどあり得るでしょうか。
実はここに全てを説明できそうな仮説があります。地球は1万3000年前にポールシフトしたというものです。
「ポールシフト」とは「極移動」のことで、地球の自転軸(地軸)の位置が変わることを指します。北極の位置が現在よりずっと北米大陸側にあったと仮定すると、さまざまな疑問が解けるのです。
このことに思い至ったのは、講座の板書で何度も世界地図を描いてきたことにあります。カナダの北にある複雑な地形が、地球上の他の場所とあまりに違うことにずっと違和感を持っていました。その内にこの地形は氷の重みで大陸が沈み込んだものではないか?と思うようになります。調べてみると、ハドソン湾をはじめ、周辺の水深は100m程度しかありません。おそらくここに数千メートル級の氷床があったのだろう…と確信するに至りました。
ニューヨークのマンハッタン島も氷河で削られた岩盤の上に高層ビル群を建てています。この地も氷河というより氷床に削られた、というのが正解なのでしょう。つまり1万3000年前までの北米大陸は、巨大な「北極大陸」だったのです。
グランドキャニオンやアリゾナの岩砂漠のように、アメリカの景勝地の多くが、写真家の白川議員氏が追い求めた“原初の地球”を思わせるような荒削りな地形なのは、北極大陸の氷床に埋もれ、削られた大地の記憶だからでしょう。
このポールシフトによって北米大陸という「巨大な北極大陸」が南に移動し、巨大な氷床が溶け始め、それと共に海面が急激に上昇を始めます。そして大気から溶解熱が奪われることで気温が下がり、冷たい水が海水の温度を下げることで急激な寒冷化が訪れました。これが「ヤンガー・ドゥリアス期」なのでしょう。この間、少なくとも数百年はかかったと思われます。しかし氷が溶け切って海洋面積が拡大すると、海は陸よりも熱容量が大きいので、今度は急激に温暖化するという経緯を辿ったのです。つまり<急激な寒冷化→急激な温暖化→海面上昇>ではなく、<ポールシフト→海面上昇→急激な寒冷化→大陸棚の水没→温暖化>という流れです。
この間、数百年〜1000年間の大変動で、数多くの文明が滅び、居住地や耕作地を失うことで人口が激減しました。生き残った人類も「地球はもうおしまいだ…」と誰もが思った、まさに「絶望の時代」だったのかもしれません。
実際、約7000年前にシュメール文明が起こるまで、都市型の文明は再興しませんでした。現在の人類が1万年以上前の先史文明を忘れてしまっているのは、この「文明の停滞期」があったことが大きいのでしょう。
かつて「人類は記憶喪失にかかっている」と言ったのは、かのグラハム・ハンコック氏です。先史文明を研究者である彼は、1995年に出版された有名な著作「神々の指紋」の中で、1万年以上前に高度な文明があった可能性と、おそらくその生き残りの人々(神々)が授けた「知恵や技術」が「神話や伝承」の形で各地に残っていることを考古学的に証明して見せました。当時は夢中で読んだものですが、彼はアトランティス崩壊の理由について「ある種の傲慢さと、宇宙との調和を失ったから…」と著書の中で語っています。
今年に入って受講生さんから、ネトフリ(Netflix)にグラハム・ハンコックのオリジナルドキュメンタリーがあることを教えてもらいました。ハンコック氏が健在だったのは嬉しい驚きでしたが、番組を見ると彼がこれまでアカデミックな世界からどれだけ異端視され、バッシングを受けてきたかを窺い知ることができます。
全8話のドキュメンタリーの中で、ハンコック氏は世界中の先史文明の痕跡を辿りながら、地質学的にも認められた「1万2800年前の大変動」の謎に迫っていきます。それは神話に刻まれ、遺跡に残された氷河期最後の「悲劇」の記憶です。彼は初回から、かつての海面上昇について語り、「水没した大陸棚を考慮せずに人類史を語ろうとすれば、私たちは重要な情報を見失う」と指摘します。
インドネシアの「ナン・マドゥール遺跡」は石作りの人工島ではなく、丘の上に造られた宮殿がたまたま海上に突き出たものですし、与那国島のダイビングスポットで有名な海底遺跡も、かつての船着場ではなく、高台に造られた宮殿か神殿の基礎の部分だろうと推察できます。何しろ当時の海面は今より130mも下なのです。
番組の中で彼は「大変動は1万2800年前に起き始め、1万1600年前に終わった」と結論づけます。この1000年以上に及ぶ寒冷期の中で、サーベルタイガーやマンモスが絶滅し、人類の50〜60%が死滅するという黙示録的現象が起こったといいうのです。そして寒冷期が終わって大洪水になり、地球は穏やかになったのだ…と。
しかし番組の後半になるとこの順番が逆転し、トルコ・シリア国境で発見された1万1600年前の巨石構造物に「地面に潜り込むヘビ」が刻まれていたことや、トルコのカッパドキアに造られた200もの地下シェルターの存在、そしてゾロアスター教の聖典に残る「洪水の後に氷河期が到来した」という伝承から、新たな仮説を導き出します。それは北米大陸の氷床に彗星もしくは巨大隕石が衝突し、氷床が溶けて大洪水が起こると同時に、粉塵と火災による煤煙が太陽光を遮り、地球に「破壊的な冬」をもたらした…という大胆なものでした。アメリカ中央部に刻まれた大渓谷は、そのときの大洪水によるものではないか…と彼は言います。そして再び「私たちはアムネズィア(記憶喪失)なのです。神話を見れば明らかです」と語って番組は終わります。
「神々の指紋」の著書の中で最も印象的だった、エジプトのスフィンクスとギザのピラミッドが1万500年前のものであるとか、スフィンクスが実はライオンの像だったというエピソードがこのドキュメンタリーで描かれなかったのは残念でしたが、これまで知らなかった古代遺跡や最新の考古学的調査が紹介され、エンタメとしても十分楽しめる構成になっています。スフィンクスとギザのピラミッドについては、学会から最もバッシングを受けた部分だったので省かれたのかもしれません。
ただ、巨大隕石のくだりは、恐竜絶滅の原因と重なるので視聴者にとって分かりやすく、刺激的なクライマックスを演出するために無理やり持って来た感が否めませんでした。
