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火花

若手コンビ「スパークス」としてデビューするも、まったく芽が出ないお笑い芸人の徳永(菅田将暉)は、営業先の熱海の花火大会で先輩芸人・神谷(桐谷健太)と出会う。神谷は、「あほんだら」というコンビで常識の枠からはみ出た漫才を披露。その奇想な芸風と人間味に惹かれ、徳永は神谷に「弟子にしてください」と申し出る。神谷はそれを了承し、その代わり「俺の伝記を作って欲しい」と頼む。その日から徳永は神谷との日々をノートに書き綴る。

2年後、徳永は、拠点を大阪から東京に移した神谷と再会する。

二人は毎日のように呑みに出かけ、芸の議論を交わし、仕事はほぼないが才能を磨き合う充実した日々を送るように。そして、そんな二人を、神谷の同棲相手・真樹(木村文乃)は優しく見守っていた。

しかし、いつしか二人の間にわずかな意識の違いが生まれ始める―

最初は『ん?こんなもん?』って感じる程普通でした。
この手の『会話の面白さ』は品川作品の方が私は好きかな。
得意の『前評判が高かった』って奴かと思って、結構ダルダル加減で見ていたのですが、クライマックスが凄かったですね。

ラストの漫才ステージは本当に凄かった。
きっとやるだろうと予想はしていたけれど、胸に来るものがありました。私も大きなショックを受けて絵を描く事を止めたことがあるので、それと重なってしまって心が握りつぶされる思いでした。

共感ってこういうことなんだろう。

又吉さん原作とは言え、笑いを求めて観る映画ではありません。
何と言うか、呼吸を見るような。
色んな人の色んな色した呼吸を観る印象。
その吐き出す呼吸が交じり合って色んな色に変ってゆく。
パステルカラーだったり、グレーだったり。
そしておかしな色に染まってゆく人の姿。

ラストステージからの展開も良かったです。
終わりそうで終わらない感じ、だるくて良いですね。

嫌いじゃないです、こういう呼吸のような作品。


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