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#週一文庫

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毎週1冊の文庫もしくは新書を読み、その本の中でじぶんが一番おもしろいと思ったところを引用しながら、「なぜおもしろいと思ったのか?」を踏み込んで解説。 いわゆる書評ともちょっと違う…
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#読書記録

34本の読書記録を書いての振り返りと、これからのアップデート

はじめに:「#週一文庫」とは「#週一文庫」と銘打って、読書ブログを続けていました。 今年の始めからスタートし、週一冊の文庫本もしくは新書を読み切り、その書籍のおもしろさを抜書きしつつ紹介するものです。ちょこちょこ抜けはありますが、それでも基本的には続けました。 ルールをシンプルにすることで、とにかく続けることを大事にしました。 一番ビュー数があったのが「ナボコフの文学講義」で、 一番いいね数が多かったのが「吉原はこんな所でございました」 でした。 ま、他クリエイタ

習慣の力(ハヤカワ・ノンフィクション文庫)チャールズ デュヒッグ

この本は、「習慣」が人間にどのような影響を与えるのかを書き記した一冊です。個人から組織にいたるまで、様々な事例や研究結果を基に、良い方向に動いたものだけでなく、悪い方向に行ってしまった例も取り上げられています。 その「習慣」に抗えたか一番おもしろかったのは、P376-377 第9章 習慣の功罪--ギャンブル依存は意志か習慣か 習慣は---たとえ、いったん頭に刻み込まれたとしても---定まった運命ではない。私たちは習慣を選ぶことができる。(中略)  私たちは毎日、何百という

吉原はこんな所でございました 廓の女たちの昭和史 (ちくま文庫) 福田 利子

この本は、吉原の地にあった料亭「松葉屋」の女将 福田利子さんが、吉原という地がどういったところであったのかを、実体験や文献を頼りに描き上げてくださる一冊です。 吉原とて、貸座敷のみにあらず一番おもしろかったのは、P76-78 二章 私が松葉屋に来たころ 吉原の仕組み 三業組織と申しますのは、貸座敷、引手茶屋、芸者屋の三つの業種のことで、この三つの業種に分かれていることによって、また別の見方をすれば、この三つの業種が一つになっていることで、吉原遊廓の中に格式が生まれていたと

ぼくのマンガ人生 (岩波新書)手塚 治虫

この本は、みなさんご存知のマンガ家「手塚治虫」が、幼少期にマンガと出会い、マンガに助けられ、そしてマンガを描き続けてきた自身の人生について、改めて振り返りながら、自分がどのようにして「マンガ」、ひいてはマンガを通じて「人」と、向き合ってきたかを書き記した一冊です。 「好きだから」で選べるか一番おもしろかったのは、P72 「生命の尊厳」がぼくのテーマ より ぼくは医者になれたらいいなとも考えていましたし、マンガも描きたいと思っていました。そしていよいよ進路を決めなければなら

科学の方法 (岩波新書 青版 313)中谷 宇吉郎

この本は、自然科学の本質的な考え方とは、どのようなものであるのか。またそれは、どのような方法を用いているのか。どんな限界があるのかを書き留めた一冊です。 可能な限りで再現性を追いかける一番おもしろかったのは、P80 五 解ける問題と解けない問題 しかし自然のほんとうの姿は、永久に分からないものであり、また自然界を支配している法則も、そういうものが外界のどこかに隠れていて、それを人間が掘り当てるというような性質のものではない、という立場をとれば、これがほんとうの自然の姿なの

日本の税金 第3版 (岩波新書)三木 義一

この本は、日本の税金入門書として書かれた本です。「税金のことはよくわからない」と、ブーたれて文句言い続けのでなく、まず現在の税制を理解できるようにとの想いで書いてくださったそうなのです。 前回、週一文庫で取り上げた本で、税金に興味を持って、もうちょっと深掘りしたいと思って手にとりました。買ってから気がついたのですが、著者同じの一冊ですね。 ▼前回の週一文庫はコチラ 消費税と派遣社員一番おもしろかったのは、P99第3章 消費税 多くの消費者は、「消費税」という名前からし