隕石の衝突が大洪水の原因だったとしても、大陸の全ての氷を溶かしたとは思えませんし、その後の寒冷化で氷床が復活しなかったのも不自然です。「身をくねらせる蛇」の図象が「尾を引く彗星」の象徴になるのも少々無理があって、ヘビは地を這うことから、ほぼ全ての文化圏で「大地の象徴」として扱われています。
カタストロフを生き延びた人類が「身をくねらせる蛇」を「未来への啓示」として残したというなら、それは「大地が動いた」つまり「地軸が動いた」ことを伝えるためだったと考えることもできるのです。ハンコック氏も十分それは分かった上で、あえてエンタメ的なシナリオを選択したのかもしれません。
もちろんポールシフト仮説も合理的な原因を説明できないため、巨大隕石の衝突以上に荒唐無稽と見られても仕方がないと言えます。しかし地球の磁極は常に変動しています。現在は地軸に近づいていますが、磁極と地軸のズレが大きくなった場合、ズレを解消するように地軸が動く可能性は否定できません。
また地球の長い歴史の中で、定期的に磁場の逆転現象が起こることも分かっています。そして地球の磁力は強まったり弱まったりします。スピリチュアルな見方をすれば、磁場が弱まるときは地球自身の生命力が弱っているときなのかもしれません。
さらに人間の意識が地球の磁場に大きな影響を与えるとしたらどうでしょう。意識は電磁場ですし、人の意識や感情は地球上で最も強いエネルギーです。もしかしたらあの時代、強力な意識エネルギーを扱う文明によって、この大変動が引き起こされたのかもしれません。
それが、かつてクリスタルの先生が語ったアトランティスの物語(ナラティブ)なのです。
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アトランティスの成立と崩壊の物語
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アトランティス文明が地上に降ろされたのは一つ前の文明期、およそ3万3000年前のことだといいます。これは今回の地球が造られたときに計画されていたもので、光の層から文明ごと地上に降ろすという一大プロジェクトでした。
「光の層」というのはいわゆる「霊界」ではなく、宇宙の次元を超えた「創造主の領域」のことを指します。
わたしたちの「魂」は宇宙の外から来ました。この宇宙が「時空間」という4次元世界だとすれば、「魂の故郷」はさらに高い5次元以上の領域にあるのです。
ただし地上世界でカルマを作ってしまうと「光の層」には直接戻れないため、肉体の死後に一時的な休憩場所として造ったのが「霊界」です。
「魂」が時空を超えた存在ということは、意識エネルギーを学ぶと容易に理解できます。カルマの解消のために過去にエネルギーを送ることができるし、一瞬にして月の裏側や宇宙の中心太陽まで意識を飛ばすことができるからです。
かつて量子論で有名なシュレディンガーが、生命を「負のエントロピーを持つもの」と定義しましたが、確かに「生命体」は熱力学の第二法則である「エントロピーの法則」に反しています。生命エネルギーの根源である「魂」は、元々この世的な存在ではないのです。
しかしあまりに長い間、地上世界と霊界を行き来し続けたことで、多くの魂たちが「魂の故郷」や「生命の本質」を忘れてしまいました。
カルマを解消するどころかカルマに塗れていく仲間たちの姿を「光の層」から見ていた魂たちは、そのことが不憫でなりません。誰もが持つ「内なる光」の思い出して欲しいと切に願い、やがて地上の仲間たちにそのことを伝えようと行動を起こします。
勇敢にも単身で光の層から地上に降りる者も後を絶ちませんでした。しかし大抵はネガティブな感情に巻き込まれてカルマを作り、地上と霊界を行き来するようになってしまいます。ミイラ取りがミイラになってしまうのです。人間の感情のエネルギーはそれほど強力で、地上世界のカルマの法則はそれほどまでに厳しいものでした。
そこで光の層の魂たちは「文明ごと光を地上に降ろす」ことを計画します。一人二人で難しいなら、集団で降りて強固な文明の姿を見せればいいと考えたのです。
しかし文明を形成するには、最低でも10万人程度の人口が必要です。これは非常に大掛かりなプランだったので、準備にも時間を要しました。今回の地球が造られてときにすでに計画されていたということは、46億年もかけた遠大な計画だったわけです。
アトランティス時代は、初期:約1万年、中期:約1万年、後期:数千年〜数百年と大きく3つの時代に分けられます。
最初に地上に降りた頃のアトランティス人を霊視すると、あまりにも透明な存在感とこの世ならざる美しい姿をしており、身長も2m以上と非常に大きかったようです。まだ完全に物質化していなかった可能性が高く、地上世界に慣らすために、エーテルボディのまま数千年間留まっていたのでしょう。この状態では当然地上の人間には見ることも接触することもできません。おそらく「ここは何となく神々しい場所だな…」と感じられる程度だったと思われます。当時からそこは「聖地」だったのかもしれません。
その場所とは、今ではエーゲ海と呼ばれる海の底です。エーゲ海の島々は当時のアトランティス文明の山々の山頂部分が海に突き出ているのです。その中でも当時活火山だった「聖なる山」の中腹には、アトランティスの中心というべき神殿がありました。そこは現在サントリーニ島と呼ばれ、火口部(カルデラ)の外輪山が切り立った三日月型の島として知られています。サントリーニ島の東側斜面の海底には、おそらく今でも荘厳な神殿と巨大なクリスタルが眠っているのでしょう。
アトランティス初期の後半から中期の前半にかけ、アトランティス人は物質化して文明の姿を地上に表し、本格的に活動を開始します。
それでもまだこの世的ではない部分が数多くあって、まず文明の中に子供の姿がありませんでした。生殖によって子供を作らなかったのです。いきなり大人の若者の姿で現れ、老いることなく何百年も生き、亡くなるときも肉体ごと光に戻るという一生でした。いわゆる「アセンド(昇天)」です。霊界ではなく「光の層」にいつでも戻れるので、「死」という概念はこの頃のアトランティス人にはなかったのです。
