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イベント「知られざる多治見の洋館で東欧音楽とお茶時間」を開催しました

先日、「知られざる多治見の洋館で東欧音楽とお茶時間」というイベントを開催しました。これは体験型イベントとして多治見市観光協会が主催する「多治見るこみち」という催しのうちの一つとしておこなったものです。 一般公開されていない「洋館」という特別な場所で開催したこのイベント。15名の方に参加いただき、私も貴重な時間を過ごすことができました。 ではその様子をご紹介!

舞台は非公開、築約百年の洋館

前から気になっていた多治見にある古い建物。縁あって、持ち主の方と連絡を取って頂くことができ、中を見学させてもらえたのが6月ごろだったでしょうか。その時の様子はこちら >>この秋、築約100年の洋館で、チェコの昼下がりを

現在は空き家となっている洋館。はっきりしたことは分からないそうなのですが約100年ぐらい前に建てられたと持ち主の方からお聞きしました。

ところどころ手を入れられ改装はされているものの、内装は当時の趣を残し大変味わい深い洋館です。こんな素晴らしい場所でお茶会なんて出来たら良かろうな、音楽もあったら素敵だろうな、と思いが膨らみ企画したのが今回のイベントです。

持ち主の方から許可を頂け、ここを舞台にコンサートとお茶会イベントを開催することができたのです。(ただし、私邸のため場所の特定につながる情報は控えさせていただきます)

参加していただいた皆さん興味深そうに建物内を見学されていらっしゃいました。 玄関のタペストリー。

この洋館の持ち主の方は貿易など幅広くビジネスを手がけられてこられた方。洋館のところどころに置かれた調度品は、世界各地から集められたもののようです。

洋館のバーの裏側に隠れていたこの子。この日使った器にぴったりなブルーのマトリョシカ。世界を飛び回りビジネスをされていたという当時住んでいた誰かがロシアから持ち帰ったのでしょうか。

ダニエル・フォルロー氏のコンサート

今回演奏をお願いしたのは各務原市在住のチェコ人シンセサイザー奏者ダニエル・フォルロー氏。若い頃にはプログレロックバンドでシンセサイザーを演奏していたこともあるダニエルさん。

この日はオリジナル曲も踏まえながら東欧の作曲家のクラシック中心の選曲で演奏をしていただきました。奥様の千絵子さんが合間に曲の解説やチェコについて色々とお話をしてくださいました。

空き家であるこの洋館にダニエルさんの音楽が流れた瞬間、建物が生き生きと喜んでいるようなそんな気さえしました。

チェコ風お茶時間

途中休憩を挟んで、お茶時間へ。 こんな素敵なバーカウンターがあり、こちらをお茶準備に使わせていただきました。

この日のお茶は、春にチェコへ行かれていた千絵子さんが現地で購入してきてくださったもの。

実はチェコには「チャイオブナ」というオリエンタルテイストのお茶屋さんが各地にあるそうでお茶文化が広まっているようなんですね。 >> チャイオブナを紹介してある記事はこちら この日は二つのお茶からお好きなものを選んで頂きました。 ・スバテチュニ (祝祭のお茶) 紅茶・煎茶・ジャスミン・バラ・ヒマワリ(花) ・ブレンドハーブティー(ノーストレスティー) フェンネル・カモミール・ブラックベリー・菩提樹 チェコのハーブティーというと菩提樹が有名だそうですが、あっさりした味でインパクトがないということで今回は他のハーブとブレンドしてお出ししました。

お茶用のカップ&ソーサーは土岐市で50年くらい前に作られたもの。転写もところどころずれていたりかすれていたり。でもとても薄く作られたそのカップはレトロな梅柄でこのお茶会に合うような気がしてセレクト。

チェコのお菓子「ペルニーク」

そしてお菓子は、チェコのジンジャークッキー「ペルニーク」。

北海道の「十勝菓子工房菓音」に今回のイベント用に特別に作っていただきました。

チェコの伝統菓子ペルニークは、ラテン語のペッパー(胡椒)が名前の由来で、ルーツは古代エジプトで作られていたお菓子に遡るのだそう。チェコでは1300年代頃には修道院で作られていた記述があり、高価な複数のスパイスを調合して作られていたようです。 菓音さんHPより

親身に対応してくださった菓音さん。チェコにはペルニークの専門店もあるんだとか。行ったことのない国、チェコに思いを馳せる時間となりました。

ブルーオニオン「BlueDanube」のコンポート

今回のお茶時間に向けて地元で作られている器を使いたいと思い探している中でブルーオニオンというものに出会いました。

>> マイセン ブルーオニオン ブルーオニオンとは元々はドイツのマイセンで作られていた食器の青絵付けの絵柄。手描きで高価、入手の難しいマイセンのオリジナルを模してアメリカへの輸出用に50年ほど前から土岐市で「Blue Danube」というブランドで作られています。このブルーオニオン柄は言ってみれば唐草模様のような元は中国から来た模様であり、マイセンにライセンスがあるデザインではなかったので美濃焼以外にもチェコなど世界各地で模倣品が作られてきたようです。 土岐市の「BlueDanube」の製陶所を訪ねたところ社長さんのご好意で、写真のコンポート皿を貸して頂けました。

海外向けに大量生産されてきた洋食器。これもまた美濃焼の一面ですね。 そうそう、ダニエルさん宅に打ち合わせでお邪魔した時に出していただいたコーヒーのカップ&ソーサーがチェコ産のブルーオニオンでした。器の話、ダニエルさんにはしていなかったのでおぉ繋がった!と思った瞬間でした。 (それほどに世界各地で浸透している絵柄ということなんですね。)

一般公開されていない洋館を借りられたという幸運、チェコとつながりのある器との出会い、北海道の地で一つ一つ丁寧に作られたペルニーク、ダニエルさんの音楽、千絵子さんのお茶とおしゃべり。参加くださった皆さんがそんな一つ一つを楽しんでいただけていたら、と思います。 参加くださった皆様、本当にどうもありがとうございました。

今回イベント開催のきっかけをくださった多治見市観光協会のHさん、洋館を貸してくださったオーナーさん、ダニエルさん&千絵子さん、お皿を貸してくださった社長さん、ペルニークを作ってくださった十勝菓子工房菓音さん、手伝ってくれた友人、家族、協力いただいた皆様に感謝を込めて。

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