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私的2023秋アニメ3選

1月が始まり、思うこと。

2024年冬アニメがスタートした。
昨年の今頃は弓道アニメ『ツルネ』2期を観始めて、「久しぶりの京アニはやっぱりええなぁ。」とアニメ好き観点からも、腐女子的観点からも微笑んでいた。
ほぼ同時期にヨガレッスンをスタートした香川県立武道館には立派な弓道場があることからも、偶然の符号にしみじみしたことを覚えている。
あれからもう1年が経ったというわけだ。
コミックエッセイ『腐女子のつづ井さん』(KADOKAWA)にて「オタクやってると、アニメで季節の移り変わり感じるから、まったく季節感が狂わない」というシーンがあり、あれはあながち過言でないことを実感する。
どんなに暖冬でも、冬アニメが始まれば冬なのだ。

豊作すぎた2023秋シーズン

毎シーズン群雄割拠だとか豊作だとか抜かしそうになるが、前シーズン2023秋アニメは本当に観るものが多く、パトロールになかなか忙しかった。
・呪術廻戦2期 ・葬送のフリーレン
・薬屋のひとりごと ・ミギとダリ
・アンダーニンジャ ・鴨乃橋ロンの禁断推理
このあたりは毎週追っていて、11月に放送された「進撃の巨人ファイナル」ももちろん観た。(号泣した。『先に待ってる…地獄で』!)気に入ったものも、そうでないものもあったけれど、私的季節行事として総括しておきたい。


私的2023秋アニメ3選

①呪術廻戦 2期 渋谷事変編

夏に始まった「懐玉・玉折編」のムネアツぶりについては以前にnoteに記したため、割愛しよう。(2期は懐玉・玉折編5話+渋谷事変編18話から成る。)

渋谷事変編は全体を通して、呪術高専サイドvs頭パッカン夏油率いる呪霊サイドの濃密&ハードな闘いが続き、犠牲者も相次ぎ(ほんとに死ぬからびっくりする)、辛いシーンが多かった。それでも作画や物語の緻密さと、みんな大好きKing Gnu『SPECIALZ』の圧倒的な力に導かれて、あっという間に年末を迎えた。

2期17話「霹靂‐弐‐」は映画を観ているような出来栄えで、ラストの虎杖くんの叫び→主題歌の流れは、PC画面で10回以上観返しても鳥肌が立つ。(ヨガ&アニメフレンズの生徒さんMさんは、同話の虎杖宿儺vs魔虚羅の戦闘シーンがお気に入りで「東京に魔虚羅さんを招聘して実際に撮影したかのようなクオリティでしたね!」と語っていた。視点がマニアックである。)

推しとはまた異なるが、冥さんと東堂くんはストーリーを彩り豊かに動かしてくれるので、登場するといつもワクワクした。(推しは死んだ。)


②葬送のフリーレン

今期の覇権はフリーレンだったかもしれない。
老若男女、幅広い層を虜にしていた。ふだんアニメを観ないような方までも。
主人公フリーレンはエルフの魔法使い、人生のほとんどを一人で魔法収集の旅をして過ごしている。他の種族と比べて長寿であるがゆえ、人間やドワーフの仲間と過ごす時間は、フリーレンにとっては人生のうちの一瞬のことに過ぎない。大魔法使いである師匠も、心を傾けてくれた勇者や僧侶も、あっという間に先立っていく。

時間軸の妙も、勇者・魔王モノとしての世界観も魅力だが、この作品に惹かれたのは「メインキャラがみーんな静か」という点に意表を突かれたからだった。
「キャラクターは個性豊かなほうがいい」というのが自明の理とされつつあるなか多くの作品は、力持ち、理知的、お色気、おてんば、天然、仲間想い…とカラフルになりがちだが、この作品では皆思慮深く、泣いたり喚いたり叫んだりして感情を表現するシーンが極端に少ない。
フリーレン(主人公)とフェルン(弟子)が2人で旅をしているところなど、ツンデレ(ちょいショタ美少女)×ツンデレ(ショタ美少女)でキャラ被りまくってないかいと心配になったほどだった。

しかし静かであるがゆえに、1つ1つの言葉はじんわり視聴者の心に響いた。表情一つ変えずにぽつりぽつりと零れるセリフには、いつも相手の心を確かに揺さぶるような温度がこもっていた。


③ミギとダリ

個人的にストライクだったのはこちら。
周りに観ている人がいなかったため語れなかったが、佐野菜見先生のシュールな世界観がとりわけ好きなのだと思う。孤児院育ちの美貌の双子が「一人の男子」としてある村に住む夫妻の養子として引き取られる、というところから始まるミステリアス・メルヘン。
しっかりシリアスなストーリーなのだが、作者独自の「真剣な笑い」のセンスが散りばめられており、大いに笑い、泣かせてもらった。
クセ強キャラクター達が、ひたむきに生きるということは滑稽なことだと教えてくれる。
ちなみに原作者の佐野先生は、2023年8月に若くして急逝された。
『ミギとダリ』を観れば、佐野先生がいかに命を燃やして漫画を描いていたのか、が感じられることと思う。

『葬送のフリーレン』と『薬屋のひとりごと』は2シーズンものらしく、春まで続くので有難い。


つい先日。

初めてお会いして仕事の打ち合わせをした方が、インスタグラムを介してnoteを読んでくださっていたらしく「先生はアニメがお好きなんですね。私も呪術廻戦観てました。面白いですよね!」と話を振ってくださったので、「はい。2023年の下半期は呪術廻戦のおかげで生きてこれましたよね。」と返すと「いや……それはちょっとわからないですけど…」と申し訳なさそうに俯いてしまった。

熱量を押し付けては、いけませんわね。


【作品情報】
・呪術廻戦
原作:芥見下々(集英社・週刊少年ジャンプ)
アニメーション制作:MAPPA

・葬送のフリーレン
原作:山田鐘人・アベツカサ(小学館・週刊少年サンデー)
アニメーション制作:マッドハウス

・ミギとダリ
原作:佐野菜見(KADOKAWA、ハルタ)
アニメーション制作:GEEKTOYS×CompTown

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