またアトランティス人は眠ることも食べることもなく活動できました。住居や個室というものが存在せず、都市には広場、議事堂、神殿等の公共の建築物しかありませんでした。イメージとしては、ちょうどギリシャ時代の白い大理石造りの神殿や、サントリーニ島の白い壁の建物をさらに洗練させたものです。透明な建築材を多用したモダンな雰囲気でした。一方服装の方は、縦長の布に穴を開け、頭から被って腰紐で纏めるといったラフなもので、足元は大抵サンダルでした。気候が温暖だったこともあり、上半身は裸で腰巻だけの男性もいました。ギリシャ・ローマ時代の壁画にある装束や、映画スターウォーズのジェダイの衣装がイメージに近いでしょう。
食べてエネルギーを得る必要はなかったものの、アトランティス人は楽しみとして「果物」を食べていました。五感を通して世界の美しさを見る、触れる、香りを嗅ぐ、味わうといった喜びは、はじめて肉体を持ったアトランティス人にとって非常に新鮮なものでした。そしてこれもこの世的ではないのですが、リンゴが食べたければ、手のひらにポンとリンゴを物質化できたようです。まるでかつてのサイババのように…
クリスタルの講座や研修会が始まると、受講生や研修生が果物ばかり食べるようになるのですが、この時代の記憶が蘇るからだろうと思っています。
アトランティス文明は「ツインソウル(魂の伴侶)の絆」によって愛の波動を維持していました。「陰陽和合」のエネルギーと言ってもいいでしょう。今で言えば男女の愛、伴侶の愛です。これがアトランティスの光を維持する「エネルギー源」そのものでした。
当然ツインソウルが共に肉体を持つことが多く、当時は広場のベンチや海辺で男女が寛いでいたり、伴侶で同じ仕事にあたるなど、仲睦まじい姿がそこかしこで見られたといいます。またツインソウルの一方が「肉体」を持ち、片割れが「魂」としてサポートするケースもありました。
魂が「地上と光の層を直接行き来できる」のがこの文明の最大の強みであり、常に光の層からのサポートが得られることで、「愛」と「光」から離れることなく、誤った判断をせずに済んだのです。だからこそ、アトランティス文明には病気も事故もない「完全調和」の社会が実現していました。
しかしこれが徐々に崩れ始めます。地上の人間たちと交流することでネガティブな感情を知り、その波動を文明に持ち帰るようになったからです。それでも当初はオーラやチャクラの乱れを意識エネルギーで調整すれば事足りました。アトランティス人にはオーラが見えましたから、オーラの澱みや乱れに気づいた人が、そっとエネルギーを送って調整してあげればそれで済んだのです。
しかしアトランティスの植民都市があちこちに出来るようになると、文化的な軋轢から小競り合いが生じるようになります。相手を傷つける攻撃的なエネルギー…アトランティス人にとってそれは不慣れで心外な波動でした。それを受け止めきれず、愛に変えられなければ、実際の暴力に巻き込まれることもありました。
強烈な光を放つ人を見たとき、地上の人間はどんな反応をするのか、アトランティス人はこのときまで理解していなかったのです。「あなたたちも同じ光なんですよ」と示しても、「ほら、こんなふうに内なる愛と光を満たせばいいんですよ」と語っても、自分たちとあまりにかけ離れた存在故に、彼らを「神として崇める」か「異分子として排除する」かのどちらかになってしまうことに… 特に光に反発し、攻撃してくる人々がいることにアトランティス人は困惑しました。
一つのネガティブな感情は、また別のネガティブな感情を引き寄せます。中期の後半、光を放っていたアトランティス文明に翳りが見え始めます。生きていれば傷つけられることも誰かを傷つけることもあります。それはある意味、肉体を持ち、心を持てば当然味わうべき重みでしたが、はじめから癒されていた彼らには、それが本当の意味で分からなかったのです。「愛」と「善意」で満ちていた彼らにとって「悪意」の存在はあまりに想定外で、それ故に深く傷ついたのでした。
このことを指して、COBRAが「アトランティス人の精神年齢は14歳だった」と指摘していますが、それはちょっと言い過ぎでしょう。戦後GHQが「日本人12歳論」を持ち出し、左翼系の知識人がもてはやしたことがありました。義に厚く、正義を無垢に信じる日本人は少年のようだと…大人になり切れていないのだと言いたかったのでしょう。「性悪説」の西洋人らしい言説です。
光の層から直接降りてきたアトランティス人はあまりに純粋でした。ネガティブな感情に対して、光を攻撃するという闇堕ちした意識に対してあまりに耐性がなく、免疫がなかったのです。つまり彼らがウブだったのは本当なのでしょう。
でも「性善説」の日本人なら共感できるはずです。実際今起こっているワクチンによる殺戮や数々の亡国政策と、それに気づかない日本人の姿は、あの時代と重なって見えて来ます。
クリスタルがもたらされたのは、そんなアトランティス中期の終わり頃でした。自分たちの意識エネルギーやハンドヒーリングでは手に負えなくなったので、意識エネルギーを強化・増幅するツールとして"物質化”したのです。水晶(クリスタル)はその結晶構造から高次元のエネルギーを呼び込む力があります。人間の意識エネルギーも高次元の波動なので相性がいいのです。また人間の脳の8割以上が水で出来ています。水は凍ると六角形の結晶を作ります。組成は違えど結晶構造が同じ(フラクタルや形態波動)という点で水と水晶は関係が深いと言えます。
アトランティス人はこの透明な水晶(クリスタル)の好んで身につけました。ペンダント、耳飾り、手首、足首等々、特徴的なのは髪飾りにクリスタルを使ってジャラジャラさせていたことです。意識は脳が作り、感情面でも中枢神経系が影響を受けるからでしょう。
クリスタル製のベッドも開発され、クリスタルを使ったオーラクリーニング法やチャクラの調整法など、エネルギー的な施術法が確立します。「魔女のクリスタルセラピー講座」でお伝えしているのはこの時代の知恵の一部です。
そしてクリスタルは半導体でもあります。情報を記憶させたり、周波数を合わせることで通信手段にも使えます。高い圧力をかけると光を放ち、電気を流す「光電効果」もあります。アトランティスはここから一気にクリスタル文明を開花させました。フリーエネルギーに近い電気エネルギーとして、動力源、建築材、通信技術、レーザー治療のような医療技術に至るまでクリスタルが多用されました。実際このクリスタルによってアトランティス文明は一気に立て直せるはずだったのです。
