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シナリオ解説:スエズ運河攻防戦

 ガングリフォンにおける北アフリカ戦線のクライマックス。スエズ運河攻防戦の簡単な解説です。この戦いはTVゲームには収められていませんが、非常に面白いテーマなので、専用マップまでこしらえてHIGH-MACS Tacticsのシナリオに入れてみました。
 今回のテストプレイである程度納得がいったので、このシナリオはひとまず完成ということにします。
※この記事はクリックで画像を拡大できます。


 APC側はスエズ運河の堤防を塹壕代わりにして背水の陣を敷いています。一方のPEU側はティーガー歩行戦闘車だけがマップ上にいて、この後マップ左(西)側から続々と増援がやってきます。
 PEUはゲーム終了までに渡船場ヘクスを支配すれば勝利。このシナリオに出てくる2機の12式改は、エアフィルターが砂塵にやられてエンジンを痛めてしまったため飛べません。よって完全な地上戦オンリーのシナリオとなっています。

ゲーム開始時の状況

 スエズ運河西側はほとんど遮蔽がなく、姿をさらせば遠距離でも誘導兵器の餌食になります。そこでPEUは重装甲AWGSティーガーを前面に立て、ゆっくりと渡船場を目指す作戦に。
 ティーガーに対しては通常のATMはおろか、KEM(運動エネルギーミサイル)をもってしても装甲を貫くことは(ほぼ)できません。12式改が飛べればティーガーすらも雑魚ですが、今回は空が封じられています。
 APCにとって頼みの綱は、A~Cの3カ所で完全潜伏中の戦車部隊のみ。至近距離の戦車砲ならティーガーの重装甲を抜けるため、ここぞというタイミングで突撃に打って出る必要があります。


 下の画像はテストプレイの様子です。

第1ターン終了時

 PEU側には大きく分けて2つの戦術が考えられます。
 1つは増援としてくる8機のオートリュシュや戦車を被弾上等で先行させ、完全潜伏中の戦車を見つけ出して破壊し、ティーガーの安全を確保すること。もう一つはあくまでオートリュシュを支援攻撃用として使い、本隊到着までできるだけ運河沿いのAWGSを削ることです。
 今回は後者を選択しました。そのため増援の戦車もKEMの餌食にならないよう、稜線越しに一旦待機させています。
 既に弾切れマーカーが幾つか乗っていますが、これは誘導ミサイルの弾切れを表します。戦場換装(言わばリロード)を行うことで再び撃てるようになりますが、弾切れ率は以前より高くなります。


 ゲーム中盤。

第4ターン終了時

 渡船場にいる2機の12式改にとって、ティーガーは何よりも脅威です。HIGH-MACSは誘導ミサイルにはチート級に強いものの、実体弾に対しては他の機体と何ら変わりません。よって重装甲、強火力のティーガーと有効距離でガチ勝負するわけにはいかないのです。

 第4ターン、APCは一か八か99式戦車4輛による突撃を敢行。これに対しPEUはレオパルト2A5×3、メルカバMk.3×4、ティーガー×4による防御射撃を行います。
 幸運にも99式戦車3輛が生き残り、逆に移動後の射撃でティーガー1輛に損傷を与え、もう1輛は混乱。翌ターンにこの戦車小隊は全滅するものの、2輛のティーガーを道連れにすることに成功しました。
 しかしAPC側が良かったのはここまででした。


最終(第9ターン)APC投了時

 上図は第9ターンPEU移動フェイズの途中、ゲーム終了時の画像です。
 このターンに渡船場を守る12式改2機が撃破され、空いた場所にパンターが進入。既に防御射撃のための行動ポイントも残っておらず、APCの負けが確定しました。
 今回のプレイでは町で完全潜伏中の90式改(A小隊)や、渡船場の12式改が思ったほど活躍できませんでした。またマップ下側で完全潜伏中だった90式改(B小隊)の扱いも難しかったです。
 一方PEU側も、増援の戦車部隊をもう少しティーガーの動きに合わせていたら、敵の突撃に対処できていたかもしれません。ティーガーは移動後の射撃(扱いとしては行進間射撃)が基本できず、唯一可能な防御射撃も命中ペナルティが入るためケアが必要です。

 このシナリオは3次元機動に関するルールが不要で、攻撃ヘリも登場しません。またイニシアチブもPEU側先攻で固定なので、戦場支配の先行きに頭を悩ませることもなく、シンプルな攻防戦に集中できます。スエズ運河に関する地形ルールさえ頭に入れれば、割と取っつきやすいシナリオだと思います。

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