しかしクリスタルはネガティブな意識エネルギーも増幅します。アトランティス人は元々意識エネルギーの強い人たちでしたから、それをさらに数十、数百倍に強めたときの影響力は計り知れません。闇を吸収したクリスタルは、身につけているだけでその人をネガティブな方向に引き込みます。こうなると自分の意識だけでは立て直せず、あっという間に周囲を巻き込み、ネガティブな事象を引き寄せるのです。自分の器を超えたエネルギーを手にすることの恐ろしさがここにあります。
この頃になると、植民都市だけでなく、アトランティスの中心地でも病気や事故、地震等の自然災害が起こるようになります。事故や病気で亡くなる人もいました。アトランティス人も肉体と馴染んできて、生殖によって子供を産み育て、食べて眠るといった人間とほぼ同じライフスタイルになりつつありました。
それでもアトランティス人達はクリスタルを使って何とかしようと試みます。がんのような病気をクリスタルを使った光線治療で治そうと研究する医療グループや、生まれてすぐの子供達をクリスタルのドームの中に集め、ネガティブな波動から守りながら純粋培養することで次世代を育てようと試みる教育者の一団もいました。地場調整装置としてクリスタルの巨大なピラミッドを建設する一大事業も起こりました。そしてその全てが失敗に終わります。
クリスタルのピラミッドは「光の層」からではなく、宇宙的で異質なエネルギーをアトランティスにもたらし、さらに波動を混乱させました。成人してはじめてクリスタルのドームから外に出た子供達は、波動のギャップ現象で胸が苦しいと訴え、ひどい頭痛で蹲ったといいます。当時のアトランティスはそれほどまでにネガティブなエネルギーが渦巻いていたのです。アトランティス末期にがんの波動療法は完成しましたが、がんを根絶することは叶わず、実際に治療に使われる機会もありませんでした。
クリスタルの存在はある意味「諸刃の剣」だったと言えます。自分達の似姿として物質化し、自分達の純粋さの結晶だったはずのクリスタルが、いつしか「外側の光」になっていたのです。クリスタルはあくまで自分達自身の素晴らしさを強化するためのツールだったのに、いつしかそこから意識が離れていました。クリスタルは素晴らしい、光の魂たちはすごい、でも自分達は素晴らしくない。さまざまなネガティブな感情、怒りや悲しみ、嫉妬、批判、失意、失望、罪悪感に塗れた自分達は、もう素晴らしくないと思ってしまったのです。クリスタルの先生はこのことを「光への分離感」「光への嫉妬」と表現していました。
こうなると「光の存在」達との交流は不可能です。自分の内なる光を信じられなければ、いくら光の魂がそれを望んでも、波動のギャップによって接触ができません。アトランティス文明の一番の強みがこれで失われたのです。
そしてもう一つ、取り返しがつかない流れが起きます。光の魂との交流ができなくなると、ツインソウルの一方が肉体を持ち、一方が魂の状態でサポートする関係が崩れます。片割れとして取り残されたアトランティス人は、その寂しさから異性を求めるようになりました。男女は惹かれ合うものですし、これは仕方のないことでしたが、ツインソウル以外の異性との肉体関係がアトランティス人のオーラを澱ませたのです。これは原初の「性的カルマ」と言えるものでした。
「性的カルマ」については誤解されやすく、説明するにも微妙なニュアンスが必要なので「カルマの解消法」の投稿でも言及しなかったのですが、「性的カルマ」は個人レベルのカルマとしては比較的大きなものです。
性交渉は肉体が一つになるだけでなく、エネルギー的にも激しい交流が起こります。互いのオーラがぐるんと半周回るような感覚です。これは自分のカルマを相手に半分与え、相手のカルマを半分貰うようなものです。このカルマの交流よって今生でのご縁は非常に深いものになり、相手の幸せが自分の幸せに直接リンクしてくるのです。
性行為の相手が増えるごとにこれが繰り返されるので、いろんな色が混ざると発色がくすんでくるように、オーラが濁ってきます。これが「性的カルマ」の特徴です。
オーラが澱めば運気も下がり、同じような相手を引き寄せますから、なかなかいいご縁に恵まれません。また性的カルマを持った者同士が結婚すると、ゼロからの出発どころかマイナスからの出発になり、性的カルマの解消のための浄化が起こってきます。これを乗り換えられずに離婚という結果になれば、さらに性的カルマが上乗せされるのです。駅等で見かける中高生にも、性的カルマのある子は独特の翳りがあるのですぐにわかります。そして「これからの人生、大丈夫だろうか…」と老婆心ながら心配になります。
「性的カルマ」を甘く見てはいけません。エネルギー的に見ると、セックスはキスの延長線上のものでも、子作りだけでもない、それ以上に人生に大きく影響を与える行為です。それが分かれば、10代からのセックスや安易な婚前交渉は避けるようになるでしょう。それに性行為は本来、恋人のものではなく夫婦のものです。性はプライベートな世界ですから、お互いの愛を深めるために、夫婦で互いに話し合って夫婦で育んでいくべきです。
性をいたずらに神聖視したり厳格すぎる時代も問題ですが、今はどちらかといえば軽んじられている時代です。旧約聖書の「ソドムとゴモラ」を引き合いに出すまでもなく、性的に乱れた文明は早晩滅びを迎えます。ローマ時代のポンペイがそうですし、60年代のヒッピームーブメントやコミュニティ文化が廃れたのも、フリーセックスとドラッグが原因でした。
アトランティスの場合はもっと純度が高い話ですが、ツインソウル以外の異性との肉体関係が「光の魂」との交流を閉ざし、アトランティス文明全体の波動を落としたのです。ここでも「性の乱れ」が文明の崩壊を加速したわけです。
アトランティス後期になると、人心の乱れは国家運営にも支障をきたすようになります。調和が取れていた頃ならすんなり決まっていたことでも意見が合わなくなったのです。波動のギャップから認識の齟齬が生まれ、互いに相容れないという状態は、コロナ以降の分断された今の社会を彷彿とさせます。この頃は暴力事件やレイプ事件のような犯罪も起こっていて、まさに現代社会と変わらない状態でした。
そこでアトランティスは裁定者を一人立てることを決定します。一人の裁定者である「王」を元老院の長老達が支えるという、アトランティス最初で最後の王政がこうして始まりました。これがアトランティス最後の数百年にあたります。
「こんなはずじゃなかった…」この時代に生きていたアトランティス人はみんなこう思っていたはずです。文明ごと地上に光を降ろすことで、地球も人類も光に向かうはずだった…そして光を忘れた地上の多くの魂が癒され、一緒に光に戻れるはずだったのです。それが自分の使命だと知っているからこそ、その「失意、失望、落胆」は彼らの魂に重くのしかかりました。そして「罪悪感」の闇に飲まれていったのです。
アトランティスが地上に降りてから2万年、実質の活動期間は約1万年としても、これだけの時間をかけても地球と人類は変わりませんでした。
「少しの期待と失意」を繰り返した挙句、アトランティス人の「希望」はやがて「失望」の色を濃くし、最後には「絶望」へと変わっていきます。エネルギーの強い人たちが放つ「罪悪感」と「絶望」という“愛から最も離れた”感情は、クリスタルによってさらに何百倍も増幅されて地球に影響を与えました。そしてこの時代、各地で天変地異が相次いで起こったのです。
「このままでは地球がもたないかもしれない…」アトランティスの王は決断を迫られます。王には肉体を持った伴侶はいませんでしたが、彼のツインソウルが魂の状態でいつも傍にいました。そのおかげで王は光を保っていられたのです。
しかしついに光の魂達がアトランティスを離れるときがやってきます。肉体を持ちながら光を保っていた人たちも同時に地上を離れました。
このときすでに光のサポートを失った王にも、アトランティス文明自体にも未来は残っていなかったのです。
最後に王と長老達は苦渋の決断をします。地球と人類のためにアトランティス文明を終わりにする…と。そして神殿の巨大なクリスタルに、アトランティスの崩壊を願ったのです。愛の中で…強く、深く…
崩壊は数日後にやってきました。大地が割れ、火山が噴火し、大波が襲いました。広大なアトランティスの都市部が海に沈むまで、半日もかからなかったといいます。
そして荒れ狂った波が静まった頃、夕陽が水平線に落ちてきました。輪郭のラインがくっきりとした美しい夕陽でした。それは地球規模の天変地異から免れたことへの地球からの感謝のしるしだったのです。今から1万2500年前、光の魂達が地球を去って数ヶ月後のことでした。
ここまでがクリスタルの先生が語ってくれたアトランティス誕生から崩壊までの物語です。
クリスタルヒーラーの資格を取ったのが2002年ですから、もう20年以上前のことです。クリスタルの先生からはその後10年以上に渡って薫陶を受けたので、このナラティブも体の一部になるほど染み付いています。最後の決断の前夜、アトランティスの王が失意の中で宮殿の窓からぼんやり外を眺める姿が、映画のワンシーンのようにイメージできるのです。そしてその度に「これは本当に起こったのだろうな…」と思っていました。
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光と闇のせめぎ合いとポールシフト
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しかし2020年以降、闇の勢力を想定するようになって、この認識が少し変わりました。
アトランティスという純粋な光が降ろされると共に、闇も降ろされたのではないか…と。これはエネルギーの法則的に「代償の法則」や「バランスの法則」と呼ばれるもので、「因果の法則」の延長線上にあるものです。強力な光が差せば影が濃くなるように、陰陽のバランス上、これは避けられない流れだったと思うようになりました。
その地はカスピ海の西側、黒海とカスピ海とコーカサス山脈に挟まれた辺り、今ではロシアの一部とウクライナがある場所です。ここは元々地球の竜骨にあたるライン状の頂点の一つで、強力なエネルギーポイントがあります。実際に世界で最も標高が高い「分水界」とこのラインは一致しています。
高次元から降ろされたアトランティスとは異なり、闇の勢力は宇宙空間の別の場所から「ポータル」と呼ばれる次元トンネルを通って現れました。彼らは霊的にも人類ではありませんが、やがてその地の人間の肉体に宿るようになります。現在アカデミックな世界では「クルガン人」と呼ばれていますが、かつては「アーリア人」と呼ばれた人々のことです。彼らはアトランティス人と同じように金髪碧眼で、背丈が大きく、色白でしたが、その精神(魂)あり様は対照的でした。
アトランティス人は「陰」のエネルギーを持ち、その魂は「愛」と「光」そのものでした。「陰」は「受容性」や「女性性」と言い換えることもできます。対してクルガン人は「陽」の波動を持ち、「闇」を象徴する性質の魂でした。この場合の「陽」は「男性性」とも言えますが、その男性性は「攻撃性」や「暴力」そして「支配」といった愛とは真逆の指向性を持っていました。彼らは根っからの侵略者だったのです。
アトランティス文明とクルガン文明は黒海を挟んで向かい合う位置にありました。
当時の地中海は、カスピ海と同様、その名の通り陸地に孤立していました。水深はそれなりに深い海水湖でしたが、比較的大きな南側とシチリアとサントリーニに挟まれた北側の二つ内海に分かれていたようです。
「南地中海」は今よりずっと赤道に近かったこともあり、気候も温暖で、イルカや魚等も独自の生態系があったと考えられます。アトランティスとイルカは関係が深いので、イルカ族との魂的なコミュニケーションが成立していたかもしれません。
また黒海も独立しており、現在よりずっと小さかったと思われます。かつてのイスラエル旅行で、ガリラヤ湖から死海に移動したときに感じましたが、海抜より低地の0メートル地帯は空気が濃く、温暖になります。カスピ海は台地の上にあるので別としても、「南・北地中海」と「黒海」の三つの内海が並ぶ沿岸は、氷河期にあっても温暖で豊かな土地柄だったと思われます。また黒海が淡水湖だったとすれば、アトランティスは海水湖と淡水湖に挟まれた、多様な生態系を持つ特別な場所だったのかもしれません。
こうして黒海を挟んで対峙した「光」と「闇」の文明は、波動のギャップから、直接敵対することも交流することもなかったと思われます。しかし他の文明圏や植民都市でせめぎ合ったのは間違いなく、少なくともクルガン人はアトランティス人に敵意を持っていたであろうことは容易に想像できます。
人類は爪も牙もなく、一撃で相手を倒せる腕力もありません。攻撃性は人類の元々の性質ではなく、弱肉強食の論理も非人間的なものです。後からそれを植え付けた勢力がいるのです。
海洋民族には協調性や平等を重んじる文化がありますし、当時の人々もアトランティス人の語る言葉に心動かされたと思うのです。一方でクルガン人の人を人と思わない行動に眉を顰めたはずです。
しかし彼らの十八番である理不尽な暴虐や拉致・奴隷化は人々の怒りを買い、復讐心を掻き立て、相手への警戒心や猜疑心を産みます。ネガティブな感情が波動を下げ、さらにネガティブな事象や関係を引き寄せます。
結局人類は光に向かうよりも闇堕ちする方が楽だったのかもしれません。そしてアトランティス人にも明快な「悪意」に対する免疫がありませんでした。
またアトランティス文明には宇宙的なテクノロジーはありませんでしたが、クルガン人の文明は持っていた可能性があります。少なくともポータルから魂的に移民して来た闇側の「幽体」たちにはそれが出来たのかもしれません。COBRAが指摘する「ベール」というテクノロジーがそれにあたります。
これは地球圏を丸ごとエネルギー的に遮断し、外部からの善意の干渉も、異星からの魂的な移民も、異星への転生も出来なくする技術です。これによってこの惑星の地上世界と霊界は完全に隔離され、闇側の思うままに侵食できる「牢獄」と化したとCOBRAは指摘します。
またこれは個人的な憶測ですが、月を現在の軌道に持って来たのもこの2万年以内のどこかだろうと思っています。太陽と月が全く同じ大きさに見える配置は、どう考えても恣意的だからです。
闇の勢力が最初にコーカサスポータルに現れたのは、COBRAによれば2万6000年前、ベールが完成したのが2万5000年前といいます。この時代はアトランティス初期にあたり、アトランティス文明はそれでも「光の層」の光の魂たちとバイパスできたと思いたいですが、アトランティスの波動が落ちると共に、こういった闇側の干渉を受けていったのかもしれません。
また彼らは策謀や陰謀を得意としていますから、人や事象を通してアトランティスの中心部にネガティブな波動を送り込む策を弄した可能性もあります。
さまざまな形で攻撃を受けているのに、性善説の立場から相手を見、自分を振り返ろうとするアトランティス人には気づけなかったと思われるのです。相手を知らなければ対処することもできませんし、これではほぼ勝ち目はなかったと言えるでしょう。これもまるで今の日本を見ているようです。
そしてあるときポールシフトが発生します。この「ポールシフト・カタストロフ」がアトランティス人のネガティブな意識とクリスタルによって引き起こされたのかどうか、現時点ではっきりしません。しかし地震や風水害とその土地の磁場が関連していることはすでに分かっており、ポールシフトが地球磁場の影響を受けたことを考えると、その可能性は高いと言わざるを得ません。そしてアトランティス人もその責任を感じていたのは確かでしょう。
まず地軸が勢いを失った駒のようにブレを起こし、星空があらぬ方向に揺らぎ始めたことで人々は異変に気づきます。マントルの対流に変化が起きて地震や火山の噴火が相次ぎます。そして地軸のブレが次第に現在の極点に収束していくと、今度は北極大陸の氷が溶け出し、海面が徐々に上がり始めました。豊かだった平地が海に沈んでいき、都市も耕作地も失われていきます。人々は高台へ高台へと避難しますが、それでも海は迫ってきます。アトランティスの植民都市も同様で、アトランティス人にもなす術がありません。これまで培ったものが全て水の泡です。しかもそれは自分達のせいなのです。
そして急激な寒冷化が地球を襲いました。世界中の文明がその形を失い、豊かで穏やかだった民が路頭に迷い、飢えに苦しむ姿を見て、アトランティス人は何を思ったのでしょう。おそらく「こんなはずではなかった…」と落胆し、失意の底に沈む思いだったでしょう。それが自分達が引き起こしたものなら尚のこと、「失意」と「絶望」そして「罪悪感」が彼らを苦しめ、魂に深い傷を負わせたに違いないのです。
アトランティス最後の王政は、このポールシフトの後で敷かれた可能性があります。つまりことが起こってしまった後の事後対策だった可能性です。
クリスタルの先生が言うように、地球を破局から救うためにアトランティスは自死を選んだというなら、悲しくも美しい終焉ですが、実際はもっと泥臭く、最後の最後まで「何とかしよう」と“もがいた”ように思うのです。
アトランティスの拠点だったアゾレス諸島やカナリア諸島の大半が海に沈んでも、「ジブラルタルの堰」がイベリア半島とアフリカを繋ぐ門となって地中海沿岸を守っていました。巨大な渓谷だったアラビア海の水位が上がり、海が「スエズの堰」の向こうまで迫っていましたが、アトランティスの中心地はこのときまだ無事だったのです。
ジブラルタル海峡の決壊は時間の問題だったのかもしれません。アトランティスが没したのが1万2500年前だとして、ポールシフトが1万3000年前と仮定すると500年間、ハンコック氏の唱える1万2800年前とすると300年間、アトランティス人はその中心部をなんとか維持しながら、世界の救済に回っていたと考えることもできます。
ジブラルタルの堰は、アトランティスから数千キロ離れていますが、アトランティス人もそのことは分かっていたと思うのです。ポールシフトによってアトランティスの位置は北にずれていましたが、マイナス標高によって温暖な気候は保たれていたと考えられます。世界中の大災厄から戻ってきたアトランティス人を迎え入れる余力もあったでしょう。
でも世界は取り返しがつかないところまで来てしまった…その「失意」と「落胆」そして「責任」を感じながら、残された「希望」は、自分達の文明をなんとか次の時代に引き継ぐことだったのかもしれません。
新たな赤道にもっと近く、高台にあって、水資源の豊かな土地…ナイル川沿いの森に建設したピラミッド群は、アトランティスにとって最後の一大事業だった可能性があります。
しかし次世代の拠点になるはずだったその場所が完成する前に、アトランティスはあっけなく最後の日を迎えます。
実はこのときジブラルタルの堰は意図的に破壊されたような気がしてなりません。クルガン人、闇の勢力による直接の介入…直接的な攻撃です。
破壊工作は簡単です。奴隷を使って、気づかれないようにジブラルタルの堰の一部にトンネルを掘って貫通させればいいのです。一度海水が流れ込めば、後は水流が穴を大きくし、勝手に決壊が始まります。
文明が壊滅状態になった今こそ、人類を闇堕ちさせ、支配するチャンスが訪れたと彼らは考えたのでしょう。そのために真逆の目的を持つアトランティス人の存在は最大の障害であり、アトランティスの再興は何としても阻止する必要があったと思われます。
しかしこれは結局、自分達の身にも降りかかることになるのです。
ジブラルタルの堰が決壊し、大西洋が一気に流れ込んで来る様は一大スペクタクルだったと想像できます。標高差は場所によっては数百メートルもありました。濁流が北地中海に流れ込むと、今度はその巨大な体積が水面を押し上げます。津波の発生です。数十メートルの高さの津波がサントリーニとシチリアを襲い、ほぼ全てのものを押し流します。そして若干弱まった水流が水深の深い南地中海に流れ込むと、今度は緩やかで大きなうねりが発生しました。海が小高い丘のように盛り上がり、沿岸部に突然の大波として打ち寄せます。その様は、まるで波打ち際に置いたミニチュア模型のように見えたでしょう。白い大理石の建築群やオリーブや果実の森が青黒い波に飲まれ、白い渦の中に消えていきます。波が打ち寄せる度に水位が上がっていき、肥沃で広大な大地はまたたく間に海へと姿を変えていきました。
クリスタルの先生の言うように、それには半日しかかからなかったかもしれません。
しかし海流はまだ渦を巻くように動いていました。アトランティスが沈んだ後、きれいな海に夕日が落ちてくる光景が事実なら、浮遊物が流されていったと考えられます。この大洪水はエーゲ海とアドリア海を満たした後、黒海へと流れ込んだのです。
寒冷化によってコーカサスの台地は人が住めなくなり、黒海沿岸の低地に集まっていたクルガンの人々を、その夜、津波と洪水が襲いました。黒海の水位が低かった場合、対岸の都市は三方からの濁流に襲われた可能性があります。濁流に飲まれたら泳ぎ切ることもできなかったでしょう。
こうして闇側の勢力も一旦は壊滅状態になったと思われるのです。その証拠に、アトランティスが滅んだ後に彼らが活動した形跡はありません。
結局、直接手を下したカルマにより、因果の摂理(因縁因果の法則)が働いたのでしょう。そして緯度が上がったことで、この地はしばらくの間、文明が発生するには不向きな場所になりました。次にクルガン人が歴史に登場するのはメソポタミア文明滅亡の時代、今から5500年ほど前のことです。
そしてこの「光」と「闇」のせめぎ合いは、伝承の形で密やかに残り、今回の文明期の最も初期の宗教「ゾロアスター教」の善神スプンタ・マンユと悪神アンラ・マンユらとの戦いの神話に残されました。ゾロアスター教はギリシャ神話や後のミトラ教やユダヤ教に継承され、ミトラ教はマニ教や仏教に、ミトラ教とユダヤ教が合体してキリスト教に、そしてイスラム教へと繋がっていきます。
まさに「神々の指紋」になったわけです。
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アトランティスの魂と日本
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クリスタルの先生の過世療法によれば、アトランティスの水没を察知して高台に避難したり、泳いで生き延びた人々もいたようです。ナイル川のピラミッド群の建設に携わっていたアトランティス人も大洪水を免れたでしょう。しかし彼らが都市を完成させることはなかったようです。文明を構成できるほどの人口はもう残っていなかったと思われます。
思いを馳せると、生き残ってなおピラミッドを完成させた人々の不安や悲しみが伝わってくるようです。大地が水没し、さらに寒冷化によって耕作地を追われ、住む場所を失った人類。寒冷化に伴う乾燥で森が失われ、砂漠が広がっている。このままこの星はどうなってしまうのだろう…と。そんな期間が数百年〜1000年も続いたのです。
スフィンクスは巨大な岩盤を削り出して造られたものです。炭素原子の放射線年代測定によれば、1万500年以上前のものと推定されています。「元はライオンの像であり、現に1万500年前、そのライオンの像が向いている先には獅子座があった…」これは「神々の指紋」の中でハンコック氏が指摘した内容です。
1万500年前という数字が本当なら、この地にアトランティス人の生き残りがしばらく暮らしていたのかもしれません。この頃の地球は再び温暖化し、海洋面積が広がったことで気候も穏やかになっていたでしょう。
このときの村の姿はあの時代とは程遠く、土着の人々との共同生活になっていたと思われます。そしてアトランティスの血筋が途絶える前に、自分達が生きていた証としてこれを造ったのかもしれません。そしてこの場所はアフリカの土着民族であるフン族の聖地になったのです。
後にこの地を侵略したアーリア人、後にツチ族を呼ばれる人々は、先住のフン族を追い出し、彼らを奴隷にして王朝を作ります。そしてこのとき、すでに鼻先と顔の一部が欠けていたライオンの像を削り取ってファラオの顔を乗せたのです。これが現在のスフィンクスです。
その前提で見ると、前足が長くリアルな胴体と尻尾の割に、ファラオの顔がやけに小さく、取ってつけたようにアンバランスであることが分かります。クルガン人…後のアーリア人とアトランティス人の関係が皮肉にも象徴されているようです。
同様のことは南米でも起こりました。ケツァルコアトルの伝説は、アトランティスの生き残りがこの地にやって来て、ピラミッド等の石造りの建築技術や、農業技術、天文学の知識を授けて去っていったことを示しています。
15世紀に入ってアーリア人であるスペイン人が軍隊と共にやって来たときに、彼らをケツァルコアトルの再来と勘違いして信用したことが、皮肉にも後の大虐殺を容易にし、王朝の滅亡を早めました。
「神々の指紋」にもあるように、生き残ったアトランティス人は今回の文明期に繋がる伝説をいくつか残し、やがて途絶えていったと思われます。そして霊界と地上世界を行き来する転生の仕組みに組み込まれていったわけです。
ただクリスタルの先生によると、一度だけ、アトランティス崩壊後にグループで転生した場所があるといいます。それが縄文時代中期の日本です。
洗練された都市型の文明だったアトランティスと違って、縄文文明(古日本文明)は森と土の文明です。アトランティス中期前半まではなんでも意識で物質化できた彼らは、ここで自然と向き合い、大地に足をつけ、全てを一から手作りすることを覚えます。そしてまた世界中へと散っていったのです。いつかまたこの地での再会することを期して…
ちょうど8000年前〜6000年前は縄文文明が最も栄えた時期でもあります。この頃の縄文人はアトランティス人的ところがあって、クリスタルを好んで身につけ、黒曜石もツールとして好んで使いました。ヒスイから勾玉を削り出して交易もしていました。この時代、水晶と同じ硬度7のヒスイを研磨する技術は縄文人しか持っていなかったといわれています。瞑想の時間を大切にし、音楽や舞踊といった遊びも大好きで、果物や木の実が好物でした。
そして日本人の中に今でも残る「御霊信仰(みたましんこう)」はアトランティス人が伝えたかったことそのものと言えます。「分け御霊(わけみたま)」という名の、誰の中にもある「神性」のことです。そしてお互いに「神の子」として敬意を持って接するという「惟神の道(かんながらのみち)」を実践していました。
ポールシフトによって、日本の位置は現在の台湾の緯度あたりから現在の温帯気候に変化しましたが、黒潮が温暖な気候をもたらし、海産物も豊富で、品種改良によって稲作の技術も継承できたのです。海面上昇で大陸からは切り離されてしまいましたが、それが幸いして後にユーラシア大陸に吹き荒れた戦乱に巻き込まれることもなく、アトランティス時代と同じ、ひとつ前の文明の知恵を引き継ぐことができたのです。
日本列島は地球の中で最も特別な場所の一つです。地球を三角形の集合体である四面体を膨らませたものと見立てると、竜骨にあたる4つのラインの4つの交点の一つが日本だからです。しかもここは地球上で最も重力が高い場所としても知られています。つまり三角錐の頂点にあたるのが日本というわけです。
一方三角錐の底辺にあたるエネルギーポイント、コーカサス地方、アメリカ北西部のカスケード山脈(レーニア山)、そして南極点は20世紀以降ずっと闇側の勢力下にありました。
日本も大東亜戦争で敗れ、アメリカの管理下に入ることで闇堕ちしたはずでしたが、日本人の意識はまだ光を保っていることが2011年の東北の震災で明らかになると、彼らの攻撃が執拗を極めるようになったのです。そして現在も総攻撃は続いています。日本人の魂を闇堕ちさせるために…
地球規模のカタストロフ(大破局)は今の時代も起きています。
ワクチンによって人類の遺伝子を組み替え、病原体の製造機にして大量殺戮を図るという、あの時代とは別のカタストロフです。人類は今回はじめて脳が戦場となった「認知戦」「洗脳戦」に負けてしまい、闇の勢力の犯罪を防げなかったのです。数十億人の大量死という未曾有の事態が目前に迫っています。こんなにも多くの人が数年のうちに亡くなることは人類史上なかったはずです。そして不妊のカップルも激増するでしょう。人類全体への心理的影響のみならず、これは人類の存亡の危機です。さらには生態系への影響、地球磁場への影響も計り知れないものがあります。
一方南米大陸はBRICSが台頭、アフリカ大陸はロシアが軍事的に奪還しつつあり、闇堕ちした三角錐の底面に復活の兆しがあります。アメリカもいよいよバイデン政権をひっくり返して、トランプ政権の復活と一連の軍事作戦が種明かしされる可能性が高まっています。アトランティス時代以来最も闇深いコーカサス地方も、ウクライナの敗戦とゼレンスキー政権の崩壊によって解放される日が近いかもしれません。
希望は見えています。ですから今回は「絶望」しないことです。決して諦めないことです。
こんな話を延々と書いたのは、今この時代にアトランティスの魂の多くが日本に転生していると思うからです。そしてあの時代のカルマを再現するように、がんばっても伝わらない、報われないという経験を繰り返しているかもしれないからです。そして不安や失意に飲まれ、失望が絶望へ変わっていく体験をしている人もいるかもしれません。でも心配しないでください。それはおそらくカルマが浮上したことによる追体験だからです。
確かに今回の事態も「人類のカタストロフ(大破局)」と言えます。状況もあの時と似ています。でもあの時代に比べれば、あの1000年間も希望が見えなかった時代に比べれば、ずっとましでしょう。
そしてあのジブラルタルの決壊事件と同じように、人類の大殺戮に直接手を掛けた闇の勢力は、因果の摂理に則り、自滅する形でカルマの精算をすることになると思われます。
今回は星の配置も味方してくれています。時代が後押ししているのです。太陽も活動期に入って応援してくれています。
そして1万3000年前に海洋面積が広がったことで、地球は氷河期を乗り越えた可能性があります。極端な寒冷化、つまり氷期はもう来ないのではないでしょうか。
今回のポールシフトで地球の4つの集極点の一つが南極におさまりました。これでしばらく地軸も安定するかもしれません。人類も地球も大きな傷を負いましたが、悪ことばかりではないのです。人類は解放されなければなりません。今度こそ闇は明けるはずです。
今回こそは絶対に失意の底に沈まず、決して絶望の淵に立つことなく、最後の最後まで諦めず、氣丈に立ち向かい、人類が闇から解放されるそのときまで、希望を胸に進んで参りましょう。
その日は近いです。
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